【ブルゴーニュ:69】ブルゴーニュ グランヴァン4種テイスティング

こんにちは、HKOです。
本日からは貯めに貯めたブルゴーニュでございます。うわーい、みなさんお待たせしました。
過去の履歴を見ると色々寄り道をして約1ヶ月以上ブルゴーニュがなかったことになります。ちなみに前回のレザムルーズとアルマンルソーの間は実に1ヶ月半。
一応このブログはブルゴーニュ推しな訳ですが...今年に入ってからはシャンパーニュの方が多いです。ただ体系的に語れているか...というと結構微妙かも。
さて、今回はバラバラですが、良い生産者のワインを幾つか。


【データ】
ウィリアムフェーブルはシャブリの老舗ドメーヌ。アンリオ買収後は現在はブシャールで修行したディディエ セギエが指揮をとっています。
シャブリにコートドールのスタイルを持ち込み、シャブリとしては珍しい手積み、ビオロジックを導入し、旧ウィリアムフェーブルで使用していた新樽を極限まで抑え、ミネラル感を引き出すことに成功しています。
平均樹齢は30-50年、栽培はビオロジックを実践し、収穫はすべて手積み。選果台で厳密な選別を行う。
醸造はグラビティーフローを導入し、アルコール発酵はすべて樽で行います。6ヶ月の旧樽熟成の後、ステンレスタンクで更に熟成する。新樽は使用しない。
フェーブルのブーグロは16haのブーグロの中でも最も急斜面にあるコート ド ブーグロという小区画に位置しています。

リュシアン ル モワンヌは、1999年に立ち上げられた名だたる1級特級のみを瓶詰めする新進気鋭のネゴシアンです。
年間生産量は100樽以下。発酵後のワインを買い付けて瓶詰めするが、このネゴシアンの最も卓抜したところは、優れた生産者を見抜く力と、購入したバルクワインに適した樽を仕付けるセンス。
購入したワインは(当然バルクで買ったワインなので)徐梗されているもの、されていないものにバラツキがあるが、そのスタイルにあわせてシャサン社と連携を取りながら100%新樽で熟成、マロラクティック発酵を行っていく。
その評価はかなりのもので、もともとのワインの品質の良さと樽熟成の巧みさが非常に高く評価されています。
フラッグシップは白はモンラッシェ、赤はシャンベルタン クロ ド ベーズ。

アルヌー ラショー(元 ロベール アルヌー)は、ヴォーヌロマネに拠点を置く名門ドメーヌ。2008年に先代ロベールが死去したことにより、現在は末娘の夫であるパスカル ラショー、そしてその息子のシャルルが指揮を取っています。
現在はヴォーヌ ロマネを中心に、ロマネ サン ヴィヴァン、エシェゾー、クロ ヴージョ、ラトリシエール シャンベルタンを保有している。リュット レゾネによって栽培された葡萄は手摘みで収穫され、低温浸漬の後ステンレスタンクで発酵。新樽比率は村名20%~25%、一級30~50%、特級およびスショ、レイニョは100%。平均14ヶ月の熟成を行う。ACブルゴーニュは小粒のピノノワールが収穫できる優良株を使用。

ベルナール デュガ ピィはジュヴレシャンベルタンに拠点を置くクロードデュガの従兄弟で、クロードデュガ同様、偉大なワイン達を産出しています。
全区画で行われるビオロジック、強い密植と厳しい選定による超低収量、そして若くとも20-30年、ヴィエイユヴィーニュともなると90年もの古木を使用しています。除梗はシャンベルタンとマジは100%全房、マゾワイエール30%除梗、シャルム50%除梗。低温浸漬はせず、セメントタンクと木製樽でアルコール発酵を行う。ピジャージュ、ルモンタージュは最小限に抑えています。(といっても色調やデュガピィの哲学からすると、それなりに行っている印象)、フランソワフレール社の焼きの薄い新樽を1級以上は100%使用しノンフィルター、ノンコラージュで瓶詰め後出荷される。フラッグシップは生産量わずか1樽のシャンベルタン、マゾワイエール、シャルム、マジの特級群。


【テイスティングコメント】
生産者: ウィリアム フェーブル
銘柄: シャブリ グランクリュ コート ド ブーグロ 2004

約8000円、WA95pt
外観はストローイエロー、粘性は高い。
やや熟成を帯びた旨みを感じさせる味わい。
ステンレスタンクに起因するクリアなシャブリで、充実した火打石の様なミネラル感、ドライハーブ、エシレバターや白い花の香り、白桃やネクタリンの様な果実味、ハチミツなどの味わいが感じられる。若い頃の様な硬質感は無くなり、酸も良く馴染んでいる。きめ細やか。意外とクリスピーな果実味がある。
綺麗で繊細な出汁の様な旨みが広がっていく。


生産者: ルシアン ル モワンヌ
銘柄: シャサーニュ モンラッシェ プルミエクリュ アベイ ド モルジョ 2011

約17000円、WA88-90pt
外観はやや濁りのあるストローイエロー、粘性は中庸。
いつものルシアンの絶妙なワインと比べると、ちょっとバランスの悪さが大変気になる。ルシアンらしい樽香がしっかりとあり、ともすれば麦茶の様な豊かなロースト香があるが、その下支えをする果実味であったり、構成するボディが不足している。
ナッツやバター、そして麦茶などの醸造起因のアロマはしっかりと出ており、やや細めに感じられる洋梨やカリンなどの果実味、僅かにシロップの様な甘さがある。杏仁豆腐やバニラ、シナモンなど。香りは新世界のシャルドネにも近い。
しかし酸やミネラルはかなり弱々しく、果実味に起因するボリューム感もなく、上質な香りの外観だけ演出しているが、その実は貧弱なワイン。


生産者: アルヌー ラショー
銘柄: エシェゾー グランクリュ 2008

外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
果皮の厚いブルーベリーやブラックベリー。鉛筆の芯や溶剤、スミレや薔薇、青い茎や土、燻製肉や焼いた樹皮。クローヴやリコリス、オリエンタルスパイスなどの風味が感じられる。
酸味と旨味がかなり現れており、やや酸化気味?黒系果実の果皮の余韻が残る。旨味が前に出ている。


生産者: ベルナール デュガ ピィ
銘柄: シャルム シャンベルタン グランクリュ 2004

64000円、WA96-97(2005)
やや橙を帯びたルビーレッド、粘性は高い。
2004年にして樹皮や紅茶など樽の香りが非常に強く、抽出の強さも感じる。ただかなり馴染んできているのか、エレガントさも現れている。オレンジピールやスミレの花、綺麗な出汁香。茎やハーブの香りなど。華やかで青い香り、瑞々しいダークチェリーやレッドカラント。燻製肉の様なアロマ、スーボワ、ローズヒップティー、クローヴなどの風味が感じられる。
全体的にかなり瑞々しく変化している。
酸味はかなり柔らかくなっており、タンニンもしなやか。オレンジピールやベリー類のしなやかな余韻が残る。あの堅牢でパワフルなデュガピィがこんなにエレガントになるとは思わなかった..


【所感】
まず素晴らしかったのが、デュガピィのシャルムシャンベルタン、ウィリアムフェーブルのグランクリュ ブーグロ。拍子抜けだったのがルモワンヌのモルジョ、あまり状態が芳しくなかったのがアルヌーラショーのエシェゾーって感じです。
まずアルヌーラショーのエシェゾー。
熟成の間にいるのか、それとも酸化しているのか、鉛筆の芯や生肉などの過剰に酸化した様なニュアンスが感じられます。また果皮の厚さからくる華やかさも若干感じられるのが、ややちぐはぐさを感じます。旨味の出方と酸の強さから考えるとあまりよろしい状態では無い様にも思えます...なので、ちょっと判断保留といった感じでしょうか。
ただ2008年とやや古いヴィンテージでは確かにあるので、正常なのかはちょっとわかんないですね...感覚的には2000年代前半の様にも思えます。
次にルシアン ル モワンヌ。
このネゴシアンのワインはそりゃかなーりお高くて、オリヴィエ バーンスタインかルシアン ル モワンヌかって話なんですが、品質もとても高いんですよね。
薄旨とは無縁の、とてつもなく濃厚で充実した果実味、分厚いボディ、そして樽もガッツリ効いている。ともすればテロワールを尊重していないのではないか、とも取れますが彼のキュヴェの中で見れば、村や畑の個性をしっかりと差別化、表現がなされていて、それはもう素晴らしいんですけども...
今回のアベイ ド モルジョはちょっと微妙でした。アベイ ド モルジョという聞きなれない畑は正式に認定されている1級畑ではなく、3.98haのモルジョとその下部にある4.57haのラ シャペルに関しては同名称を使用できる事になっています。共に重い土壌なので、どちらかといえばピノノワールに向くのですが、モルジョ上部に限っては重厚なシャルドネを作ることが出来ます。
今回のラベイ ド モルジョは下部のシャペルも含むため、どの区画をいかほど使用しているかは不明ですが、少なくともモルジョ単体で見るより、下部が広がっている為、あまりシャルドネに適さないであろう部分を使用しているのかもしれません。
この樽のニュアンス、そして甘露な素晴らしい芳香に対して液体の濃度が全く追いついていません。極端な言い方をすれば水っぽい。引き締めるミネラルも酸も欠落しているので、締まりの無い緩い水っぽいワインになっています。
土壌や気候が悪いというよりもヴィンテージの負かもしれませんが。2011年のコート ド ボーヌはかなりダメージを受けたので。
正直同生産者のムルソーや赤の素晴らしさを知っているだけに、かなり拍子抜けしてしまいました。価格を見るとかなり残念な出来なのは間違いありません。

次はウィリアム フェーブルのブーグロ。
極めてクリーンネスなシャブリ グランクリュで、ほぼ樽の要素は出ていない様に感じます。(旧樽を使用していますが、樽の香りをつけるというより嫌気的に近い環境下ですべて熟成させるより、酸素の介在しやすい樽を選んだだけかと)それだけに果実本来のポテンシャルが存分に前に出るわけですが、これがまた凄いんですね。
熟成を帯びて旨味や塩味は若干感じさせるのですが、まずミネラル感が半端なくて熟成してなおビシバシに効いている感じ。そしてネクタリンや白桃、ハチミツ、そして白い花の香りが液面全体に漲っている。
適度な熟成要素と若々しい味わいが大変素晴らしい。わずかに樽のクリスピーな要素が絶妙で、全体的に多くの要素を包含しながらバランスを取っている感じ。いいですね。
若いフェーブルのワインはともすればミネラルと酸に彩られていますが、最初の飲み頃に差し掛かっているのでは無いかと思います。

次にデュガピィのシャルムシャンベルタン。
デュガピィのワインはいつだって濃厚で、例えば幻のシャンベルタンとかラヴォー サン ジャックにも言える事ですが強い抽出と高い新樽比率のワインで華やか、かつ重厚、そして濃厚な果実味があるわけですが、今回のシャルムシャンベルタンは恐るべきエレガンスがあります。それは熟成によるものなのか、テロワールの再現なのか、若いヴィンテージを飲んでいない為ちょっと分からないんですけども、少なくとも前述のラヴォーサンジャックやシャンベルタンには無い特徴だと思いました。
具体的には熟成した新樽要素である樹皮や紅茶、華やかなオレンジピールやスミレの花の香りが支配的。そして出汁の香り、瑞々しいベリー類の果実味。僕の中にあるデュガピィから大きくかけ離れた、華やかで清涼感、瑞々しさのある味わい。強いタンニンや酸味はなりを潜め、梅しばやオレンジの芳香が口の中に広がっていく。
このワインを飲むと、いくら若いワインが好きだと言っても「ちょっと待とうかしら...」って思っちゃいますね。熟成のピークは素晴らしいのは十分に分かってるんですが、待てないので...

以上4本です。
しばらくブルゴーニュを飲まずにいると、たまに飲んだ時に感動が増しますね...
やっぱりブルゴーニュだよなあ、ってしみじみと思ってしまいます。




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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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