【シャンパーニュ:22】アンリ ジロー、ビルカール サルモン、NM最高峰のミレジムを利く

こんにちは、HKOでございます。
またまた引き続きシャンパーニュでございます。NMのアンリジローのスタンダードキュヴェであるエスプリ ド ジロー、フラッグシップのアルゴンヌ。ビルカールサルモンのキュヴェ ニコラ フランソワ ビルカールの3本です。

アンリ ジローはアイ村に拠点を置くネゴシアンマニピュラン。フランソワ エマールによって1625年設立されました。
以前から非常に高い評価を受けていたNMですが、ここのところ日本向けにも解禁されたようで、たまに見かけるようになりました。
フラッグシップはこのアルゴンヌとフュ ド シェーヌ。共に単一ヴィンテージとなります。アイ村で産出されたブドウは完熟するのを待って全て手摘みし、果汁の圧搾後は低温浸透法が行われ、清澄されて瓶詰めされる。瓶内発酵時に生じた澱は手作業でが取り除かれます。またフュ ド シェーヌのアルゴンヌ産木樽12ヶ月熟成+6年瓶内熟成に対して、アルゴンヌは土壌が異なる2種類のアルゴンヌ産木樽で一次発酵後12ヶ月熟成+8年瓶内熟成と、熟成期間と樽材が異なっています。

ビルカール サルモンは1818年にニコラ フランソワ ビルカールとエリザベス サルモンによって設立されたメゾン。
ワインの葡萄は10haの自社畑(ピノノワールのみ)、30haの35の自社以外の畑、140haの契約農家の畑から産出されています。(ピノノワール、シャルドネはモンターニュ ド ランス地区とコート ド ブラン地区、ピノムニエはヴァレ ド ラ マルヌ地区から作られています。)
自社畑から作られるピノ ノワールはマレイユ シュール アイ村と特級のアンボネイ村産で収量は40~45ha/L程度。今回のキュヴェ ニコラ フランソワ ビルカールは良年のみ生産され、シャルドネはコート ド ブラン地区、ピノ ノワールはモンターニュ ド ランス地区の特級畑100%(を使用。
醸造はブルゴーニュのバリック樽で行い、コールド スタビライゼーション方式を採用、作られたワインは白亜質の天然セラーで12度の温度で寝かせられています。10年間瓶内熟成を経て出荷されます。


生産者: ビルカール サルモン
銘柄: キュヴェ ニコラ フランソワ ビルカール ブリュット 2002
品種: ピノノワール65%、 シャルドネ35%

12000円、WA94pt
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸、豊かな泡立ち。
グランキュヴェ同様、極めて甘露で優美なシャンパーニュ。品の良い柔らかなミネラルがある。洋梨や赤リンゴの様な核種系の蜜の様な豊かな果実味。アーモンドやバニラ、白い花の要素など。甘露な印象から徐々にアプリコットなどの熟した果実の旨味が現れてくる。
口に含むと分厚い旨味とシャープな酸味が感じられる。柑橘系とハチミツの様な清涼感のある余韻を残す。ギュッと引き締まった凝縮感とシャープな酸、優美な香りを両立した優れたシャンパーニュ。


生産者: アンリ ジロー
銘柄: エスプリ ブリュット NV
品種: ピノノワール70%、シャルドネ30%

7000円、WA88pt
外観は淡いストローイエロー、粘性は低い。
アンリ ジローのフラッグシップ級に見て取れる酸化熟成香と樽のニュアンスはやや控えめで、全体的にフレッシュな印象を受ける。
アンリ ジローのあの濃厚な風味を期待すると、少し期待外れにも感じるかも。フレッシュハーブや白胡椒、ライムやリンゴの果実味、ほのかなバターの要素が感じられる。上位キュヴェの素晴らしい造りを鑑みるとやや平凡なシャンパーニュとも感じられる。
酸味は穏やか、旨味も比較的感じられるがやや凡庸にも感じられる。


生産者: アンリ ジロー
銘柄: アルゴンヌ 2002
品種: ピノノワール70%、シャルドネ30%

35000円
外観は濃い黄金色、粘性は中庸、豊かな泡立ち。
この中では最も異質なシャンパーニュ。
木樽発酵の酸化促進による熟成感が感じられる。アプリコット、赤リンゴなどを想起させるピノノワールの濃厚な旨味。アーモンドや濡れた木材の様な強烈なトースティーな香り。この中だと突出して濃厚でパワフル、樽が強い印象を受ける。そしてドライハーブや白胡椒、シャンピニオンなど。
まだ甘露さはあまり感じられず、旨味が突出するドライな味わいになっている。酸味は穏やかできめ細かいをカラメル、木樽やナッツ、アプリコットのアフターが感じられる。


やっぱりビルカール サルモンとアンリジローの品質はメチャクチャ高いですね。
アンリジローとビルカール サルモンの方向性は全く違いますが、双方ともシャンパーニュ最高峰とも言える味わいだと思います。

共通点としてはピノノワールのセパージュ比率が高い事。
そして双方ともフレンチオーク樽を使って醸造を行っている点です。
アリエやアルゴンヌなどの樽材の違いはありそうですが、基本ステンレスタンクでの醸造がメジャーなシャンパーニュとしては珍しい比較的スタイルと言えます。

ただ最も大きい違いを生み出している点はやはり熟成の部分でしょうか。
長期の瓶熟成(10年間)を行うビルカール サルモンに対して、アンリジローは一定期間(12ヶ月程度)樽での熟成を行います。その後8年間の瓶熟成を行っています。

そのため、ニコラ フランソワ ビルカールに対して、アルゴンヌはより力強いトースティーでアーモンドやナッツを想起させる樽香や酸化熟成の強烈な旨味が感じられます。
ボディ自体も突出して厚く、粘度も高い印象です。重厚かつ強烈な樽香、酸化熟成香が感じられるシャンパーニュです。
対してニコラ フランソワ ビルカールは(アルゴンヌに比べると)ちょっとクリーンな印象を受けます。もちろん一般的なシャンパーニュに比べると樽がしっかりと感じられますが。
どちらかといえば蜜の様な豊かな果実味や、アプリコットの様な充実した旨味、凝縮感などの果実本来の味わいがとても豊かななのが、特徴的だと思います。ミネラルや白い花の要素など、あくまで一般的なシャンパーニュの延長線上にあるスタイルだと思います。
そのため同一ヴィンテージですがアンリ ジローほどの酸化熟成感は見られず、あくまで2002年のミレジムとして常識的な範囲での熟成感だと思います。いいですね、素晴らしいです。

シャンパーニュとしてのバランス感覚を維持しながら豊かな果実味を楽しめるニコラ フランソワ ビルカール。
樽と酸化熟成感を際立たせた強靭なボディを持つアルゴンヌ。

アンリ ジローはノンヴィンテージのものでも結構リザーブワインをしっかりと使う印象(但しエスプリは上記の通り除く)だし、ビルカールサルモンはどのキュヴェを飲んでも果実味が豊かなスタイル。
メゾンのスタイルはスタンダードキュヴェに至るまでほぼ一貫性が感じられますね。









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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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