【カリフォルニア(オレゴン):24】熟成ハーラン&ベルスール、その真価を検証する。

こんにちは、HKOです。
本日はカリフォルニアのハーラン エステート、オレゴンのボーフレールです。
ハーランはまだボンドも含めて6回くらいしか飲んだことがないのですが、何回飲んでも、その素晴らしさに驚かされます。
ボンドのヴィンヤードごとの差別化。プロプライエタリーレッドの全能感。
いずれも素晴らしく感動的でした。
今回は初めて熟成を帯びたものを飲みます。

【データ】
ハーランエステートこそカリフォルニア最高峰のカルトワイナリーと言って差し支え無いでしょう。
もともとハーランエステート1種類のみのワイナリーでしたが、95年にはセカンドワインの「ザ メイデン」を、99年にはハーランの別プロジェクトであるボンドエステートから単一畑の「メルバリー」「クエラ」「セントエデン」「ヴェシーナ」「プリュリバス」そしてマルチヴィンヤードの「メイトリアーク」がリリース。それらのいずれも驚く程評価が高くワインアドヴォケイトでは5回(94,97,01,02,07)、ボンドを含めると7回(01セントエデン、07ヴェシーナ)の100点を取得しています。
もともと不動産業界に活躍していたウィリアム ハーランが1980年代半ばにオークヴィルの西に位置する標高100~180mの丘陵(裾野にはモンダヴィのト カロンがあります)を購入。ロバート レヴィを栽培責任者・醸造長に、ミシェル ロランをコンサルタントに迎え、カリフォルニア最高峰のワイナリーはスタートしました。その後高い評価を受けていきますが、99年には別プロジェクトのボンドエステートを立ち上げています。マルチブレンドのハーランに対して、ナパのテロワールを緻密に再現したシングルヴィンヤードのボンド。基本的には製法は畑に合わせて行われています。
ブドウの栽培は徹底した収量の抑制が成され、収穫はタンニンと糖度が上がりきった遅い時期に手作業で(小さいトレイに入れながら)行われています。 収穫した後、除梗(完全除梗)と手作業による3回の厳しい選果を実施。ステンレスタンクとオーク製のバリック樽を併用し、基本的に高い温度で1ヵ月以上発酵を行います。そしてフレンチオーク新樽(ミディアム ロースト)100%にて25ヶ月程度熟成。マロラクティック発酵は熟成過程で実施。清澄、濾過せずに瓶詰めする。
ハーランエステートのプロプライエタリーレッドのセパージュの比率は不明。品種はカベルネ ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ フラン、プティ ヴェルド。ヒルサイドに密集して植樹されており、土壌はフランシスカン頁岩(粉砕された岩石)。1/3が堆積土壌、2/3が火山性土壌。
全体生産量の30%はハーランエステートとして、20%はセカンドラベルのザ メイデンとしてリリースされる(残りはバルクとして売却されます)。

ボー フレールは1986年に設立されたオレゴン ウィラメット ヴァレーに拠点を置くワイナリー。初ヴィンテージは1991年り
南東、南西向きの急斜面の約30エーカーの畑を保有。砂石を含む堆積土壌。収量を極力制限、自然酵母中心で発酵。新樽比率は高め。無清澄、無濾過で瓶詰め。SO2添加は最低限に抑えられています。
ちなみにワインメーカーのマイケル エッツェルはロバート パーカーJrの義弟。
テンペランスヒルは2000年にのみリリースされた貴重なピノノワール。
ちなみにワインメーカーのマイケル エッツェルはロバート パーカーJrの義弟です。


【テイスティングコメント】
生産者: ボー フレール
銘柄: ベル スール テンペランス ヒル 2000
品種: ピノノワール100%

約10000円
外観は濃いめのルビー、粘性は高い。
比較的濃いタッチのピノノワール。
土や下草の香り、トリュフ。そしてミルクティーや熟したダークチェリー、ブラックベリーの果実味。黒オリーブ、クローヴなどのスパイスの要素。ローストした肉やシロップをかけたワッフル。わずかな消毒液。シナモンの要素もある。
土の様なクロヴージョに似た香り、熟した果実味は新世界を感じさせる。
タンニン、酸は潤沢にあり、それでいてなめらかな舌触り。土やベリーの綺麗な余韻が残って行く。


生産者: ハーラン エステート
銘柄: プロプライエタリー レッド 1993
品種: カベルネソーヴィニヨン70%、メルロー20%、カベルネフラン8%、プティヴェルト2%

WA95pt、65000円
ややオレンジを帯びた明るいガーネット、粘性は高い。
強固なハーランの輪郭が程よく解けてきている。適度な熟成香を放ちながら潤沢な果実味を維持している。
トリュフや湿ったオーク、土の香り、タバコを放ちながら、強靭なカシス、ブラックベリーの熟した果実味を放っている。リコリスやよく燻製した肉、ドライフラワーの様な香りが渾然一体となって立ち上っていく。やや焦げた様なロースト香もある。
柔らかい酸や滑らかなタンニンを球体となっており、球体が解けて旨味が立ち上がってくる。極めてスムーズで柔らかい。土や消毒液、ブラックベリーの余韻が残っていく。
クリーミー。


【所感】
生産年は異なりますが、どちらも「すごく若い!」と感じました。
ただ硬さが残って飲みにくい、という否定的な面ではなく、若々しい果実味を残しながら綺麗に角が取れている、という印象。
ボーフレールに関しては比較的濃いスタイルのカリフォルニアピノノワールといった風体。僅かに熟成の香りを纏いながら、あくまで主体はミルクティーや熟したダークチェリーやブラックベリーの様な果実味が感じられる。クローヴやスパイスなどの要素もあり、極端に果実味が際立ったクロ ヴージョといった感じ。酸もタンニンも潤沢にあり、まだまだ熟成しそうな感じです。
エキス感や強烈な旨味が表出するまで至っていないので、もう少し熟成を待っても良いかもしれません。角は取れています。
次にハーランエステートのプロプライエタリーレッド1993。
リリースしたてのハーランは極めて堅牢で、その爆発的な果実味を鋼の鎧で覆い隠すが如きタンニンや樽、抽出の要素があります。
さながらシャトーラトゥールの様な堅固さ。
ただ熟成を経て鋼の鎧はシルクに、熟成によって彩を纏いながら、なお若々しく豊満な体躯を保っています。しかも数年で朽ちるとは全くもって思えない。悠久を超えてその姿を保ちそうな気すらしてくる。
約21年の熟成を経ていることとなりますが、この若々しさは一体なんだっていうんだろうか。
濡れた土や木材、タバコ、ドライフラワーの要素と残留する果実味と燻香が渾然一体となって立ち上がり、球体のタンニンと酸が口の中を滑り抜けていく。神懸かり的な熟成カベルネだと思う。
こちらもボーフレール同様にまだまだ熟成する余地を残しており、現在は若い状態での飲み頃と言えると思う。本懐はあと20年くらいは続くのではないかと思う。

いやー、熟成ハーラン凄かった...圧巻という他ないですね。ボーフレールもよかったです。


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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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