【ブルゴーニュ:67】アルマン ルソー 2011年水平テイスティング:||



こんにちは、HKOです。
本日はアルマンルソーの2011年ヴィンテージです。
多くの生産者が恵まれた2009年、2010年に続いた平凡なヴィンテージ2011年に手を焼いている印象を受けましたが、ジュヴレシャンベルタン最高の生産者はどうだったのでしょうか。
一昨年は特級シャルムシャンベルタン、特級リュショットシャンベルタン、一級クロ サン ジャック、特級シャンベルタンを
去年は村名ジュヴレシャンベルタン、特級クロ ド ラ ロッシュ、特級シャルムシャンベルタン、特級マジシャンベルタン、特級リュショットシャンベルタン、一級クロ サン ジャック、特級シャンベルタンをこのブログで取り上げました。
それらと個別に飲んだ2004年を比較したエントリーがありますので、下記をご参照ください。

2010年 序 (2010年下級キュヴェ比較)
2010年 破 (2010年下級キュヴェ比較)
2010年 Q(2004年、2009年、2010年 水平垂直比較)

今回はやや絞り、1級ラヴォー サン ジャック、特級リュショット シャンベルタン、1級クロ サン ジャック、特級シャンベルタンの4本です。
アルマン ルソーはこのブログでも相当力を入れて比較検証している生産者の一人です。
是非詳細ご覧ください。

しかし、アルマンルソーの比較テイスティング、タイトルに某アニメの新劇場版っぽいタイトル付けてるんですが、果たして来年のヴィンテージが出るまでに:||やるんですかね。
しかし、ちゃんと終わんのかな、あれ。


偉大な生産者を多く抱えるジュヴレシャンベルタンですが、その代名詞とも言える5人の生産者が居ます。デュガ ピィ、クロード デュガ、フーリエ、ドニ モルテ、そしてアルマンルソー。
いずれもブルゴーニュを代表する生産者で個性豊かな極めて高品質なワインを生み出します。
とりわけ評価が高くファンが多いのが、アルマンルソー。彼の作るシャンベルタン、シャンベルタン クロ ド ベーズ、1級クロ サン ジャックはまさに別格。ブルゴーニュでも群を抜いた偉大なワインとされています。ルーミエ程では無いにせよ、旗艦銘柄は瞬殺です。
葡萄の平均樹齢45年以上。ただでさえ収量の少ない古木。かつ収量を25hl/haにまで絞った葡萄はリュットレゾネに則って栽培、熟したタイミングでやや早めに収穫されます。除梗は90%程度行われ低温浸漬を経て、アルコール発酵が行われます。ピジャージュは1日2回程度。キュヴェゾンは20日間。その後シャンベルタン、クロ ド ベーズ、クロ サン ジャックが100%新樽、その他の特級は80%新樽で20ヶ月程度の熟成を経たのち軽く濾過、卵白での清澄を行ったのち瓶詰めされます。

では、いってみましょう。


生産者: アルマン ルソー
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン プルミエクリュ ラヴォー サン ジャック 2011

外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
一瞬素晴らしい甘露さが現れるがグラスで持続しない、こちらも冷涼な印象を受ける。この中ではやや液体密度が低い。
奥底に僅かに花の蜜やミルク、ブラックベリーやブルーベリーの果実味、華やかなスミレなどの果皮の香りが主軸。ややドライハーブや青い茎の様な香り。
シナモンやワッフルの様な香りも現れてくる。
口に含むと滑らかな酸と丸みのあるタンニンが広がる。ブラックベリーやシロップなどの果実感のある余韻が広がる。緻密な酸味があり、この中だと突出して柔らかく滑らかな味わい。


生産者: アルマン ルソー
銘柄: リュショット シャンベルタン グランクリュ クロ デ リュショット 2011

外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
ダークチェリーやブルーベリーの様な黒系の小果実の集中度のある果実味、それらの華やかな果皮。スミレの果皮のニュアンス。茎香、基本的には冷涼な印象。
徐々に僅かに花の蜜の様な甘やかさが大きくなってきている。燻製肉、紅茶、シナモン、ビスケットなどのアロマが感じられる。最終的にはトースティーに遷移する。
それでも大柄な甘露さというより、基本的には凝縮したエキス感がしっかりとある印象。
跳ねる様な力強い酸、厚いタンニンが感じられる。酸味を強く感じさせるスミレや若いプラム、ミルクのアフターが感じられる。


生産者: アルマン ルソー
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン プルミエクリュ クロ サン ジャック 2011

外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
やや冷涼感のある果皮のニュアンスの底面に猛烈な果実味の凝縮を感じる。徐々に表出してくるが、例年に比べてもかなり硬質な作りとなっている。ただこちらも徐々に甘露さを増していく。
甘露なカラメル、ワッフル。熟したブラックベリーやブルーベリーの果実味、燻製肉や、ほのかなスミレの香り。ドライハーブ、紅茶、シナモンやクローヴ、僅かな茎っぽさ。基本的には良く熟した印象を受ける。果実味はシャンベルタンに近いが、より樽に抑制が効いている。
跳ねる様な力強い酸味がありながら、シャープなタンニン。若々しいプラム、スミレ、ミルクの闊達としたアフター。明確な華やかさと力強い旨みがある。


生産者: アルマン ルソー
銘柄: シャンベルタン グランクリュ 2011

外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
やや冷涼な印象を受ける2011年のアルマンルソーにおいて異質な程果実味が高く、力強い。
果実の凝縮感のあるシロップ、果皮の華やかなスミレとともにオリエンタルスパイスや五香粉、焼いた木材の様な力強い樽香が立ち上がる。徐々に熟したブラックベリーやプルーンの黒系の果実味。シナモンやワッフルなどの焼いた砂糖の香り。クリスピー。
燻製肉、クローヴ、バニラ、紅茶。茎の様な要素は感じられない。甘露でありながら野生的な側面が感じられる。
重厚なタンニンと力強い酸味。
全体的に要素が大きく、五香粉やオリエンタルスパイス、ブラックベリーの様なアフターが残る。重厚だが、2009年程ではない。


まずは大まかな所管です。
・供出直後は2009年、2010年同様の素晴らしい芳香を放つが、全体的に香りが落ちるのが早め。
・と思わせつつ、15分くらいで甘露な香りが漂いはじめる。
・基本2010年に似たキャッチーさがある。
・ただグラス内での変化が例年と比較して、かなりドラスティック。
・これを劇的と捉えるか不安定性と捉えるかは人によりそう。2010年のキャッチーな安定性、2009年の堅牢なスタイルとはまた違ったスタイル。
・リュショットは冷涼さがありつつ開きやすく、エキス感の感じる味わい。
・クロ サン ジャックは堅牢。開くまで2009年、2010年以上の時間を要した。
・シャンベルタンは堅牢かつ樽香が強い。ただ2009年、2010年と比較すると最も抽出(というか果皮成分)が柔らかい。
・ラヴォー サン ジャックは若いアルマンルソーとしては突出した安定感。一級、特級群というか村名の上位互換的な味わい。
この中では最も近づきやすい味わい。

そんな感じでした。
テロワールの特徴のおさらい。
例えばリュショットシャンベルタンはラヴォー渓谷とモレ渓谷の背斜面からの冷涼な風の影響を受けて硬質で骨格の強いワインを産出。
シャンベルタンはグリザール小渓谷からの冷涼な風の影響も受けているので、こちらも堅固で骨格の強いワインになりますが、日照条件が良くこちらの方が堅固でありつつ果実味を感じられるワイン。冷涼さと日照、水捌けの良さが生み出す凝縮感。
クロ サン ジャックは立地としてはラヴォー サン ジャックやカズティエとほぼ同条件ですが、斜面の急勾配は効率的な日照を実現し、ラヴォー渓谷から吹き付ける風を石垣が防ぎ、その熱を保持します。その為他の畑と比較して堅固さ、冷涼さよりはるかに果実味や凝縮度、旨味が突出している。

醸造のおさらい。
新樽比率。
新樽比率はシャンベルタン、シャンベルタン クロ ド ベーズは100%、クロ サン ジャックは70%、他は35%となっているようです。
これは露骨にワインに現れていて、シャンベルタンとクロ サン ジャックはローストした香りがしっかりと感じられます。他のワインでも樽の香りは感じられます。

2011年をそこに照らし合わせてみると、概ね例年の差異と同じ様な違いが出ています。
新樽比率100%のシャンベルタン、70%のクロ サン ジャックはやはり樽の影響がかなり感じられます。
テロワールで見ると、堅牢さが前に出るシャンベルタンは2009年、2010年と比べると、大分近づきやすい味わいになっていると感じました。クロ サン ジャックは逆に堅牢で豊満な果実味は徐々に現れる形。共に開きはじめるまでは時間はかかるのですが、シャンベルタンの方が最初からキャッチーだったと思います。
リュショットはイメージ通り冷涼で堅牢。果実味というより華やかさを前に押し出している。ただ例年以上にエキス感を感じたのは、全体的に果皮の要素が強くなかったからかも。
ラヴォー サン ジャックは今年始めて飲みましたが、かなり柔らかい果実味が感じられました。クロ サン ジャックと比べて「石垣(クロ)」が無い為、よりグリザール渓谷とモレ渓谷からの風の影響を受けやすいはずなのですが、そこまで冷涼でも堅牢でもありませんでした。マジシャンベルタンもセットで検証すれば良かったですね。向かいにあるので、タイプは似そうな気がするので。
いままで冷涼だったマジが今回はラヴォーの様になっていたらテロワール起因ですね。
クロ サン ジャックはお隣ですが、別扱いで考えています。醸造がちょっと異なるので。

口当たりは順当にラヴォーが酸とタンニンのバランスが良く、リュショットは酸が突出、クロサンジャックとシャンベルタンはタンニン、酸ともに重厚といった感じ。
完全にフラッグシップ3本は熟成前提の造りですね。ラヴォーは今飲んでも十分、やや熟成しても美味しいのではないかと思います。

結論として、ピーキーさがありながらも2011年のアルマンルソーもとても良い出来に作られていると思いました。無論凄まじい2010年には劣るものの、堅実に良質なジュヴレシャンベルタンを表現出来ているのではないかと思います。
値段は残念ながらやや高めではあるものの、アルマンルソーに求めるものは、全て余すことなく包含されているように感じました。
このブログでも様々な2011年ヴィンテージを扱いましたが、その中でも成功した生産者なのではないでしょうか。

ここで比較的2011年に成功したと思われる生産者を挙げます。(過去のヴィンテージとの相対評価です)

・成功
エマニュエル ルジェ
クロード デュガ
ベルナール デュガ ピィ
アルマン ルソー
ロベール グロフィエ
ドニ モルテ
ロベール シリュグ
ユベール リニエ
ドメーヌ デュージェニー
フィリップ パカレ
セシル トランブレー
ミシェル コラン ドレジェ
ドメーヌ ラモネ

・やや成功
ジョルジュ ルーミエ
フレデリック エスナモン
アラン ユドロ ノエラ
アンヌ フランソワーズ グロ
モンジャール ミュニュレ
ドメーヌ フェヴレ
ルーロ
コシュデュリ
エティエンヌ ソゼ

・凡庸
デュジャック
プリューレ ロック
ドメーヌ フーリエ

んん?意外と堅実に作っている生産者が多い。勿論2010年と比べると色々と不足感がある生産者も多いですが、基本的には良く出来てるっぽいですね...
期待してたフーリエにいきなり挫かれたからかもしれないですねこれ。

ちょっと別途検証が必要かもしれません。
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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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