【シャンパーニュ:26】クリュッグ ヴィンテージ 水平テイスティング



HKOです、こんにちは。
今回はクリュッグ ヴィンテージの垂直テイスティングです。
1989年、1998年は飲みましたが、3ヴィンテージ垂直は初めてです。

ご存知の通り、クリュッグはNMとしては最上級のメゾンでスタンダードのグランキュヴェにして他メゾンのフラッグシップ級です。
圧搾機で絞られたヴァン ド キュヴェのみを20-30年使用した古い小樽でマセラシオン(新樽は使わない!)。マロラクティック発酵は行わない。そして、クリュッグの本懐であるブレンド作業に入ります。3つの葡萄品種を村、区画ごとに分けたベースワインに、収穫年の異なるリザーブワインをアッセンブラージュしていきます。熟練のブレンダーが舌だけを頼りに。瓶内二次発酵後グランキュヴェは6年間、ヴィンテージは10年寝かせての出荷。これらの要素が欠ける事無く行われる事で芸術的なクリュッグが作られる。フラッグシップはブラン ド ブランの「クロ デュ メニル」、ブラン ド ノワールの「クロ ダンポネ」の2種類ですが、まあ高すぎて中々手に入らない代物です。
今回はクリュッグ ヴィンテージ。
傑出した年にのみ生産される単一年のクリュッグです。

では行ってみましょう。


生産者: クリュッグ
銘柄: クリュッグ ヴィンテージ 2000
品種: ピノノワール、シャルドネ、ピノムニエ

30000円、WA95pt
外観は輝きのある明るいストローイエロー、粘性は中庸で、泡は力強く立ち上っている。
甘露な花の蜜、エシレバターやノワゼットなどのオイリーさ、バニラ、熟した洋梨などの要素が一塊となって立ち上る。クリームブリュレ一歩手前で分離。クリーミーかつ香ばしい芳香主体。ドライハーブ、白い花、焼き栗の様な芳香も感じられる。ミネラル感はそこまで強くは感じられない。
酸味は豊かで、強烈なカリンの旨味と濡れた木材、クリスピーなモカの様なアフターが感じられる。
繊細かつ緻密で、エレガントなクリュッグヴィンテージ。


生産者: クリュッグ
銘柄: クリュッグ ヴィンテージ 1998
品種: ピノノワール、シャルドネ、ピノムニエ

26000円、WA95pt
外観は輝きのあるやや濃いめのストローイエロー、粘性は中庸で、泡は繊細に立ち上っている。
甘露な花の蜜、濡れた木材や枯葉のアロマ、バニラやバター、カシューナッツのオイリーな要素、熟した洋梨の果実味。2000年に印象は近いが、より木材の湿った要素や旨味が突出。ドライハーブ、出汁、リコリス。徐々にマロラクティックなクリームの様な芳香も。ミネラル感は充実している。
2000年に比べてよりドライでカリンやアプリコットの様な強い旨味と酸味を伴うアフター、そして焼き栗の要素が口内に広がっていく。酸度は高く、エネルギッシュで、まだまだ熟成するポテンシャルを有している。

生産者: クリュッグ
銘柄: クリュッグ ヴィンテージ 1995
品種: ピノノワール、シャルドネ、ピノムニエ

47000円、WA94pt
外観は輝きのある明るいストローイエロー、粘性は中庸で、泡は穏やかに立ち上っている。蜜の様な甘露さは穏やかになり、濡れた木材とドライハーブ、旨味が感じられるカリンやアンズの果実味、出汁様の風味。バターやナッツの様な風味。リコリスやドライハーブ、白胡椒、イーストなどの要素も。
複雑かつ旨味に富んだ味わい。
2000年、1998年に比べると酸は豊かで、旨味は変わらず存在している。濡れた木や出汁、アンズやレモンの様なアフターが広がっていく。
まだまだ酸は力強く、より熟成しうるポテンシャルがある。強烈なワインだ。


さすがクリュッグ、どのヴィンテージを飲んでもグウの音が出ないほど素晴らしい。
まずはヴィンテージの特徴から。

1995年は展葉時に氷点下の気温に見舞われるものの、以降は順調に推移し、夏は暑く、結実と成熟に関しては十分に行われた年。収穫時の寒暖の差は激しかったようです。

1998年は夏場に猛暑と雨交互に見舞われ、やや厳しい状況だったが、収穫は安定した穏やかな気候の中で行われた様です。

2000年は例年になく不順な天候に見舞われた年。開花以降雨が多いが、夏場には若干天候が回復、夜は冷え込み寒暖の差が激しくなった年。

上記の特徴と味わいを照らし合わせてみます。ヴィンテージの特徴から味わいを類推してみます。

◼︎1995年
順調な年、糖度、酸ともに充実するポテンシャルの高いシャンパーニュになる。

◼︎1998年
1995程素晴らしくはないものの、平凡なヴィンテージ。結実に雨が降った為、糖度は95程上がらないと思われる。酸も恐らく穏やかでフラットなワインが出来そう。

◼︎2000年
オフヴィンテージ。糖度は上がらず、酸が際立ってくるはず。ただ収量の制限や収穫時期によってリカバーできるかもしれない。


こんな感じでしょうか。
では味わいを見て行きます。


2000年はしっかりとした甘露さがあり果実味は充実。ただ上品で引き締まった酸がある。樽とマロラクティック発酵の要素は際立っている。クリームブリュレ一歩手前。
クリュッグは上手く切り抜けた様で熟度は適切だと思います。2000年を象徴する点は酸でしょうか。クリームブリュレに至らないのはそれでも熟度がやや足りないからでしょうね。あと一歩で最上級たる味わいになって行ったのではないでしょうか。それでもほぼ完璧なワインではあると思います。

1998年。
豊かな果実味と突出したミネラル、熟成によるアーシーなアロマ、樽とマロラクティック発酵の要素は溶け込んでいる。ただ旨味に転化した果実味はやや浮き気味。徐々に要素がマージするが、どちらかというと酸と旨味が表出。焼き栗の様な要素も。ポテンシャルは高く、まだ熟成する。
さすが、どんなヴィンテージでも果実味は豊かですね。酸味は豊かですが、どちらかというと旨味の方が突出した感じですね。
ただ98年という経年を考えるのであれば妥当と思います。

1995年。
かなり熟成感が出ています。
蜜のニュアンスは柔らかくなり、カリンやアンズの様な旨みが前面に表出、濡れたアーシーな要素、出汁の要素。前面に出ていた樽とマロラクティック発酵の要素が穏やかになり、全体として各要素が一体となり複雑な骨格を構成している。酸は力強い。
酸はヴィンテージ起因ですが、熟成によってヴィンテージの要素が薄れています。
95年にして結構な熟成感があり、ポテンシャルはありますが、飲み頃といった所です。
やや熟成感があるシャンパーニュが好きな人向けですね。

全体としてオフだろうが平常ヴィンテージであろうと果実味はよく出ていたと思います。
ここがミソで、シャルドネ、ピノノワール、ピノムニエを使用する中で、僅かにセパージュを変えてマイナスを消しているのではないかと思います。
よって良い酒蔵のシャンパーニュであれば、オフでも平凡並みのヴィンテージのクオリティには持っていけるのではないかと思います。
決してヴィンテージの良し悪し=品質には紐付かないということですね。
勿論オフとグレートだと、熟度の平均値は違うと思いますが...少なくとも酒蔵の努力次第で平年並みに持っていけるのでは。

個人的にはオフの2000年が一番いいですね。基本的には甲乙付け難いと思います。熟成の出方がそれぞれ違いますし、好むスタイルによって選ぶワインは異なってくると思います。




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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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