【ボルドー:11】ル パン、ポンテ カネ。最新のパーカーポイント100点生産者を水平で。

こんにちは、HKOです。
本日は左岸、右岸の2010年の中でも突出した品質を誇るポンテ カネ、そしてボルドーのガレージワインの代表格とも言えるル パンの2種類です。

シャトー ポンテ カネはムートン ロートシルトの向かいに位置するメドック格付け5級シャトー。1994年以降急激に品質を向上させており、現在は1級シャトーに匹敵、年によって凌駕する卓抜した品質を誇る。間違いなくピジョンララント、コスデストゥルネル、パルメ、レオヴィルラスカーズ、デュクリュボーカイユ、ランシュ バージュの6大スーパーセカンドの領域に足を踏み入れているシャトーと言える。とりわけ2009年、2010年に関してはWAで連続100ptを獲得しており、その名声を確かなものとした。
現在も品質向上に力を入れており醸造用のセラーの一新、セカンドラベルの導入、新樽比率の向上、機械収穫から手摘みへの変更を経て着実にその品質を向上させている。
栽培面積は78.9ha、平均樹齢30年の葡萄を50hl/haの収量で収穫。木製発酵槽50%、コンクリートタンク40%、ステンレスタンク10%で3~4週間発酵とマセラシオンを実施。新樽60%で16ヶ月熟成し軽い清澄と濾過を行う。

シャトー ル パンはポムロールに拠点を置くガレージワイナリー。現在はシャトーペトリュスに次ぐ「高額で取引される」ワイナリーであり、極めて「生産量の少ない(ポンテカネが25万本に対して、ルパンは6000本)」ワイナリーである。もちろんセカンドラベルは存在しない。1924年からヴュー シャトー セルタンのオーナーであるタンポン家が所有しており、その畑はポムロールの中で最も高い標高に位置している。
このシャトーの特徴的な部分は極端な遅摘み、新樽発酵槽によるアルコール発酵、オーク樽によるマロラクティック発酵である。特にアルコール発酵は新樽のニュアンスはより強く付くが人手による温度管理が必要であり、全てに目が届くガレージワイナリーだからこそできる芸当である。
鉄分に富んだ砂利で構成される、その畑の面積はわずか1.2ha。平均樹齢は25年。
新樽発酵槽で21日のマセラシオン、新樽100%で18~22ケ月の熟成を行う。
ちなみにWA100ptはこの2010年以外はなく、基本的には90点代中盤から後半に位置している。品質というより希少性で値段が高騰しているワインである。


さて、行ってみましょう。


生産者、銘柄: シャトー ポンテ カネ 2010
品種: カベルネソーヴィニヨン65%、メルロー20%、プティヴェルドとカベルネフラン15%

25000円、WA100pt
極めて2010年メドック的な味わいでいて、かつその最上級を極める様な強烈な芳香を放っている。濃厚で凝縮した味わい。
外観は濃いガーネット、粘性は非常に高い。
凝縮したジャミーなブラックベリーやカシスの果実味。糖蜜を掛けたような味わいだ。そして極めてエレガントなミント、西洋杉の清涼感のある風味が広がる。樽のカフェモカやワッフル、バニラのニュアンス。薔薇やスパイシーなリコリス、ユーカリ。ややスモーキーでタバコや燻製肉、焼いたゴムの様な風味。極めて充実した果実味があり、とてもパワフル。
タニックで有りながら目が細かく、しっかりとした酸がある。濃厚なミント、ブラックベリーのアタック、甘露な余韻が長く続く。メドックの1級にも匹敵する超絶のボルドー。


生産者、銘柄: シャトー ル パン 2010
品種: メルロー100%

480000円、WA100pt
ちょっと怖いくらい爆発的な芳香を放つポムロール。濃厚で凝縮しているが、華やかさにも振り切れている。こちらも2010年のボルドーらしい味わいになっている。
外観は濃いガーネット、粘性は非常に高い。
凝縮したコンポートしたブラックベリーやプラム、デーツの果実味、バニラや黒糖、キャラメルなど。ブリオッシュ。とんでもなく甘露で、外にグングン広がっていく様な華やかさがある。まるで糖蜜をかけたフルーツケーキの様な味わい。華やかな薔薇や西洋杉などの華やかで明るい要素。燻製肉。ユーカリ、リコリス、コリアンダーなどのスパイシーさが感じられる。
これでもかというくらい外交的で華やかで甘露なのに、味わいはとても複雑で品がある。
タンニンも酸も充実しており、とてつもない液体密度がある。口の中でとろみすら感じられ、華やかな薔薇やコンポートした黒系ベリーの果実味が広がる。ツヤツヤしたなめらかなストラクチャー。恐ろしいポムロール。
濃縮度、凝縮度共に完璧。しばらく熟成しながら、何度も美味いタイミングか来ると思う。



正直ル パンって値段高いだけじゃねえの?って思ってましたが、いやー、半端ないですね...これ!めっちゃくちゃ美味いですよ!鳥肌が立ちます。マジで。

ただやっぱりメチャクチャ高い...そう考えるとポンテ カネのお買い得感が凄く際立ちますね。こちらはル パンほどの感動は無いまでも、2010年の作柄を象徴する隙の無い完璧なボルドールージュとなっています。

まずはポンテ カネからいきます。
これが先述した通り、まさしく2010年のボルドーの代表的なスタイルを踏襲していて、その最高峰といったところです。
点数こそ下回るものの唯一無二の個性をそれぞれ持っている1級シャトーとはまた別の趣があり、強引に例えるならばシャトームートンロートシルトに近いと思います。っていうのはマルゴーでもオーブリオンでもラフィットでもラトゥールでもないから。消去法ですね。ただムートンも比較的一般的な格付けシャトーのスタイルにおける最上位版という感じがするので、まああながち間違っちゃいないと思いますね。
さて、ちょっと話は逸れましたが、ポンテ カネは2010年の代表的な作りとなっています。その特徴はなんといっても膨大な果実味の凝縮感に尽きると思います。
新世界クラスの果実味を持っているのにも関わらず、品の良さがある。煮詰めたジャムの様なブラックベリーやカシスのアロマがある。そしてワッフルや糖蜜、バニラの風味が主体となっていますが、決して樽や果実味だけに頼り切った味わいではなく、ミントやスパイス、スモーキーさがあるのがいいですね。ボルドーらしいエレガンスがあります。
またアタックやアフターも特徴的で、タニックで酸も力強いのに、目が細かく、収斂性やとげとげしさを全く感じさせない味わいです。余韻も長く、確かに2010年のボルドーの中でも突出した品質があると感じられます。

次にシャトー ル パン。
2010年のメドックとは全く異なる作りでした。凝縮感、濃厚な果実味、強い樽の要素。確かにこれらが主体ではあるのですが、ラトゥールの様な重厚さとは全く真逆で、強烈な華やかさと煌びやかさを持った、極めて外交的なキャラクターとなっています。メルローに見られるフルーツケーキの様な風味があり、コンポートしたブラックベリー、プラム、そしてデーツの様な甘露さがあり、キャラメル、バニラの樽香、ブリオッシュ。そして薔薇の様な華やかさがあります。
ただ低い重心ではなく、よりしなやかで滑らかなタッチのワインで、重さを感じさせないツヤツヤした球体のストラクチャーを持っています。小豆っぽさはありません。
高い凝縮度を保ちながら、内向きではなく外向きに広がっていくかのような味わい。
素晴らしいです。
香りの華やかさ、果実味の熟度、凝縮感、タンニンと酸の豊かさ、滑らかなストラクチャー。どれをとっても最高峰の作りであることは間違いありません。
メチャクチャ派手なワインですね。メドックみたいな重厚な豪華さというよりも、鏡の回廊やムーリスのフロアの様な華美な華やかさを強く感じますね。

両方とも極めて完璧なボルドーワインだったと思います。特にル パンは個人的にはラフルールやペトリュスより好みでした。
勿論ヴィンテージにもよると思いますが、高いだけではない、というのがよーくわかりましたすみません。

いつか誰かポムロール祭りやってくれないかな...レグリースクリネ、レヴァンジル、トロタノワ、セルタン ド メイ、ル パン、ラフルール、ペトリュスとかね...。、


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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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