【ブルゴーニュ: 74】ロベール シュヴィヨン 2011年 水平テイスティング

こんにちは、HKOです。
本日もブルゴーニュ、2011年です。
今回は取り扱う生産者はニュイ サン ジョルジュ最上の生産者であるロベール シュヴィヨン。
去年はニュイ サン ジョルジュ最上のクリュであるレ サンジョルジュ、ヴォークラン、カイユの3つでしたが、レ サンジョルジュ、ヴォークランと共にプリュリエ、シェニョ、ブスローの5つのキュヴェを比較します。

【データ】
ロベールシュヴィヨンはニュイ サン ジョルジュ最上の生産者。 1977年からネゴシアンへ葡萄の販売をやめて、全てドメーヌ元詰としています。現在はドニ氏とベルトラン氏がドメーヌの運用を行っており、ニュイ サン ジョルジュの村名、一級のみ生産しています。
フラッグシップは何と言っても、レ サンジョルジュ、レ カイユ、レ ヴォークランの3兄弟。そして脇を固める様にプリュリエ、ロンシエールなど5つの一級畑を所有する、ニュイ サン ジョルジュを代表する生産者です。
収量は30-35hl/ha。カイユ、ヴォークラン、レ サンジョルジュは平均樹齢75年。カイユ80年、ヴォークランに至っては100年を超える古木を使用しています。さらに選果は畑で厳密に行い、収穫した葡萄は100%除梗。
低温浸漬は1週間、抽出はピジャージュとルモンタージュを交互に実施。キュヴェゾンは1週間から3週間と比較的長め。プルミエクリュは新樽率30%で18ヶ月の熟成を行います。
2回の澱引き後、軽く濾過して瓶詰めします。

【テイスティングコメント】
生産者: ロベール シュヴィヨン
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ レ プリュリエ 2011

WA94-96pt(2010)
外観は赤みの強いルビーで粘性は高い。
瑞々しく冷涼だが、同時に豊かな果実味がある。徐々に甘露さが前に出てくる。
瑞々しいダークチェリーやブラックベリーの様な果実味。凝縮感のある果実味の出方はヴォークランにも近いが、こちらの方が甘露さは劣るし軽やかなタッチがある。ドライハーブや紅茶、クローヴ。口に含むとミルクティーも感じられる。わずかな燻製肉や樹皮の要素。オレンジの清涼感のある要素。
柔らかで滑らかな酸。密度にやや不足感があり、水っぽさを感じる。スミレとミルクティー、ダークチェリーの余韻が残る。


生産者: ロベール シュヴィヨン
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ レ シェニョ 2011

WA91-93pt(2010)
外観は赤みの強いルビーで粘性は高い。
大柄で甘露で凝縮した果実味があるが、徐々にスミレや茎の様な華やかさも伴い始める。小ぶりのレ サンジョルジュといった感じかもしれない。
バニラやシロップ、ミルクティーのまろやかな甘みがあり、徐々に引き締まったオレンジの様な風味が現れてくる。カラメルやスミレなどの要素、熟したブラックベリーやブルーベリーの要素。クローヴやハーブ。炭焼きなど。とてもバランスが良く華やかだ。
こちらも酸とタンニンが極めて柔らかで滑らか。密度はプリュリエより高いが、こちらもやや不足感。華やかなスミレやベリーの余韻が残って行く。


生産者: ロベール シュヴィヨン
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ レ ブスロー 2011

WA91-93pt(2010)
外観は赤みの強いルビーで粘性は高い。
この中だとやや冷涼で硬質、凝縮感がある。
だが驚くことに時間経過による変化は極めて少ないようだ。
まろやかなバニラやミルクティーの要素と共に、果皮を感じさせるダークチェリーやブラックベリーの要素、ほのかなオレンジ、スミレの香り。わずかなハーブ。徐々にシナモンとシロップの様な要素。わずかに燻香。
酸とタンニンは極めて柔らかく滑らか。こちらもプリュリエと同じ印象。スミレやダークチェリーの余韻が残る。


生産者: ロベール シュヴィヨン
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ レ ヴォークラン 2011

WA94-96pt(2010)
外観は赤みの強いルビーで粘性は高い。
ミネラル感と共に閉じこもった凝縮した果実味がある。徐々に力強く、華やかな果実味に溢れている。甘露さと瑞々しさの並存。長く甘い果実味が維持されていく。プリュリエに果実の出方は近いがこちらの方がより甘露。
まろやかというより堅牢で筋肉質。
果実味はピュアで瑞々しく熟したダークチェリー、ブラックベリーの蜜の様な果実味がある。カラメルやハーブなどの要素、燻製肉、樹皮、わずかに土の様なニュアンスが感じられる。徐々にミルクティーや樽の要素が表出してくる。
十二分に柔らかいが、この中だとややタニックにも感じられる。酸は滑らか。
果皮やダークチェリーの余韻がある。ややMLFのニュアンスも。


生産者: ロベール シュヴィヨン
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ レ サンジョルジュ 2011

WA95-97pt(2010)
外観は赤みの強いルビーで粘性は高い。
シェニョに近く、バランスの取れた甘露さ、華やかさ、ミネラル感がある。
ヨーグルトやミルクティーのまろやかな香りと溢れる様な熟したダークチェリーやブラックベリーの果実の蜜があるが、そこをミネラルとスミレの香りが引き締める。果実が凝縮している。シロップやほのかなカラメル香、樹皮やわずかな土の香り、燻製肉やシナモンやクローヴの様な風味が感じられる。ヴォークランとレサンジョルジュはなかなか甘露な香りが壊れない。
やや水っぽさはあるものの、この中では最も酸もタンニンも充実している。ダークチェリーとMLFの余韻は長く続く。


【所感】
相変わらず素晴らしい仕事だと思います。
さすがはニュイ サン ジョルジュ最上の生産者、基本的にどのワインを飲んでも驚く位高級感があります。
しかしながら2010年と比べると香りはほぼ遜色無いのですが、プリュリエとブスローに関しては、密度が少し足りていない様にも感じられます。酸とタンニンも含め、端的に言うとボディでしょうか。完全に熟した...という感じはちょっとしません。
ヴォークランとレ サンジョルジュ、シェニョに関しては100%十分かというと、ちょっとだけ不足してますが、さすがのテロワールといった感じです。酸もタンニンも充実していると思います。若干のザラつきは感じますが...

さて2011年と2010年はそんな感じですが、ではクリュ別に見るとどうでしょうか。
詳細はテイスティングコメントを参照していただきながら大体の特徴を書き出してみました。

・プリュリエ(プレモープリゼ側、ポレ サンジョルジュ上部)
ヴォークランに似た瑞々しく凝縮感がある果実味。華やかや清涼感。甘露さはヴォークランに劣る。

・シェニョ(ヴォーヌロマネ側斜面中腹)
大柄で完全に熟した様な甘露なシロップよ様な果実味、バニラなどのMLF要素、オレンジの様な清涼感。プリュリエより高密度。

・ブスロー(ヴォーヌロマネ側)
冷涼なタッチのワイン。硬質で堅牢、そして果皮に起因する華やかが先行する。徐々にバニラやシロップなどのMLF要素、徐々に甘露さが現れる。

・ヴォークラン(プレモープリゼ側 プリュリエ付近、レサンジョルジュ上部)
ボディが簡単に崩れない。
筋肉質な凝縮感のある果実味。プリュリエ同様の瑞々しく果実由来の甘露さ。トースティーで樽の要素が強い。後半MLFが僅かに混じる。香りの変動は少ない。

・レ サン ジョルジュ(ニュイサンジョルジュ最南端)
MLFのまろやかさ、樽、果実味、華やかさなどの要素を全て包含。
樽香、MLF要素にシェニョの様な強烈な甘露さが高次元で同居。凝縮感、土の要素。
香りの変動は少ない。

こんな感じです。
さらに端的に言うとプリュリエは瑞々しく、シェニョは果実味に溢れ、ブスローは堅牢、ヴォークランは筋肉質で凝縮感があり、レ サンジョルジュはそれらの要素を全て包含しているといった感じです。

急勾配と標高が高く石灰質土壌のヴォークランはマスキュランで力強く筋肉質。カイユとヴォークランの合いの子の様な特徴を持つレ サンジョルジュ。レ サンジョルジュとヴォークランの印象は2010年と変わりませんし、テロワールを再現していると思います。またプリュリエのヴォークランを思わせるスタイルは、やはりシェニョやブスロ―と比べて、ヴォークランに近い位置にあるからかもしれません。
これらの3つはすべてムザン谷より南にある畑で、シェニョとブスロは北側ヴォーヌロマネ寄りの畑になっています。
この2つの畑は概ね標高は同じですが、ただ、シェニョの方が高い標高の面積が多い様にも思えます。上部は表土が薄く、、そこに若干の差異が現れているのかもしれません。
ただその理論でいうのであれば、どちらかというとシェニョの方が堅牢であるべきですが・・・日照が若干違うのでしょうかね。

以上、5種類の比較でした。
ロベールシュヴィヨンはニュイ サン ジョルジュの最高の生産者であると共に王道を行く生産者であると思います。
また保有している1級畑の数も多く価格も良心的ですので、テロワールの違いとは何か、というのを学ぶには最適の生産者であると思います。
今年も大変勉強させていただきました。






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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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