【イタリア:4】テヌータ ディ トリノーロ、フラッグシップ2本を利く



こんにちはHKOです。
本日はテヌータ ディ トリノーロのフラッグシップ2種類。トスカーナの国際品種を使用したワインです。

テヌータ ディ トリノーロは1980年台に設立されたトスカーナのサルテアーノに拠点を置く生産者。現在はシュヴァルブラン、ヴァランドローからワイン作りを学んだアンドレア フランケッティ(ロスチャイルド家とも親戚関係にあるようです)が指揮を取っている。
畑には化学肥料、堆肥は使用せず、出来るだけ小さい房、実をつけさせるため植密度を1haあたり10,000株まで上げている。更に収穫は40回ものチェックを経てブドウ一本ずつ収穫時期を見極められながら行われます。故に平均収量は極めて少なく18hl/ha程度。
テヌータ ディ トリノーロはステンレス タンクでアルコール発酵、その後オーク樽にてMLFが行われます。その後バリックサイズのオーク新樽で7ヶ月、セメントタンク6ヶ月熟成後瓶詰めされます。年間生産量は7080 本。
パラッツィはステンレス タンクでアルコール発酵、その後オーク樽にてMLFが行われます。その後バリックサイズのオーク新樽で8ヶ月、セメントタンク10ヶ月熟成後瓶詰めされます。年間生産量は3000本。

さて、いってみましょう。


生産者: テヌータ ディ トリノーロ
銘柄: パラッツィ 2011
品種: メルロー100%

約22000円、WA94pt(2009)
外観はレッグスに色が映るくらい非常に濃いガーネット。粘性は高い。
新世界的なスタイルのメルローで、果実味と共に酸が強く凝縮感があるワイン。
引き締まったドライアプリコットやプラムの厚い酸と甘露さを思わせる果実味が感じられ、また華やかなスミレや薔薇、藁やイースト香のアロマ。樹皮、リコリス、メルローらしい小豆の様な要素も感じられる。
炭焼きのニュアンスもあるが、トリノーロと比べると樽っぽさは落ち着いている。
口に含んだ時、分厚い旨味と大きな果実味が感じられ、ドライアプリコットや華やかなスミレのアフターが感じられる。
極めてタニックではあるものの酸味、旨みが豊かな為、トゲトゲしい感じはしない。アルコール度数なりの力強いアタックがある。


生産者、銘柄: テヌータ ディ トリノーローン 2011
品種: カベルネフラン90%、カベルネソーヴィニヨン6%、プティヴェルト4%

約22000円、WA97pt(2009)
外観は濃いガーネット、粘性は高い。
こちらも新世界的なスタイル。かなり熟しているように思うんだけど、カベルネフランの特性であるピーマンやハーブなどの青い風味も感じられる。
熟したブラックベリー、カシスの濃厚な果実味。藁、華やかなスミレの香り。樽に起因するコーヒーやワッフル、カラメル香。こちらはややスモーキーさを感じさせる。またイーストや土っぽさ、リコリス、クローヴの様なスパイス。溶剤などの風味。
タンニン、酸はしっかりしており、アルコール度数も高いがパラッツィと比べると幾分か滑らかで柔らかなタッチ。熟したブラックベリー、カベルネ系のリッチな香りが感じられる。


両方とも、流石に素晴らしいワインでした。
個人的にスーパータスカンって美味しいんだけど、どのワインもあんまり印象に残っていなくて(ちゃんと記憶に残ってるのはペルゴールトルテやレディガフィ、マセットくらい?あとサンジョヴェーゼ主体のとか?)あまり興味が向かないのですけど、今回の2本は結構衝撃的でしたね。
どこらへんが、というと、やっぱり新世界寄りの熟度があるところですかね。
なんというか、普通のスーパータスカンって結構品が良くまとまっていて、あまりダイナミックさが無いのですが、今回この2本はいずれも大変パワフルで力強いワインだったと思います。
カベルネフラン主体のテヌータ ディ トリノーロはしっかりとした熟度がありながら、パラッツィと比べると柔らかさや滑らかさがあるワインに仕上がっていて、過熟した果実味と豊かな樽香がバランス良く調和しています。ただ幾分かのカベルネフラン起因の青っぽさはありますが、基本的にはフランらしさも残っていていいのではないかと思います。
この青臭いニュアンスが苦手な人もいると思うのですが、個人的にはクロ ルジャールにせよシュヴァルブランにせよ同様のニュアンスが出ているので、さほど気になりません。
というかこれがないとカベルネフランっぽくないんですよね。
対してパラッツィはメルロー100%。
こちらは一般的なボルドーのメルローに見られるアーシーさはさほど感じなくて、伸びていく様な明るい果実味が主体となっています。
しかしながら、ちょっと従来のメルローと違うのが、濃厚さというより、味わいにバネがあります。これは酸度の高さと旨みを包含している分量の違いだと思いますが、どの地域のメルローとも違った印象を受けます。
品種固有の小豆香が無ければオーストラリアのシラーズと勘違いするかもしれません。
先日同じメルロー100%のル パンを頂いたのですけれども、あちらも熟度が極めて高く、やはり一瞬シラーズを感じたのですが、酸味が柔らかく、またシラーズより遥かに華やかで強い樽香が効いており、より丸みを帯びた味わいでした。ここは醸造によるものですが、根源的には似た果実味を包含しているのではないかと思います。
2011年のトスカーナのヴィンテージの特性はよくわかりませんが、もし平準的にここまで熟すとしたら恐るべき事ですね。
平均収量もシャトーヌフデュパブ並みなので、なんとなく納得の出来なような気がします。


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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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