【焼酎・第四回】伊佐美、天使の誘惑、野うさぎの走り

こんにちは、HKOです。
本日は焼酎最終回です。前回が最後だと思いましたか?そんなことないんだなこれが!
最後はややグレードが落ちますが、天使の誘惑と野うさぎの走り、伊佐美を頂きます。

【データ】
天使の誘惑は鹿児島県日置市に拠点を置く西酒造が作る芋焼酎。代表銘柄は薩摩宝山。樫樽、シェリー樽で10年熟成させた焼酎です。
伊佐美は鹿児島県伊佐市に拠点を置く甲斐商店が作る元祖プレミアム焼酎とも言える銘柄。
野うさぎの走りは宮崎県児湯群に拠点を置く黒木本店が醸す米焼酎。代表銘柄は麦焼酎 百年の孤独。長期間保管された古酒ともち米の米焼酎をブレンドした逸品。


【テイスティングコメント】
生産者: 西酒造
銘柄: 天使の誘惑 芋焼酎

7000円
華やかで先鋭的な香り。
フェノールやカラメル、シロップなどの芳香、スイートポテトの様な風味もある。ラベンダーや幾種ものハーブ、クローヴ、白胡椒などの香りを強く感じることができる。
甘露かつアロマティックなハーブが前面に出ており、鋭角的な味わいだと思う。
高アルコールに起因するアタックの強さ。口に含むとフェノールとハーブ、木材の香りが力強く広がっていく。


生産者: 甲斐商店
銘柄: 伊佐美 芋焼酎

4500円
優しく穏やかな丸みを帯びた芋焼酎。
印象としては佐藤系の風味が感じられる。
ふかした薩摩芋、白胡椒、わずかなアルコール感、和紙やお香の様な香りを感じさせる、極めて上品な味わいだと思う。滑らかでシルキー。とげとげしさを一切感じない。
ライトなアタックで、余韻に心地よい芋とスパイスの香りを残していく。


生産者: 黒木本店
銘柄: 野うさぎの走り 甕仕込 米焼酎

9000円
十四代と異なり高アルコールに起因するエッジの効いた風味。吟醸香は感じられない。
フェノール、クルミ、餅の様な米の渇いた風味と、噛み締めた時のシロップの様な甘さ、デンプン的。桜餅やシクラメン、土の香りが感じられる。
こちらも高アルコールに起因するアタックが極めて力強くパワーに満ちている。
口に含むとクルミや餅の風味、時折白胡椒の様な風味が混じり合い余韻を残して行く。

【所感】
今回はそれぞれ毛色が変わった3本です。
伊佐美はアルコール度数25%、野うさぎの走りは39%、天使の誘惑は40%。
前回までの3回は芋も米も20%台でしたが、全く違う焼酎の様な印象を受けました。
例えば野うさぎの走り。
これは十四代が日本酒的な味わいを目指して醸造した焼酎であるという部分を差し引いたとしてもかなり様子が異なります。
十四代秘蔵はそれこそ大吟醸の延長の様な吟醸香を醸し出していましたが、こちらはよりナッティーでクルミや渇いた餅の様な風味が強く前に出ている印象です。
そして和紙の様な要素があり、米を噛み込んだ際に現れる甘みを感じることができます。

また天使の誘惑に関しては、よりブランデーに接近した味わいで、魔王の冷たさ、百年の孤独の様な甘さを感じさせます。
ふかした芋などの芋焼酎ならではの要素というのは、一見あまり感じることが出来ませんでした。(クセは芋焼酎そのものですので、そこは良くわかります。)ただ徐々にスイートポテトの様な甘みも出てきます。
これは天使の誘惑ならではかもしれませんが、極めてハーヴィーで華やか。
ラベンダーやクローヴ、そして幾つものハーブの要素が華やかさを助長しています。
所謂芋っぽさから抜け出した洗練された蒸留酒であると思います。

最後に伊佐美ですが、こちらもなかなか素晴らしい出来ではあるのですが、3Mや佐藤黒に比べると今ひとつ抜きん出た所が少ない様にも思えます。3Mはそれぞれに独自性があり、例えるならば5大シャトーの様な明確にそれぞれ抜きん出た部分が際立っていたのですが、伊佐美に関しては芋焼酎の延長上にある味わいだと思いました。ただ完成度は高く、味わいに関しては文句は全くありません。値段も他のプレミアム焼酎に比べるとお手頃なので、決して悪くはないと思います。

さて、今回で焼酎編は最後となります。
所謂プレミアム銘柄をワイン的な視点で見てみましたが、想像以上にそれぞれに独自性が楽しいテイスティングとなりました。
勿論アルコール度数が高いので、あまり飲めませんが、自身の視野を広げる事は間違いなく出来たと思います。
もし今後飲む機会があるとすれば接待か...あとは古酒は可能であれば抑えておきたいと思いました。
九州に訪れる際の楽しみも増えました。
有意義だったと思います。

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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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