【ローヌ:12】2010年ローヌ赤の鮮烈なる味わい。



こんにちは、HKOです。
暖かくなってきましたね。というかもう桜咲いてちっちゃいましたけど、基本的に季節感の無いブログなんで、元々あんまり関係ないんですが。
本日は、春に似つかわしくないやや暑苦しい感じのローヌ4本。
クロ デ パプの熟成したシャトーヌフ ブラン、ギガルのサンジョセフ ヴィーニュ ド ロスピス、ルネ ロスタンのコートロティ ランドンヌ、ボーカステルのシャトーヌフ デュ パプ オマージュ ア ジャックペランです。

クロ デ パプは、17世紀からシャトーヌフ デュ パプに拠点を置く生産者で、代々名門のアヴリル家によって運営されてます。もともとクロ デ パプという名前で生産していましたが後にAOCシャトーヌフ デュ パプが制定され、併合されています。
現当主はブルゴーニュ、ムートロートシルト、オーストラリアのワイナリーで修行を積んだポール ヴァンサン アヴリル氏
保有している畑は特に教皇の畑(クロ デ パプ)を含む35ha。それらを24の区画に分け、土壌を選別しその区画に最も適正なブドウを植えています。もともと自然派志向でしたが、2011年にはビオディナミ認証を取得。十分な選果を行い、収穫します。
今回のシャトーヌフ デュ パプ ブランは毎年800~1,000ケースほどの生産量。
醸造はステンレススティールタンクで発酵させ、マロラクティック発酵を実施しない。
無濾過、無清澄。

シャトー ド ボーカステルは、ローヌ南部で長熟するワインを生産している生産者。全て有機的な方法で栽培された13種類の葡萄の木を使用し、偉大なシャトー ヌフ デュ パプが作られている。
その中でもオマージュ ア ジャックペランはシャトー ド ボーカステル最上級のキュヴェで生産本数は約400-425ケースしか作られていない。これは生産者の全生産量のわずか1.5%でしかない。平均樹齢65年-90年強の古木を使用。ムルヴェードルとシラーは全て除梗され、発酵はセメントタンクで3週間、その後古いオーク大樽で8ヶ月から18ヶ月熟成し、24ヶ月過ぎから瓶詰めされる。

ルネロスタンは、ローヌのコートロティの名手。父から伝統的な農法を学びながらも常に伝統的農法と現代技術を検討して最良を選択しながら、その最上のキュヴェを生産している。
生産本数はスタンダードなロティで16500本、樹齢35年程度の木から作られるシラーは除梗され(ヴィンテージによって異なるが)ピジャージュを自動的に行うステンレス製回転式発酵槽で発酵を行い新樽30%で24ヶ月熟成される。大型のドミミュイとオーク樽を併用している。
フラッグシップはコートブロンド、ラ ランドンヌ。これらはロティ最上の畑であり、樹齢60年という高い樹齢から生み出される。

エティエンヌ ギガルは、ローヌ地方において最も偉大なコートロティやエルミタージュを自社畑から生み出しながら、ネゴシアンとしてリーズナブルで高品質なワインも供給する優良生産者。
ギガルの代表的な赤ワインとして、やはり有名なのは単一ブランドを持つコートロティの4つのキュヴェとエルミタージュの混醸キュヴェ。
粘土と酸化鉄で形成されたコートブロンドに1ha保有する「ムーリーヌ(樹齢80-85年)」、砂とスレートで形成されたコートブリュンヌに2ha保有する「ランドンヌ(樹齢30年)」、同じくブリュンヌに保有する1ha「トゥルク(樹齢35年)」、そしてそれらの弟分でありブロンドとブリュンヌに保有する6つのリューディからなる「シャトーダンピュイ(樹齢45-95年)」。
これらのコートロティ群と、エルミタージュの小区画 ベッサール30%、グレフュー30%、ミュレ20%、レルミット20%で構成された「エルミタージュ エックス ヴォト(樹齢70-100年)」。
収量は十分に抑制され、収穫は概ね遅摘みによって凝縮度を上げた状態で収穫される。
除梗は基本的に行われないが、実験的に部分的な除梗を行っている。
自動ピジャージュシステム付きのステンレスタンクを用い、ルモンタージュしながら4週間のマセラシオンを行う。アリエとヌヴェール産の新樽100%で40ヶ月以上(ダンピュイは36ヶ月)にも及ぶ長期熟成を施した上でリリースされる。
今回のサンジョセフは旧ジャン ルイ グリッパ、ドメーヌ ド ヴァルーイの畑から収穫されたシラー100%。新樽100%で30ヶ月の熟成の後リリース。土壌構成としてはエルミタージュのベサールと同一。

ではいってみましょう。


生産者: クロ デュ パブ
銘柄: シャトー ヌフ デュ パプ ブラン 2005
品種: グルナッシュブラン、クレレット、ルーサンヌ、ピクプール、ブールブーラン

20000円、WA93pt
外観は淡いストローイエロー、粘性は高い。
第一印象はやや熟成感を帯びたカマンベールやドライシェリー、カリンやアンズの様な濃い果実味が感じられる。やや塩っぽい要素か目立つ。ドライハーブや白胡椒、イースト、塩を振ったナッツなど。いわゆるローヌの古酒っぽい風味。果実味は残っているがフレッシュさは無い。
香りはクレ ド セランに近いが、やや冷ややかでペトロールやインキに近い後味が残る。
ボディも細みで冷涼なイメージ。酸は柔らかくボディは中庸といった感じ。


生産者: エティエンヌ ギガル
銘柄: サン ジョセフ ヴィーニュ ド ロスピス 2010
品種: シラー100%

12000円、WA94-97pt
外観は濃いガーネット、粘性は高い。
第一印象は新世界かと思うような強烈なカシスとブラックベリーの熟した果実味、マロラクティック発酵に起因するバニラやキャラメルの風味、濃厚な黒砂糖、ほのかに感じられる黒胡椒やスミレの要素。とにかく甘露でまろやかな風味が主体となっている。漢方やインク、燻製肉などの要素も。基本的な形としてはまったりとして甘露な、果実味が充実したサンジョセフだと言える。
酸味は充実しているが、タンニンは柔らかく感じる。口に含むとブラックベリーの風味とキャラメル、スミレや黒胡椒のアロマが膨らむ。香りの甘露さとは裏腹にスパイシーでドライな味わいを感じられるサンジョセフ。


生産者: ルネ ロスタン
銘柄: コート ロティ ラ ランドンヌ 2010
品種:シラー100%

16000円、WA96pt
外観は濃いガーネット、粘性は高い。
第一印象はルネロスタンらしい、黒胡椒と生肉、スパイスやクローブやリコリスなどのハーブが混じった強烈なアロマ。そしてスミレの華やかさ、乾いた土の風味が感じられる。最初にランドンヌを飲んだ時を思い出す。極めて官能的。熟したブラックカラント、ダークチェリーの果実味、ユーカリ、松の葉のアロマ。ドライハーブの要素など。
果実味より複雑なスパイスやハーブのアロマが突出している。極めて華やかで官能的な味わい。
酸は力強くタンニンの収斂性は極めて高い。
エッジーでギザギザした印象を受ける。
香り同様強い黒胡椒と生肉の香りが突出しており、かなり果皮の抽出が強く行われている事がわかる。ピーキーで暴れ馬の様なワイン。


生産者: シャトー ド ボーカステル
銘柄: シャトーヌフ デュ パプ オマージュ エ ジャックペラン 2010
品種: ムールヴェードル60%、グルナッシュ20%、シラー20%、クノワーズ10%

43000円、WA100pt
外観は濃いガーネットで粘性は高い。
第一印象はよく熟した干して凝縮させたレーズン、ブラックベリー、ダークチェリーの濃厚な果実味。ドライフルーツが入ったパウンドケーキ。西洋杉の樹皮。そして黒胡椒のアロマが強く感じられる。クローヴやリコリス、スミレのやや青っぽい風味、土のアロマ。燻製肉や毛皮の様な風味はあるが、独特の獣香はあまりなく、どちらかというと干した果実の風味が強く感じられる。ユーカリなど。干した果実の濃厚な果実味がある。ちょっとアマローネ的な感じ。
口に含むと藁や黒胡椒、干したブラックベリーのアロマが広がる。酸とタンニンは力強くパワフルに感じられる。ボディも力強い。
雑多な印象は変わらないが、かなり好印象になったオマージュ エ ジャックペランだ。


まずはクロ デ パプの白から。
これが丁度熟成途中の代物で、正直本領が発揮出来ていないのではないかと思います。
丁度果実味が旨みに変わり始め、酸が潤沢に残っている為、シェリーや塩辛さを想起させる印象が強い。またドライハーブや白胡椒、イースト、塩を振ったナッツなど樽の要素もしっかりと感じられます。発酵はステンレスタンクだけど、熟成は木樽を使ってるんでしょうか?
いわゆるローヌの古酒っぽい風味。先日の熟成クロ ド ラ クーレ ド セランと近い状態ではないかと。
ただボディに関してはシュナンブランとグルナッシュブランの違いか、このクロ デ パプの方が細い印象を受けます。
熟成ポテンシャルはあまりなさそうにも見えるのですが果たして。

次はギガルのサンジョセフ。
これがランドンヌ、トゥルク、ムーリーヌ、シャトーダンピュイ、エクスヴォト ルージュの流れを完全に組むサンジョセフ。
果実味が突出しているからエクスヴォトに一番近いかもしれませんが、まあドメーヌとしてのエティエンヌ ギガルを強く感じさせる、果実味爆弾のサンジョセフです。
よく熟したベリー類のコンポートや黒砂糖、キャラメルなどの要素。漢方やインクなどの要素もあるけれども、基本骨子は強烈な果実味と豊かなボディを持つワイン。口当たりはかなりスパイシーでこれは他のフラッグシップには無い味わいですね。エルミタージュ エクスヴォトの様なドラスティックな変化は無く、またコートロティの様な緻密さも無いのだけど、価格としては納得感があるし、十二分にドメーヌとしてのギガルの魅力を感じられるワインだと思います。

次はルネ ロスタンのランドンヌ。
これが本当に素晴らしい出来で、やや没個性にも見えた2009年(但しそれが悪いわけでは無く、果実味は十分にあった、ただダレがあったのも事実)に比べて、比類なき煌びやかさ、妖艶さ、そして極端にシャープでパワフルな体躯を見せつける様な味わいだと思います。スタイルとしては2005年とかに近いと思うんだけど凝縮感がより2010年の高いと感じました。ギガルの作りとは間反対で、未熟な部分をオミットし甘露さを前面に出すギガルに対して、ヴィンテージの機微や冷涼な部分も余すこと無く取り込んで複雑かつシャープでエネルギッシュなワインを作るルネロスタン。丁度間にシャーヴのスタイルがある感じ。熟成ポテンシャルも高いと思いますし、相当よく出来ていると思います。
いいお値段ですが間違いなくお値段なりの価値があるワインだと思います。

最後、オマージュ エ ジャックペラン。
客観的に見て果実味の充実した良いワインだと思いますが、個人的にはあまり好きなスタイルではありませんでした。
アマローネ的な干したベリー類の果実味、バルバレスコやバローロを想起させる大樽のニュアンス。燻製肉や毛皮の様な芳香。
熟成時の獣香は控えめで好感の持てるワインではあるのですが...
どことなく感じられるこのイモくささ、構成要素の猥雑さがどうにも肌に合わない。
洗練された味わいではなく、ちょっと古典的というか、そういった印象を受けます。
古典的といえばアンリボノーやシャトーラヤスもそうなのですが、ピノノワールの様な繊細さがそうした部分が持ち味として現れているので良いのですが。
素晴らしいワインですが、個人的には好きになれないスタイルなので自発的に飲むことは無いと思いますね。
ピノノワール好きはきっと同じ結論を出すんじゃないかと思います。

以上4本。
今回はルネロスタンが最高でしたね。
ギガルも良かったんですが、完全に上位キュヴェの下位互換だったので、新鮮な驚きはありませんでした。
ローヌの2010はなかなか良い年の様ですね。基本的に悪いワインはあまりなかったように感じました。




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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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