【ボルドー:8】シュヴァルブラン&マルゴー。1978年熟成ボルドーの饗宴。

こんにちは、HKOです。
久々にボルドー、今回は熟成シュヴァルブラン、マルゴーになります。
さて今回は1978年ヴィンテージの水平です。ボルドーの1970年代は気候の問題もありますが、どのシャトーも良作が出来にくかった年代となります。(それは所有者の努力の有無であったり、ヴィンテージの良し悪しであったり要因は沢山あります。)避けるべきワインの烙印を押された7大シャトーですが、35年経った今どのような姿になっているでしょうか?

シャトーシュヴァルブランはサンテミリオンにおける4つの第一特別級Aの一角でボルドー右岸最上のカベルネフランを生み出すシャトー(残りはオーゾンヌ、パヴィ、アンジェリス)。
1960年代、1970年代は品質が落ち込んだものの、ジャック・エブラールが就任した1980年代には品質は大きく向上した。また以降の所有者であるピエール リュルトンの手により2000年、1999年、1998年は素晴らしいヴィンテージとなった。
シュヴァルブランの畑はポムロールとの境界線にある鉄鉱石を岩床とした砂利の多い、砂礫質及び粘土質の土壌。レヴァンジル、コンセイヤントに隣接する。
栽培面積は37haで、平均樹齢45年の葡萄を35hl/haという低収量で収穫し、醸造工程に移る。醸造は温度管理されたステンレスとコンクリートタンクで発酵及びマセレーションを21~28日間実施。MLF後フレンチオーク新樽100%で18ヶ月。清澄は卵白を使用、無濾過。

シャトーマルゴーはマルゴー村に拠点を置く、メドック第一級に位置するシャトー。いわゆる5大シャトーのうちの一つ。一時期ジネステ社が所有した時期にその評価を落としたが、メンツェロプロス家に売却されてからは、エミールペイノーをコンサルタントとして迎え、急激な資本投資もあり、1980年以降その評価を回復させた。現在はポール ポンタリエの指揮の下、一級に相応しい卓抜した品質を堅持し続けている。今回はセカンド ラベルのパヴィヨン ルージュ。栽培面積は78haで平均樹齢35年程度の葡萄の収量を45hl/haに抑え収獲を行う。除梗後、温度管理された木製槽で3週間のマセレーションとアルコール発酵が行われ、オーク樽の新樽で18~24ヶ月熟成される。基本的に無濾過で瓶詰めされる。

極めてベタですが、ボルドー最上の熟成ワインの比較、行ってみましょう。


生産者、銘柄: シャトー シュヴァル ブラン 1978
品種: カベルネフラン66%、メルロー34%

約40000円、WA87pt
外観は淡い煉瓦色のガーネット、粘性は中程度。
マルゴーと比べると、より動物的でスモーキーな印象を受けるワイン。35年熟成としては恐ろしい若々しさを保っている。
腐葉土や西洋杉、シイタケなどのアーシーな熟成感、タバコの様なスモーキーさ、燻製肉などの動物的な要素が強く感じられる。そしてオレンジや黒オリーブ、カシスなどの果実味。リコリスやシシトウのスパイシーさ、スミレ、ドライハーブ、ローストした木材などの要素が感じられる。ハーヴィーかつスモーキー。さながらオーブリオンの様なスタイル。
タンニンや酸は非常に生き生きしており、強いカシスとリコリスの風味が感じられる。優しい旨味があり、しっかりとしたボディが感じられる。


生産者、銘柄: シャトー マルゴー 1978
品種: カベルネソーヴィニョン 75%、メルロー 20%、カベルネ フラン、プティ ヴェルド 5%

約157000円、WA92pt
外観は淡い煉瓦色のガーネット、粘性は中程度。
1978年とは思えない若々しくかつ非常に華やかな傑出したマルゴーだと思う。場合によっては80年代よりも若々しく感じられるかもしれない。野生味に溢れたシュヴァルブランに対してより整然とした優美なスタイルを維持している。
トリュフ、油粘土。徐々に枯葉や濡れた西洋杉、ミント。そしてクレーム ド カシスやプラム、イチジクを想起させる豊かな果実味。黒砂糖。炭焼きやミルクコーヒーのニュアンス。甘草やクローヴなどの要素。スミレ、鉛筆の芯、シロップの様な甘露さがある。徐々にタバコや、生肉などの動物系の強い香り。
滑らかで華やかな酸、タンニンがあり、口に含むとクレーム ド カシスやプラム、イチジクの豊かな果実味が広がる。熟成による旨味も多分に含まれており、全体的に綺麗に熟成が進んでいると思う。70年代としては傑出したマルゴーだと思う。


はい、以上です。
シュヴァルブランも素晴らしかったですが、とてつもなく恐ろしいのはマルゴーですね。熟成したシャトーマルゴーは何本が飲んでいますが、ここまで素晴らしい熟成マルゴーは初めてですね。
何が素晴らしいかというと、強い熟成感を感じる第一印象から、急激に濃厚かつ滑らかな果実味が現れて花開いて行く所です。トリュフや枯れた葉、濡れた西洋杉、油粘土、そしてドライイチジクなどの強い熟成のニュアンスがありながら、しっかりとクレーム ド カシスやドライプルーンの果実味がある。黒砂糖やミルクティーのニュアンスすら感じさせる味わい。うねるように鉛筆の芯や生肉の要素肉変異していく。ボルドーらしい充実した果実味を残しながら極めて複雑な熟成香、そして旨味が発現している。
若々しく果実味に溢れたワインではなく、熟成香が味わいの主体となる訳でもない、きわめて均整の取れた端正なワインだと思います。
後から聞いたところ、所有者が変わってから最初のヴィンテージとのこと。なるほど、納得....。

勿論シュヴァルブランもマルゴーほどではないにせよ素晴らしかったです。パーカーポイントこそ低得点ですが、その長熟さは存分に発揮されている様子。動物的でスモーキー、かつハーヴィー。ともすれば綺麗に熟成したオーブリオンに似た味わいとも言えます。
熟成ボルドーらしい腐葉土や西洋杉、シイタケなどのアーシーな熟成感、タバコの様なスモーキーさ、燻製肉などの動物的な要素が強く感じられます。
果実味はマルゴーほど強烈ではないが、独特の清涼感や塩味をかんじさせるオリーブやカシスの風味が感じられます。やや青さを感じさせる作りであるものの十分にグランヴァンとしての風格が感じられる味わいだと思います。優雅で滑らかなマルゴーに対して、シュヴァルブランはより野生的かつ動物的なスタイル。しっかりとしたボディはあるし、個人的には酷い出来だとは思いませんでした。

やはりボルドーの真価は熟成香が出始めたあたりですね。若いボルドーも最近のヴィンテージはとても美味しいと思いますが、ヴィンテージボルドーの官能性はワインの中でもトップクラスだと思います。


1978 (750ml)シャトー・マルゴー 1978 (750ml)

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価格:156,450円(税込、送料別)


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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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