【ローヌ:15】最上クラスのシャトーヌフ デュ パプ3種類を利く

こんにちは、HKOです。
またもや間が空いてしまいまして申し訳ありません。
本日はローヌ、シャトーヌフ デュ パプの3生産者のワインです。
やはりラヤスは素晴らしい...


【データ】
ボワ ド ブルサンは現当主の祖父がピエモンテからローヌに移住した1950年代に設立されたドメーヌ。現在の責任者は3代目ジャン ポール ヴェルシノ。ピエール ユッセリオの従兄弟にあたります。保有面積は樹齢の高い葡萄が植わる27区画18 ha。生産量は55,000本。フェリックスは樹齢100年の古木が植わる土壌の異なる二つの区画を(ラヤス付近の砂質土壌、粘土+大振りの石の区画)使用。標高は100mの南向き斜面。 有機栽培で、9月に収穫を行い、収穫された葡萄は全房でコンクリートタンクで自然酵母を使い発酵。ルモンタージュは毎日短く行い、最低限の抽出を実施。醸造期間は25日。バスケットプレスでプレス。フレンチオークの古い小樽を用い22ヶ月熟成。 無濾過、無清澄で瓶詰め。

ドメーヌ ド ラ ジャナスは1973年にエメ サボンがローヌに立ち上げたドメーヌ。
現在は醸造学を学んだ息子のクリストフが指揮を取っています。畑はシャトーヌフ デュ パプに15ha、その他レジオナルに40ha保有。平均樹齢は60-100年。区画ごとに細分化して醸造、ブレンドを行います。
収穫は9月中旬~10月初旬まで順次。除梗80%程度行い、75%は大桶で熟成、残り25%は樽熟。新樽比率は40%。

シャトーラヤスは偉大なるジャック レイノーの息子、エマニュエル レイノー率いるシャトーヌフデュパプ最高の生産者。いわゆる最新のニューワールド的なシャトーヌフではなく、古典的で、かつ(アンリ ボノーの様な)独創的なワインを作っています。ポートフォリオはシャトーラヤス、そしてセカンドのピニャン、シャトー ド フォンサレットのコート デュ ローヌが瓶詰めされます。
平均樹齢はいずれも50年。わずか15hl/haという徹底した収量制限を行い、丁寧に栽培を行っています。おそらく除梗はしず、全房発酵を行っていると思われる。
近代的な醸造(ステンレスタンクや温度管理、オーク新樽使用など)を嫌い、自然のまま醸造を行っています。
シャトーラヤス、ピニャン共にセメントタンクにて発酵を行い、10年来の旧樽を使用して22ヶ月の熟成を行っています。


【テイスティングコメント】
生産者: ボワ ド ブルサン
銘柄: シャトー ヌフ デュ パプ キュヴェ デ フェリックス 2010
品種: グルナッシュ65%, ムールヴェードル、シラー、テレノワール、ミュスカルダン、ピクプール、クノワーズ、ヴァカレーズ合計35%

12000円、WA95pt
外観は濃いガーネットで粘性は強い。
ボーカステルにも似たトラディショナルなヌフ。それでいて幾分かのエレガントさが感じられる。いわゆる過熟的な作風のペゴーや自然派的なアンリボノーの様なスタイルでは無い。エレガントでスパイシーなヌフだ。
表に程よい獣香があり、野性的な印象を受ける。熟度は高く、紫スモモやプラムの熟した甘露な果実味。焼いたゴムや炭焼きの香り、黒胡椒のニュアンスやナツメグやコリアンダーなどのオリエンタルなスパイス香、ユーカリや薔薇の様な華やかさを感じる。
タンニンと酸は充実しているが、ローヌとしては比較的柔らかいタイプである。野性的な獣香とスモモなどの旨味を感じさせる果実味かある。


生産者: ドメーヌ ド ラ ジャナス
銘柄: シャトー ヌフ デュ パプ ヴィエイユヴィーニュ 2012
品種: グルナッシュ80-85%、ムールヴェードル10%、シラー10-5%

16000円、WA95-98pt
外観は小豆の様なガーネットで、粘性は高い。適度な酸味を感じさせる。
古典的なシャトーヌフ。干したプルーンやブラックベリーを思わせる凝縮した糖度が感じられる。ミルクティーやブリオッシュ、黒胡椒、徐々にアプリコットの様な酸味が現れてくる。土っぽさ、燻製肉、プーアル茶。ワッフルの様な甘さもある。わずかにハーブの要素も。
酸味もタンニンも柔らかく滑らか。それでいてしっかりとしたボディがある。ブラックベリーやミルクティーの様な甘やかでハーブの様なアロマが一体となって余韻に残る。
やや田舎的ではあるが適度な重さと凝縮感と果実味がある素晴らしいシャトーヌフ。


生産者: シャトーラヤス
銘柄: シャトー ヌフ デュ パプ レゼルヴ 2005
品種: グルナッシュ100%

約38000円、WA97pt
外観は淡いオレンジを帯びたルビー、粘性は低い。
熟成ブルゴーニュの様な旨味に満ちた香り。
程よく熟成した味わいで、タイムや濡れた土や木材の香りと共に黒胡椒や生肉、そして紫スモモや梅柴の様な果実味がある。徐々に甘みを増し、ベリーのほのかな甘みを纏う。ドライフラワーや漢方、コリアンダーなどの要素がある。わずかに燻香が感じられるが、全体的にエレガントでバランス感の良い熟成をしている。
ドライハーブ、果実の蜜やタイムの余韻が長く残る。果実味ではなく旨味の爆弾。
開いてきていつものラヤスらしい強烈なハーブやオレンジ香、強烈な甘草風味が出てきた。凄い。

【所感】
まずはボワ ド ブルサンのフェリックス。
この中だと最もトラディショナルなシャトーヌフだと思う。比較的目立つ獣香が感じられ、かつ熟度の高い果実味、スパイスの要素が感じられる。ただモダンなローヌと比べるとかなり柔らかくボディはミディアム~フルボディに感じられる。シラーの特徴が結構前に出ているかもしれない。全体を引き締めるエレガントな酸や野性的な獣香など。
こちらも古典的なシャトーヌフ、ドメーヌ ド ラ ジャナスのヌフ VV。ただ酸が際立つボワ ド ブルサンと比べると、より黒系果実味が前面に出ている。どちらかといえばこちらは干した様なドライフルーツ。加えてMLF起因の要素が前面に出ている。プーアル茶やワッフルなどの要素も。
ボワ ド ブルサン同様、洗練された近代的なシャトーヌフとは異なり、ともすれば田舎的な雑然としたヌフにも見えるが、堅実に作られたワインにある凝縮感や充実した果実味が感じられる。
最後はシャトーラヤス。
グルナッシュの可能性と多様性を感じられる一本。
ラヤス含めアンリボノーやラウル ペレスなどのどこか冷涼感を感じられるグルナッシュはまあ貴重なのですが、これが凄い好みで熟成による深みがより一層表層化している。
ラヤスのヌフは2008年と1992年を飲んでいますが、その間を埋める様な形で2005年を飲めたのは良かった。熟成の香りと若々しさが結合してどこか熟成ブルゴーニュを思わせる香りを感じさせる。
ただ根底にあるのはシングルグルナッシュの乾いた草やタイム、甘草の独特の要素。と共に熟成の濡れた土や生肉、ドライフラワーの風味。そしてスモモや梅柴の様な旨味に満ちた果実味、ベリーの甘露さ、わずかな燻香が感じられる。極めてエレガントで冷涼。


シラーも冷涼ならスパイシーで、過熟ならキャンディの様な香りを放つので、かなり熟度によって多様性が生まれる品種ではあると思うのですが、たまにエルミタージュなどにも現れる現れる獣香はなんなんでしょうね。
グルナッシュ100%だとそう言ったものはあまり無い様にも見受けられるので、多分シラーの個性なんでしょうね。
いやしかしヌフのセパージュだとシラーの特徴が意外とハッキリと出るもんですね。ローヌのこうしたスタイルはなかなか特徴があっていいと思います。



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ところで質問なんですが、かなり高価なワインを多く飲まれているようなんですが、ボトルで購入しているのですか?それとも、グラスで飲めるような場所で飲んでいるのでしょうか?
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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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