【焼酎・第二回】 3M(森伊蔵、魔王、村尾)+佐藤黒



こんにちは、HKOです。
本日も焼酎、佐藤黒をはじめとして、森伊蔵、魔王、村尾などのプレミアム芋焼酎を集中してテイスティング致します。


【データ】
佐藤黒は鹿児島県霧島市に拠点を置く佐藤酒造が作る黒麹を使用した芋焼酎。3Mに着いで有名なプレミアム焼酎です。
村尾は鹿児島県薩摩川内氏に拠点を置く村尾酒造が作る芋焼酎。当代は村尾寿彦氏。こちらも黒麹を使用しています。
魔王は鹿児島県肝属郡に拠点を置く白玉醸造が作る芋焼酎。
森伊蔵は鹿児島県垂水市に拠点を置く森伊蔵酒造が作る芋焼酎。
これらは色々と入手困難であり、プレミアムであるということは多くの言葉を費やして語られているのですが、具体的な醸造方法に関してはあまり...うーん。

ではいってみましょう。


【テイスティングコメント】
生産者: 佐藤酒造
銘柄: 黒 佐藤 芋焼酎

7800円
かなりワイルドで大柄な芋焼酎。それでいてタッチは丸みがある。
ふかした薩摩芋や白胡椒、マニキュア、和紙やドライハーブ、乾いた木材の豊かな香りがある。
ウッディで丸みがあり太い香りがある。
3Mの様に洗練された香りであったり、特別な個性はないが、完成度の高い焼酎だと思う。アタックは柔らかく、木材の様な余韻が残る。


生産者: 白玉酒造
銘柄: 魔王 甕壺 芋焼酎

12000円
最も冷涼で堅牢な引き締まった香り。マニュキア、アルコールっぽさ。フラワーオイルの様な風味。ハーブや青草の香りが強く感じられる。白胡椒やハーブ、樹皮の香り。芋のふくよかな部分はあまり感じられず、清涼感のある潔癖な味わい。最もシャープで線が細くエッジー。貫く様なアルコール感と共にハーブや木材、白胡椒の余韻を残して行く。


生産者: 村尾酒造
銘柄: 村尾 甕壺 芋焼酎

13000円
丸みがありシルクの様な口当たり。
シャトーヌフの様な獣香、出汁。スイートポテトの豊満さ。石鹸やフレッシュハーブ、白胡椒、和紙や白檀の香り。鼻に抜ける華やかな香り。アタックはシルキー。柔らかく過剰なアルコールっぽさがない。アルコールのアタックはそれなりに感じるが、基本的にはクリーミーで白胡椒とスイートポテト、フレッシュハーブの豊満さを感じることができる。


生産者: 森伊蔵酒造
銘柄: 森伊蔵 芋焼酎

25000円
熟成したブランデーのようなカラメルを想起させる香り。焼き栗、スイートポテト、長期熟成を経たシャルドネの様に香り高い。シロップ、ドライハーブ、白胡椒の様なスパイシーな風味。飲む人が飲んだら熟成シャンパーニュを想起させるだろう。バターやリコリスなどの要素も感じられる。
アルコールのアタックは極めて柔らかく白檀や樹皮、焼き芋の様な余韻を残す。極めて高品質な焼酎だ。高いのも納得。


【所感】
まず今回の4本の印象を分けると下記の通り。勿論味は全然違いますが、ワインでいうと近い印象はなんなのか、というのを書いてます。

佐藤 黒...パワフルでリッチなボディ、タッチ。一塊感は無いが力強く、丸みがある。
原料起因の甘露さと木材の風味。Pommard。
魔王...硬質で堅牢なタッチ。一塊感があり華やか。ハーブやスパイスの要素が前面に出ている。Gevrey-Chambertin。
村尾...シルキーで丸みのあるタッチ。獣香があり野性的で甘露。木材やハーブ、素材本来の味わいが残るChateaunuf-du-papeあるいはMargaux。
森伊蔵...完璧な完成度。規模感は大きいが一塊感のある球体のボディ。甘露でカラメルや焼き栗、スイートポテトなどの素材本来の味わい。白胡椒やドライハーブ。熟成したBlanc De Blanc、そしてNapa ValleyのChardonney。

同じ芋の蒸留酒ですが、かなり個性が違いますね。例えば魔王と森伊蔵なんか、方向性が真逆ですし、村尾と佐藤黒は大枠でのタイプは似ていると思いますが、やはり細かく見ていくと村尾の方が野性的であるとか、佐藤黒の方が豊満であるとか、そういった違いは確かにあります。
それでいて、それぞれフラッグシップたる素晴らしさをしっかりと持っています。
先述した様に、これらの焼酎について、醸造手法について細かく触れられていません。
よって、一体何がこれらの違いを生み出しているのかもわかりません。
ただ、何となく思うのが、魔王は極力余計な風味を排除したクリーンな手法ではないか、とか、村尾は結構特殊な酵母を使っているのではないか、とか、森伊蔵のロースト香は何処から来ているのか、とか、甘さの原因は芋のデンプンの含有率が違って糖化する際に糖分を強くし、アルコール発酵時に全発酵させないのではないか、とか。
そういった憶測しか出来ません。
仮説に対して実証が無いのが歯がゆいですね...

それと熟成も味わいの違いに影響しているとは思うんですが、何分蒸留酒の熟成による違いが検証出来ておらず、何とも言えません。

酸化により角が取れる、丸みが出る、そして熟成容器によって...例えばカスクならロースト香が付きやすいなどの変化は想像しやすいのですが、じゃあ甕ってなんだ。陶器は何が香り付くのか?そんなわけはない。いわゆるステンレスタンク熟成に近いんじゃないか。
それならば酸化による影響だけなのか。ただステンレスタンクに近いが密閉性は甕の方が低いから、酸化のスピードは早いはずだ。

じゃあ蒸留酒の酸化って具体的にはどうなることなんだろうか。
アルコール度数が高ければ基本的には熟成は緩やかだけど熟成曲線がわからん...

謎が謎を呼ぶ焼酎の味の差異。
誰かプレミアム感だけでなく醸造も教えてくれる人はいないのか...
今度詳しい人に聞いてみたい。

なんにせよ、美味しかったのは目の前にある純然たる事実ではあるのですが。
そこを気にするのは無粋か。




関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR