【ブルゴーニュ:63】オリヴィエ ルフレーヴ 2010,2011テイスティング Part2

こんにちは、HKOです。
昨日に引き続き、オリヴィエ ルフレーヴのテイスティングレポートです。本日は村名シャサーニュ、ムルソーシャルム、シャンガン、ガレンヌ、そしてモンラッシェです。

オリヴィエ ルフレーヴ フレールは、故ヴァンサン ルフレーヴの甥であるオリヴィエ ルフレーヴによって1984年に設立されたネゴシアン部門。ポートフォリオは幅広く、コート ド ボーヌの白を中心に、ヴォルネイやポマールなどの赤をリリースしています。
買いぶどうは信頼できる栽培農家に収穫日、栽培方法を指定し、厳密に管理したぶどうを購入しています。複数農家から買い上げたぶどうは瓶詰め直前までブレンドされず、畑の特徴を考慮しながらブレンドされます。
※全てが買いぶどうでは無く、一部の畑(ムルソーポリュゾやクロサンマルクらは自社畑)
シャブリは20%手収穫、平均樹齢25年、平均収量は60hl/ha、ステンレスタンクで9カ月。
村名ヴォルネイは100%手収穫、平均樹齢40年、25%新樽で16カ月。
村名シャサーニュは100%手収穫、平均樹齢30年、平均収量は58hl/ha、25%新樽で16カ月。
シャルムは100%手収穫、平均樹齢30年、平均収量は52hl/ha。30%新樽で17カ月。
ガレンヌは100%手収穫、平均樹齢40年、平均収量は57hl/ha。25%新樽で18カ月。
シャンガンは100%手収穫、平均樹齢20年、平均収量は57hl/ha。25%新樽で16カ月。
モンラッシェは100%手収穫、平均樹齢40年、平均収量は47hl/ha。30%新樽で18カ月。
清澄の後瓶詰めされます。

ではいってみましょう。

生産者: オリヴィエ ルフレーヴ
銘柄: シャサーニュ モンラッシェ 2010

6000円、WA90pt(2007)
2010年の恩恵か。他の1級群と比較しても、良く熟した果実の甘露さが突出して現れている。ただ他のピュリニー1級群に対してアロマの落ち込みの速さが際立った。ポテンシャルの違いかもしれない。
豊かな果実味に起因する甘露なシロップや花の蜜、カリンや熟した洋梨のアロマ。バニラやバター、ローストナッツ、フレッシュハーブの要素。全体的にリッチなシャサーニュで豊かな果実味に加え、MLFと樽の要素がしっかりと前に出ている。
酸味は厚みがありパワフル。しっかりとした密度と旨味があり洋梨や柑橘系の余韻を残す。村名としてはかなりよくできている印象。


生産者: オリヴィエ ルフレーヴ
銘柄: ムルソー プルミエクリュ シャルム 2011

9000円、WA87pt(2006)
充実した果実味があるが、2010村名シャサーニュほどではない。よりミネラルと、バターやナッツなどこオイリーな要素が強いムルソー。
バターやオイル、ヘーゼルナッツ、シャンピニオンなどの醸造的な要素と、石を砕いた様なミネラルが中心となり、核種系果実の蜜を思わせるカリンや洋梨の豊かな果実味。徐々に焦がしたバターやシロップが現れる、フレッシュハーブやシナモンのアロマも。
酸味は厚みがありリッチ。ただし村名シャサーニュや他の1級群と比較すると密度は低く、柑橘系のアロマやミネラルの余韻が残る。2010年の村名の良さを考えると、やや厳しい味わいか。ムルソーシャルムとしては凡庸な品質と言わざるを得ない。


生産者: オリヴィエ ルフレーヴ
銘柄: ピュリニー モンラッシェ プルミエクリュ レ シャンガン 2011

9500円、WA90pt(2007)
本領発揮はピュリニーの1級以上だった。
シャンガンは、シャサーニュ以上の果実味がありながら、よりその体躯は引き締まっている。非常にチョーキーでありながら、凝縮した甘露なシロップ、花の蜜、そしてナッツなどの樽香が感じられる。
前述のワインと比較して、マロラクティック発酵のニュアンスより果実味が前に出ている印象を受ける。
液面は石を砕いた様な強靭なミネラルが漲っており、それと張り合うような濃厚な核種系の蜜と凝縮感のある洋梨やカリンの果実味が感じられる。そしてバターや塩ナッツの要素、白い花やフレッシュハーブの風味が感じられる。酸味は十分に感じられるが、シャープさは無くなっていて、厚みの方が際立って感じられる。柑橘系と甘露な果実味、ミネラルのアフター。よく凝縮しておりレベルの高いシャンガンだと思う。


生産者: オリヴィエ ルフレーヴ
銘柄: ピュリニー モンラッシェ プルミエクリュ ガレンヌ 2011

9500円
シャンガン同様引き締まった印象があるが、チョーキーなシャンガンに対して、ガレンヌは果実味が前に出ている。より甘露でシロップや蜜の要素が前に出ている。
こちらもバターなどの醸造的要素を果実味が凌駕し、甘露さや凝縮感が全面に表れている。
洋梨、黄桃などの核種系果実のコンポートが如き甘露さや凝縮感があり、それに対して白い花や石の様なミネラル感が調和している。バニラや控えめなバター、ナッツ、フレッシュなハーブなど。さまざまな要素が緻密に結合している。
シャンガン同様、酸味はシャープさより旨味や厚みが前に出ており、柑橘系や強烈なミネラル、バターのアフターが感じられる。リッチでありながら、全体的に引き締まった味わい。極めて完成度の高いワインだと思う。


生産者: オリヴィエ ルフレーヴ
銘柄: モンラッシェ グランクリュ 2011

48000円、WA93-95pt(2000)
張り詰めたミネラルがあり極めてチョーキー。そうした側面がありながら凝縮感のある強烈な果実味。リッチで豊満なタイプの果実味ではないが、その凝縮感とピュアさはむしろ冷たさや硬質さすら感じさせる。時間が経過しても全く落ち込む事はなく、その形は不動。
この6本の中では当然ながら最も力強い果実味がある。しかしながら、放射的な方向ではなく、内に留まる力強い方向。リッチさではなく凝縮感がある。
液面全体を覆うように張り詰めたミネラル感、洋梨や黄桃のコンポートの様なリッチで豊満な果実味、白い花、塩を降ったナッツ、焦がしたバター。フレッシュハーブ、バニラなどのアロマ。さながらブランデーの如く力強いり徐々に樽が豊満な果実味と調和。
時間経過で香りは全く揺らがない、強靭な体躯。
今までのワインとは粘度が異なり、液体に重量感がある。従って自ずと酸味に厚みが現れて、シャープさは柔らかく感じられる。
強烈な厚みがあり、柑橘系や白い花、ミネラルを感じさせられるアフター。分厚く重厚な味わいなシャルドネ。


まずファーストインプレッションから行くと下記の通り。

・村名シャサーニュモンラッシェ
2010年なりの豊かな果実味、リッチで豊満な印象。樽香は控えめ、MLFの要素は強く感じられる。ミネラルはシャサーニュとしては一般的なレベル。

・ムルソーシャルム
果実味に対して樽香、MLFが過剰に効いている印象。液体密度が低めで釣り合いが取れていない。ミネラルが不足している為、全体的に緩い印象のシャルム。

・ピュリニー1級 シャンガン
張り詰めたミネラル、充実した果実味、MLFの要素を感じるが、受ける印象はリッチな豊満さではなく、高い液体密度や凝縮度と、それに伴うミネラル感による緊張感。

・ピュリニー1級 ガレンヌ
シャンガンと比較すると凝縮した甘露な果実味がある。MLFの要素は同程度。ミネラルはやや控えめ。しかし全体的な印象としては、シャンガン同様緊張感を伴う高い液体密度と凝縮感を感じさせる。

・モンラッシェ
ミネラル、果実味、樽香、全ての水準で他の1級群を凌駕。
極まった液体密度は粘度にまで影響している。ミネラルは他のワインと比べても突出しているものの、高い果実味とMLFの影響で、過度に張り詰めた印象は受けない。極めて重厚なワイン。時間経過における変化は殆ど無く、その長熟さを示唆している。

大まかに上記の様な印象を受けました。
この中で唯一別扱いとしなくてはいけないのはヴィンテージが異なる村名シャサーニュですね。
村名シャサーニュの特徴である充実したリッチな果実味がありますが、作柄によるものなのか、意識的なものなのかは分かりません。ただ凝縮感があるかないかは別として果実味は後述のピュリニー1級とまずまず良い勝負をしているように感じました。もう少しミネラルが感じられれば新世界では代替できない良いワインになっていたかもしれませんが。

次に1級群と特級モンラッシェですね。
ここでムルソーシャルムが別扱いになりますかね、村が違うので。
実際作りとしても別扱いした方がいいのかな。ムルソーシャルムは正直厳しい感じだなあ、と思いました。
ムルソーシャルムはムルソー1級ではトップ3に入る偉大な畑で、その豊満さが特徴です。ミネラリーなペリエールと逆の性質を持つわいんですけども、このムルソーは樽やMLFはしっかりと感じ取れるんですけど、肝心の果実味とか液体密度がちょっと低い...
先述の要素に負けてしまっている様な印象を受けます。時間が経つとリッチな香りが感じられるんですが、液体密度が低いのは変わらず。後述のピュリニー1級が素晴らしかっただけに、ちょっと残念な感じでしたね。
2011年は確かムルソー、ヴォルネイに雹が降ってダメージを受けた年でしたので、場合によっては熟度の低い果実が含まれていたのかもしれません。ムルソーシャルムというブランドに対してちょっと不足感の残る出来でした。
次はピュリニー1級とモンラッシェです。
これがムルソーシャルムと比べて、どのキュヴェも密度に全くの不満なし。大変素晴らしいワインでした。
特にガレンヌとシャンガンの違い、そしてモンラッシェの偉大さを端的にそれぞれ示して大変ピュリニーのテロワールがわかりやすい形になっています。
シャンガンはモンラッシェに次いでガチッとしたミネラルに満ちていて、ミネラルの薄皮を剥ぐと目の詰まった果実味があります。シャサーニュの様に膨らんだリッチさではなく、より密度が高く凝縮しています。MLFと樽の要素は相対的に控えめに感じられます。
よってピュアでミネラリーなピュリニーのテロワールを緻密に再現していると思います。
そもそもシュヴァリエより高い標高にあるので冷涼な出来になるんですよね。
ガレンヌも同様に高い標高にあるプルミエクリュですが、ミネラルはシャンガンに比べると幾分か薄めですが、全体を引き締める十分な分は包含していると思います。その分果実味が剥き出しになっていて極めて甘露です。
同じくMLFや樽の要素は相対的に控えめに感じられます。ガレンヌとシャンガンはピュリニー全体を見たら同方向を向いていると思いますが、やはりこの2本にはかなりの違いがありますね。
モンラッシェはそもそも粘度がこれらのワインと比べて違います。最上のワインに現れる、ハチミツの様なあの粘度。この点に関しては間違いなくモンラッシェだなーと。
ミネラル、果実味、生育に関する部分は全く申し分なく、醸造に起因する樽やMLFもしっかり効いています。
故に全ての要素が力強く、それが高水準で均整が取れています。そして最も驚くのが、時間経過でヘタレない部分ですかね。1時間ぐらいグラスで放置していても硬さはほぐれないし、香りも変わりません。かなりの長熟も期待できるとは思います。重厚かつ端正なモンラッシェです。

さて、全体でオリヴィエルフレーヴを見てみると、幾つか見えてくるものがあります。
1:基本的に果実の熟度は高い。
2:ピュリニー、シャサーニュに関してはテロワールに即した作り。
3:逆に他のアペラシオンはやや凡庸(ムルソー含む)
4:赤もあまり得意ではないみたい。
5:ヴィンテージに結構左右される。

そんな感じだと思います。
勿論品質は日々向上するので以降のヴィンテージで同一かは分かりませんが、所感としては良いヴィンテージのピュリニー、シャサーニュに関しては一線級のレベルを保っていると思います。
そう考えると結構お買い得かもしれませんね。ムルソーも2009年、2010年だといい感じなのかなあ。飲んでみたいなあ。







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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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