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【日本: 6】休日を山梨のテロワールと共に過ごす。

こんにちは、HKOです。
先日1年半にも及ぶ長期のプロジェクトかひと段落しまして、ちょっとリフレッシュも兼ねて山梨の石和温泉に行ってまいりました。

何分7ヶ月の娘もいるので、あまり遠出もできず、また色々な観光名所を巡る様な事もまだ出来ないので、基本的にはゆっくりと酒を飲みながら温泉に入ると、そんな感じ。



なかなかの広さ。


和室。


床の間。


なんかカッコいい部屋がある!照明も洒落ています。
部屋食用だそうで。結局ワイン飲むときしか使いませんでした。


お部屋から見える庭園。


檜のお風呂(温泉)


からの部屋に付いてる半露天風呂。


かなり余裕があって、居心地の良い空間でした。露天風呂も部屋にあるので、安心して引きこもれるし、酒も飲める!
最高。

そしてワインです。


生産者: 丸藤葡萄酒
銘柄: ルバイヤート 甲州シュールリー 2012
品種: 甲州

シャープでレモンなどの柑橘系のアロマ。果実味は充実しており、過剰な酸は感じなかった。


生産者: 勝沼醸造
銘柄: アルガーノ クラン 2012
品種: カベルネソーヴィニヨン、メルロー、ブラッククイーン

エレガントなカベルネソーヴィニヨン。軽快でいて、ドライ。やや熟度が低めにも感じる。


生産者: アルプスワイン
銘柄: プラチナ コレクション シラー 2012
品種: シラー

外観は明るいルビー、粘性は低い。
ピノノワールの合いの子のような、極めて冷涼で酸の立つスタイルのシラー。(※前提として冷涼地域のシラーは未体験)
全体的にスパイシーかつスモーキー。果実はやや熟していない印象。ACブルゴーニュ的。ミディアムボディ。
スモーキーなタバコ、鉄分、クローヴ、わずかな黒胡椒。瑞々しいアメリカンチェリーやフランボワーズのような果実味、白檀など。
酸と旨味は強く出ており、タンニンは最小限に抑えられている。
ローヌとニューワールド(オセアニア、北米)の間自体かなりの違いがあるが、日本のシラーは抑制された熟度に起因するフレッシュ感がある。


一気に日本ワインを飲めて良い体験になりました。本来なら1週間くらい居て数十種類飲み比べてみたかったところですが、そうもいかんのがサラリーマンの定めですなあ。

今回興味深かったのが冷涼地域でのシラーの生育です。品種自体暖かい地域を好むというのもあり、そもそも日本でシラーをあまり生育していないのですけど、今回特殊な環境のシラーを飲む事で見えてきたものがあります。
ひょっとして根本はシラーとピノノワールはかなり近いのではないか、という事。
例えば熟成したローヌのシラーを例に取ってみると、かなり熟成したピノノワールに酷似した形になっていきます。これは熟成してタンニンが丸みを帯びていく、あるいは無くなった際に残る旨味成分が、同年熟成をしたカベルネソーヴィニヨンなどに見られるグアニル酸ナトリウムではなく、グルタミン酸に近いのではないか、という理解なのですが、じゃあ若い時がどうなのかは全く不明瞭でした。
基本的に対比できるシラー種としては新世界とローヌが代表的なものとなると思いますが、ローヌのシラーは野性的でスパイシーですし、オーストラリアやカリフォルニアとシラーは果実味が前面に出過ぎています。
よってその段階では熟成によって現れる根本にのみピノノワールと同様の個性が現れるという事しか証明が出来ません。
そもそも若いヴィンテージでの単純比較をする為には、同様、またはやや厳しい生育条件の元育てられたシラー種の比較が必要となります。
今回の国産シラーは生育条件としては、ブルゴーニュと比べてもかなり厳しいものであることは概ね間違いないと思います。(降雨量も多いので)
冷涼地域で作られたシラーはミディアムボディで酸が立っており、かなりピノノワールに近い体躯のワインになっていたと思います。
ただし偉大なワイン、という訳ではなく、ACブルゴーニュの様なタイプですけども。
またスペインのメンシアも近いものを感じます。あれも冷涼地域だとピノノワールに近いタッチのワインができますが、スペインの気候で通常成熟を経たものはグルナッシュやシラーの様なビッグワインになります。
ピノノワールはそもそもビッグワインにはなりにくいので、そういう意味では幅の狭いワインです。よって温暖な気候、冷涼な気候共に個性的なワインが作れるシラーはピノノワールというより、むしろシラーの懐が深く、メンシアもシラー寄り、という事が言えるかもしれません。なかなか勉強になりました。


【料理】
◼︎すずき南蛮漬け、茄子胡麻餡掛け、田舎煮


◼︎甲斐サーモン、芦川蒟蒻、ホロホロ鳥湯引き、湯葉


◼︎みかん鯛のコンフィ 彩野菜寄せ 2色のソースと共に


◼︎甲州富士桜三枚肉醤油焼き ホロホロ鳥笹身 アスパラ 新じゃが 梅醤油ソース


◼︎若鮎唐揚げ 甘長唐辛子 酢味噌


◼︎唐土豆腐 トマト餡


◼︎ホロホロ鳥すき焼き




ルバイヤート 甲州 シュール リー

ルバイヤート 甲州 シュール リー
価格:1,960円(税込、送料別)




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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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