【カリフォルニア:23】別れのロゼ、再開のルージュ。キスラーRRV、ケンゾー 結。

こんにちは、HKOです。
ワインはインパクトのあるお酒です。
よって人生のシーンを色濃く投影し、思い起こさせる事が出来る稀有な飲料だと思います。
今回の2本はかたや別れを、かたや再会を強く思い起こさせるワインとなりました。
別れといってもネガティブなものではなく、予め予定されていた終わりですし、ポジティブな一側面を残しての別れですから、そんなに重いものではないのですが。

でも、そういう記憶を先まで味わいと共に残せる酒って貴重ですよねえ。

【データ】
ケンゾーエステートはカプコン会長 辻本憲三氏がナパヴァレーに拠点を置くワイナリーです。
栽培家デビット アブリュー、醸造家ハイディ バレットとパートナーシップを組み生産を始めています。
デビットアブリューはハーランやコルギン、ハイディ バレットはスクリーミングイーグルを経てケンゾーエステートに参加していますので、その品質たるや推して知るべしでしょう。
生産は入念な選果の上、グラビティフローを採用した醸造を行ないます。ステンレスタンクで20度~30度でアルコール発酵を行ない、キュヴェゾンは2週間。新樽比率60%で20ヶ月の熟成とMLFを経てリリースされます。今回の結は生産量2000本の希少なロゼ。

キスラーは1978年にルシアンリヴァーヴァレーに設立されたカリフォルニア最高峰のシャルドネを算出する生産者。収量を抑え、丁寧な栽培を行った樹齢の高いシャルドネやピノノワールは収穫後選果され、それぞれのキュヴェに回される。
ルシアンリヴァーヴァレーはフレンチオーク新樽60%旧樽40%て14ヶ月の熟成(MLFの記載はありませんでしたが、赤ですし、まず間違いなく行っているでしょう)させる。
すべて無濾過、無清張で瓶詰め。
ブラックシップはキュヴェ キャスリーン(Ch100%)、キュヴェ エリザベス(PN100%)。


【テイスティングコメント】
生産者: ケンゾーエステート
銘柄: 結-yui- 2013
品種: メルロー68%、カベルネフラン32%

9300円
外観は淡いピンクで粘性は高い。
ロゼとはいえナパヴァレー産、プロヴァンスのそれより充実した果実味がある。
熟したストロベリーやサクランボの果実味の中に蜜の香り、フレッシュハーブやクローヴ、キノコ。わずかにミネラル感もあるが、大仰に前に出ているわけではない。
酸は充実だが滑らかで、僅かに残るタンニンと苦味が全体を引き締めている。イチゴとサクランボの瑞々しい余韻が残るが、高アルコールに裏付けられたアタックの力強さ、重さも感じる。余韻にカベルネフランの梗にも似た風味がある。


生産者: キスラー
銘柄: ルシアン リヴァー ヴァレー ピノノワール 2012

約13000円、WA91-93pt(2009)
外観は澄んだルビー、粘性は中庸。
鉄分やなめし革、スミレのオイルの華やかで瑞々しい香りが主体となるピノノワール。繊細なタイプだが、ブルゴーニュ的なスタイルではなく、エキス感がメインでありながら良く熟したタイプのピノノワール。わずかなアルコール感があり、熟したダークチェリー、ストロベリーの様な果実味が感じられる。クローヴや茎、シナモンなどのアロマ、そしてあまり影響は強くないものの、樽に起因する紅茶の様なアロマがある。
酸は滑らかで、タンニンも強くないが、非常に果実味が豊かで、明るいベリー類の甘い余韻が感じられる。


【所感】
両方ともなかなか良かったです。
結は丁度、その前に何本かプロヴァンスのロゼを試してた(話題のミラヴァル ロゼなど)のですが、さすがナパヴァレー、ロゼにしてこの果実味の厚さとアタック。素晴らしい。
ミラヴァルもペランファミリーが作っているだけ、極めて素晴らしいのですが、事果実味でいうのであれば、こちらかな、という気がします。赤系果実の熟した風味とフレッシュハーブの風味、苦味。果皮の要素は僅かに感じられる程度ですが、タンニンも意外としっかりとあります。
価格的にはお高いのでミラヴァルで十分かなという気もしますが、素晴らしいワインである事は間違いないと思います。
次にキスラーのスタンダードなピノノワール。フラッグシップのキャサリン2010が今ひとつ不調だったので多少警戒していましたが、なかなかどうして良い出来のピノノワールになっています。2012はそう思うとかなり良く出来ているんじゃないかと。
あくまで骨子はカリフォルニアのエキス感を強く出す生産者のスタイル。ブルゴーニュで近しいスタイルだとエキス感と共に花の様な華やかさ、ややシャープな酸、ハーブを伴う赤系果実が前にでるけど、こっちは出汁の様なエキス感がありエレガントでありながら、熟した赤系果実の太い果実味がある。
ブルゴーニュ的な方程式にカリフォルニアのテロワールを当てはめた様な味わいがあります。強めに抽出をしていると思しき2010年に比べるとバランス良くまとまっているヴィンテージだったと思います。ハーブ香も控えめですし。
という意味で2012年のキャスリンもかなり期待出来るんじゃないかと。


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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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