【ボルドー:13】ボルドーの彩。オフからグレートまで、ボルドーの繊細さを味わう

こんにちは、HKOです。
本日はボルドーのワインを特にヴィンテージ、地域を指定せずに自由にレポートします。
左岸のローザンセグラ、右岸のクリネ、そしてマルゴーのサードワインであるマルゴー ド シャトーマルゴーの3本です。

ローザン セグラはピエール デ メシュール ローザンによって1661年に設立されたメドック格付け第二級のシャトー。
元々第一級に次ぐ二級の最高位と目されていたが、1960年代、1970年代はその評価を著しく落とした。しかし86年にはジャック テオの手によってステンレスタンクの導入や品質の高いメルローやカベルネに大々的な植え替え、そして厳しい選定が行われ、品質を回復。その評価を取り戻している。1994年から今日はシャネル保有となっている
畑はローザン ガシーに隣接する粘土と石灰で構成された66ha。平均樹齢は35年。平均収量は27hl/ha。   
手摘みによって収穫されたぶどうは振動式選果台にて厳密に2回選別される。
グラビティフローを導入し、ステンレスタンクで6日から8日間29℃で発酵。10日から14日のマセレーション。マロラクティック発酵。
ミディアムに焼いた新樽50%(12社より購入)、 18ケ月から20ケ月熟成。卵白による清澄処理。無濾過で出荷される。


シャトークリネは1700年よりポムロールに拠点を置くシャトー。現在ミシェルローランの影響下にある数あるシャトーの中の一つ。醸造責任者はジャン ミッシェル アルコート氏。何回か所有者が変わっていますが、現在はラボルト家所有となっており、ミシェルローランがコンサルタントに就いてからの90年代以降評価を上げています。
レグリーズ クリネ、クロ レグリーズに隣接する粘土(砂利含む)/鉄分を含む青粘土で構成される畑(8ha)を保有。平均樹齢は40年。平均収量は35hl/ha。除草剤は使用しない。収穫は手摘によって行われる。
プレス後、1週間の低温浸漬。その後木製槽にて3%週間から5週間、30℃から33℃で発酵。そしてマロラクティック発酵を行います。フレンチオーク新樽100%にて16ケ月から22ケ月の熟成後、無清澄、無濾過でリリースされます。
セカンドはフルール ド クリネ。

シャトーマルゴーはマルゴー村に拠点を置く、メドック第一級に位置するシャトー。いわゆる5大シャトーのうちの一つ。一時期ジネステ社が所有した時期にその評価を落としたが、メンツェロプロス家に売却されてからは、エミールペイノーをコンサルタントとして迎え、急激な資本投資もあり、1980年以降その評価を回復させた。現在はポール ポンタリエの指揮の下、一級に相応しい卓抜した品質を堅持し続けている。今回はセカンド ラベルのパヴィヨン ルージュ。栽培面積は78haで平均樹齢35年程度の葡萄の収量を45hl/haに抑え収獲を行う。除梗後、温度管理された木製槽で3週間のマセレーションとアルコール発酵が行われ、オーク樽の新樽で18~24ヶ月熟成される。基本的に無濾過で瓶詰めされる。今回は2009年初リリースのサードラベル。

では、いってみましょう。


生産者、銘柄: シャトー ローザン セグラ 2007
品種: カベルネソーヴィニヨン 53%、メルロー 44%、プティヴェルト3%

約7800円、WA89pt
赤みの強いガーネット、粘性は高い。
樽香主導、そこに絡む様に豊かな果実味が感じられる。トースティなブリオッシュやワッフル、シロップや黒糖の様な甘露さ、カシスやブラックベリーの熟した果実味、ムスクの様なアロマが感じられる。マロラクティック発酵に起因するバニラやクリームの様な香りやリコリス、スミレ、シナモンの様なアロマが感じられる。
豊かな果実味がありながら、複雑で気品がある。ボディもいたずらに強いわけではなく、タンニンより酸の方か際立っている。カシスやハーブのアフター。


生産者: シャトー マルゴー
銘柄: マルゴー ド シャトーマルゴー 2009
品種: メルロー50%、カベルネソーヴィニヨン40%、プティヴェルト10%

10000円
外観は赤みの強いルビー、粘性は高い。
サードラベルながらパヴィヨンルージュにも似た彩を持つワイン。
果実味は十分に豊か。ただ果実味以外の要素も多分にあり、トーストやバターなどのニュアンス、そして西洋杉、カシスやブラックベリーなどの黒系果実の果実味が綺麗に結合している。薔薇やスミレが鮮やかに花を添え、また西洋杉やリコリス、燻製、ユーカリなどのアロマが感じ取れる。
口に含んだ時の酸とタンニンの立体感はさすがマルゴー。サードとはいえ果皮の華やかさとシロップの様な甘やかさ、黒系果実のアフターが広がっていく。セカンド並みの味わいはあるが、これがオフヴィンテージだったらどうなるか...


生産者、銘柄: シャトークリネ 2003
品種: メルロー 75%、カベルネソーヴィニヨン15%、プティヴェルト10%

14000円、WA86pt
外観は赤みの強いガーネット、粘性は高い。
既に熟成香がかなり現れている。
濡れた土や西洋杉のアーシーなニュアンスと生肉や鉄釘の様な野性的な味わい。ドライイチジクや紫スモモの果実味、マスタードや煮詰めたソースの様なアロマ、スミレやドライハーブ、ナツメグやリコリスなどのスパイス香、燻製肉の様な味わい。
酸味やタンニンは柔らかくなっており、土やイチジク、トリュフなどのアーシーな余韻が残って行く。卓抜した旨味を有しており、熟成の心地よい味わいが早くも感じられた。


2009年のマルゴーサード以外は基本的には凡庸なヴィンテージであると思いますが、どのワインもボルドーらしい、えもいわれぬ彩があり、大変満足しました。
決して熟度が高いわけではないのですが、細いヴィンテージでも見事なエレガンスが垣間見れるのは、まさにボルドーらしさに他ならないと思います。正直過熟感のあるボルドーはニューワールドの土台に乗ったワインになるので、僕はあまりボルドーとしてのカラーがないな、と思ってしまいます。美味しいには美味しいと思うのですが。

では、まずローザンセグラから。
ややブリオッシュやワッフルを想起させる樽が前に出た味わいで、そこに乗る形でそこに絡む様にカシスやブラックベリーの豊かな果実味、黒糖の様な甘さ、ムスクのような野性味が感じられる。
ただ新世界の様にインキーでも爆発するような果実味はないです。必要最低限を抑えて抑制を効かせた味わいだと思いました。
どことなく気品を感じさせる味わい。逆にグレートヴィンテージだと、この良さはスポイルされそうな感じ。パーカーポイントはあまり芳しくないですが、私的にはかなり好みでした。

次にクリネ。
こちらもボルドーならではの彩があるワイン。2003年ということもあり、かなり熟成感が現れており、果実味も旨味に転化しはじめています。
アーシーな要素が強く現れておりドライイチジクや生肉、スパイスなどの熟成香か一つに結合し、早くも一塊となったソースの様なアロマが現れはじめています。ただ一部の果実の要素はまだ残っており、ボディもやや若い様に感じられましたので、まだ若干熟成しそうな気がします。また、ねっとりとした味わいはメルローならではですね。
基本的にそこまで強いワインではないと思いますが、こちらも2007ローザンセグラ同様のボルドーならではのエレガンスが感じられるワインに仕上がっています。

最後はマルゴー ド シャトー マルゴー。
シャトーマルゴーのサードワインです。
正直サードというのもあり期待は全然していなかったのですが、2009年というグレートヴィンテージということもあり、さながら平年並のパヴィヨン ルージュと同等の味わいと思っています。果実味は十分に豊か、かつ新樽や果皮の華やかさが融和し、マルゴーの名に恥じない立体感を持ったワインとなっています。そういう事を考えると価格の高騰が著しいセカンドと比べると、かなりお得感は感じられますね。
ただ勿論パヴィヨンルージュもそうなのですが、ファーストには遠く及びませんし、また2009年が特異なグレートヴィンテージという事も認識しておかなくてはいけません。
2010年は良かったですが、例えば2011年というオフヴィンテージがリリースされた際にサードの品質がどこまで下がるかも見極める必要があると思います。

うーん、一周してボルドー面白い。
またはまりそうな気がする...



[2003] Ch.Clinetシャトー・クリネ 750ml

[2003] Ch.Clinetシャトー・クリネ 750ml
価格:14,040円(税込、送料別)

関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR