【ブルゴーニュ: 68】レ ザムルース3種類テイスティング

こんにちは、HKOです。
ここ数ヶ月はスペインやシャンパーニュ、新世界の記事がやたらと増えましたが、たまにはブルゴーニュで。
しかし暫くブルゴーニュのピノノワールから離れてみて思うのが、本当にブルゴーニュのピノノワールって比類無くエレガントだなあ、と思いました。
今回のテーマがレ ザムルーズというのもあるけど...

というわけで、今回はシャンボールミュジニー村最高の1級畑レザムルース3種類をテイスティングしました。


【データ】
ルイジャドはブルゴーニュの1859年創業の老舗ネゴシアンで、ネゴシアン業に留まらず上級キュヴェに関しては154haもの自社畑で栽培まで行っています。そして何と言ってもルイジャドといえば天才ジャックラルディエールの存在でしょう。1970年から醸造責任者としてジャドのワイン作りの指揮を取っています。
自然農法を実践しており表土のみを馬で耕作をしています。100%除梗を行ない、低温浸漬は基本的には使用せず、発酵温度の管理もせず、ルモンタージュも行わず、ごくごく自然の葡萄のポテンシャルに任せてゆっくりと時間をかけて醸造を行っています。オーク新樽比率は最大で50%程度。それでいて非常に素晴らしいワインが作れるのですから、ジャックラルディエールのセンスが光る所だと思います。現在はしっかりとラルディエールのエッセンスを受け継いだフレデリック バルニエが醸造を行っています。

ロベール グロフィエはモレ サン ドニに拠点を置くシャンボールミュジニーのトップ生産者の一人。レ ザムルーズ最大の所有者。現在はセルジュ グロフィエ、ニコラ グロフィエが指揮を取っている。フラッグシップはシャンベルタン クロ ド ベーズ、ボンヌマール、1級レ ザムルーズ。
除梗は2007年、2009年が100%、2008年、2010年は70%。2011年は60%。
10日間の低温浸漬の後、自生酵母による自然発酵。新樽率は村名20%、アムルーズ40%、ボンヌマール60%で、13ヶ月程度のフランソワフレール製の樽で熟成を行う。

ヴォギュエはミュニエ、ルーミエ、グロフィエとともにシャンボールミュジニーを代表する最も優れた生産者の一人。栽培責任者はエリック ブルゴーニュ、醸造責任者はフランソワ ミレが担当しています。
有機農法、収量制限の為の仕立て併用、作柄毎に醸造方法を変えるなど、葡萄のポテンシャルを最大限に引き出す為の栽培方法を実践しています。
収穫したブドウは100%破砕除梗。低温浸漬は行わない。木の発酵槽で約3週間発酵させ、樽熟成は約1年で、新樽率は村名15%、特級で30%。
なお、ミュジニー畑に植わっている25年未満の若木に関しては、赤はシャンボールミュジニープルミエクリュとして、白はブルゴーニュブランとして、そして25年以降を特級ミュジニーヴィエイユヴィーニュとしてリリースしており、このデクラッセによってミュジニーの品質が保たれています。
今回は0.5haの1級畑レ ザムルースです。


【テイスティングコメント】
生産者: メゾン ルイ ジャド
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ ザムルース 2008

約40000円、WA92pt
やや熟成した旨味が前面でており、かつ甘露で丸みのあるアムルーズ。
外観は中庸なルビー、粘性は中庸。
旨味を感じさせる風味がメインで、充実した鉄分(燻製肉の様な)やスミレの花の要素、そしてダークチェリーやブルーベリーの様な果実味、溶剤や茎の様な要素、クローヴやリコリス、樹皮の様な自然な要素が感じられる。
わずかにトースティーな要素も感じられる。
極めて酸味と旨味は充実しており、またタンニンもこの中では比較的強く感じられる。このレザムルースもジャドらしい溶剤やスミレの余韻を残していくのが特徴的だ。とはいえ適度に力強いワインを作り出すジャドにおいて群を抜いてエレガントてあることは間違いない。


生産者: ロベール グロフィエ
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ ザムルース 2011

約41000円、WA93pt(2009)
エレガント、ちょっもDRCみたいな雰囲気を醸し出している。
外観は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
オレンジや鉄分などの要素に、華やかなスミレやハーブの香り、瑞々しいイチゴやラズベリーの様な果実味がある。ミルクティーや樹皮、クローヴや花の蜜の様な溌剌とした甘露さが内包されている。青い葉やタイム、軽くローストした木材の香りと華やかな果実の風味が結合し広がっていく。
酸味とタンニンはかなり穏やかで、非常に軽やかなシルクの様なタッチ。ミルクティーとラズベリーの果実味の余韻を残していく。


生産者: コント ジョルジュ ド ヴォギュエ
銘柄: 銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ ザムルース 2011

約73000円、WA94-96pt(2010)
エレガントだが極めて凝縮感のあるエネルギーに満ち溢れた香り。
外観は輝きのある赤みの強いルビー、粘性は中庸。スミレや薔薇のエキスが凝縮した香水みたいな華やかさ、ミルクティーのまろやかさ、ブルーベリーやブラックカラントの様な凝縮感を感じる果実味。なめし革、枯葉、クローヴやナツメグの様な要素もある。たまにワッフルの様な香ばしい甘露さも感じられる。徐々にキャンディ香に帰結する。そのキャンディの甘露さ、凝縮度は非常に高いが、華やかな印象は一切崩れていない。
酸が際立っているが極めて滑らか。タンニンはシルキーでほぼ感じられない。さも実態を持たないかの様な軽やかさで、旨味とキャンディ香が同居し、クランベリーとミルクティーの様な余韻を残していく。


【所感】
前提として。
レザムルースといえば特級畑ミュジニーに隣接するヴージョ寄りの5.4haの1級畑です。コンブラシアン石灰岩が母岩となっており、その下には魚卵状石灰岩がある。表土が薄く小石が多い。その為水はけも良く石灰地質の影響を強く出やすいテロワールです。
肉付きの良いモレ側の1級畑とは異なり、よりソリッドなミネラル感と軽やかさと並存する凝縮感が現れるするスタイルになります。

今回は生産者とヴィンテージが異なります。

・ルイ ジャド 2007年
100%除梗を行ない、低温浸漬、発酵温度管理、ルモンタージュも行わない。オーク新樽比率は最大で50%程度。

・ロベール グロフィエ 2011年
除梗は2007年、2009年が100%、2008年、2010年は70%。2011年は60%。
10日間の低温浸漬の後、自生酵母による自然発酵。新樽比率は40%で13ヶ月熟成。

・コント ジョルジュ ド ヴォギュエ
100%除梗。低温浸漬は行わない。木製発酵槽で約3週間発酵させ、樽熟成は約1年で、新樽率は30%で12ヶ月熟成。

グロフィエだけ低温浸漬してますね。
新樽比率はどの生産者も低めに抑えています。
故あってどれも瑞々しいのですが、併せて低温浸漬なしであるものの華やかさがあり、一貫してミネラルによって引き締まった感じがあります。またタンニンも柔らかだとおもいます。
ヴォギュエはその中でも突出して華やかで凝縮感があり、グロフィエは瑞々しく華やか、軽やかで新樽のニュアンスが比較的出ています。ルイジャドはやや熟成を経ているからか、旨味を感じさせる要素が強く、それでいて華やかなスミレの要素を強く感じさせます。
この中だとヴォギュエとルイジャドの酸が強く、グロフィエがその点柔らかですね。
どのワインも比較的生産者のスタイルがはっきりと出ています。
例えばヴォギュエであればミュジニーやシャンボールミュジニー プルミエクリュのスタイルにやはり似ていますし(ボンヌマールは全く別のワインとして捉えて良いと思います)、グロフィエであればクロ ド ベーズも同一の方向性であるように感じます。
勿論生産者のテロワール別の比較であれば違いは明白なのですが、生産者の違いから見ると、あくまで同一の方向性を見ている、というのが良くわかります。
ジャドもそうですね。クロ ド ラ ロッシュと同一のスタイルだと思います。
ただ先述した様にどれも瑞々しく華やかでミネラルによって引き締まっている共通点があり、これは生産者ごとのテロワールの比較でも明白になっています。
レザムルースとはどの様な畑なのか。
生産者ごとの別テロワールの比較、生産者違いの同一テロワールの比較によって明らかになったと思います。




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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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