【シャンパーニュ:35】熟成アランロベールとRDが織り成す清風明月な情景

こんにちは、HKOです。
本日はシャンパーニュ3種類です。何と言っても目玉はアラン ロベールのル メニル レゼルヴ1986、そしてボランジェのRD1996。RDはもう少し寝かせても美味しいんじゃないかと思いましたか、アランロベールはもう素晴らしいの一言です。同じく1988年のものを以前飲みましたが、若干若々しい印象を受けたそれと比べて、この1986年はヴィンテージの差はあれど、かなり円熟した印象を受けます。


【データ】
メゾン ミシェル ジャックは三ツ星レストラン「ラ コート サン ジャック」のオーナーであるミシェル ローランが作るシャンパーニュ。実際の醸造、栽培はシャンパーニュメゾン ジャニソンの醸造責任者であるエマニュエル ジャニソン氏の手によるもの。
栽培はリュット レゾネによって行われ、自社畑比率は約50%使用。残りの50%についてもぶどう買いを行い、圧搾済みや発酵済みのものを購入するわけではありません。ピノノワールはブージィ、ヴェルズネイ、マイィ。シャルドネはヴェルズネイ、メニル シュール オジェ。特級格付100%。熟成は最低24ヶ月以上。

ボランジェは1829年にジャック ボランジェによって設立されたメゾン。1884年からは英国ロイヤルワラントを取得しています。シェフ ド カーヴはマシュー カウフマン。フラッグシップはグランダネ、R.D、そしてヴィエイユヴィーニュフランセーズ。
葡萄は160haの自社畑から供給。最低で60%のピノ ノワールのうち2/3が自社の畑から。アイ村が中心であり、85%がグランクリュ。
グランダネは特級畑のアイ、ブジー、グラマン、オジェ、ルーヴォワ、一級畑のマレイユ シュール アイ、キュイの葡萄を使用しており、収穫された葡萄はオーク樽で一次発酵(MLFも行う)後、コルク栓をしてカーヴで最低でも8年間熟成させます。ドザージュは3~4g/L。

アラン ロベールはメニルに拠点を置いていたレコルタンマニピュラン。
そのクオリティの高さと生産本数の少なさ(受注生産)、反比例する需要の多さ、そして現在は生産していないことから幻の生産者と呼ばれています。現在は後継者に恵まれず、自身のル メニルはルイ ロデレールとクリュッグ(クロ デ メニル)に売却済。
17世紀から400年近く自社の畑のみでシャンパーニュを生産し、市場に出たシャンパーニュはすべて併せて11万本ほど。
グランクリュのル メニルの平均樹齢30年のシャルドネ100%を使用し、伝統的な生産手法によって生産されています。完熟した葡萄を手摘みで収穫し、ヴァン ド キュヴェのみ使用。
大樽(デュミミュイ)にて一次発酵を行った後、ボトル キャップで栓をした瓶で二次発酵。デゴルジュマンまで、ワインは澱の上に寝かせられます。デゴルジュ後も長期熟成による安定化を行い出荷します。
フラッグシップは黄金のラベルが輝く、ル メニル トラディション。


【テイスティングコメント】
生産者: ミッシェル ジャック(ジャニソン)
銘柄: グランクリュ ブリュット NV

6000円
外観は中庸なストローイエローで、泡は力強く立ち上る。ピノノワールの充実した旨味や力強さを包含しながら、クリスピーさやクリーミーさも併せ持っている。
カマンベールやブリオッシュの風味とともにライチや青リンゴの様な酸味と甘みが入り混じった様な風味、バターやカシューナッツ、フレッシュハーブ、チーズの様な香りが感じられる。
主だって見られるのは果実本来の旨味とマロラクティック発酵による要素が前面に見られる。甘露さというより旨味主体。ピノノワールらしい作風。
酸は豊かでシナモンやすりおろしたリンゴの様な甘みとスパイスの余韻が残る。


生産者: ボランジェ
銘柄: RD 1996

32000円、WA96pt
外観は濃いめのストローイエロー、粘性は高い。
甘露なシロップの果実味が主体的ながら、複雑味に溢れ、分厚い旨味が見え隠れしている。
熟した赤リンゴやライチの様な果実味、フレッシュハーブの様な香り。樽やミネラルに起因するナッツの様なオイリーな風味。バターやチーズの様なマロラクティック発酵起因の要素。キノコなどの熟成起因の香りも。複雑でありながら繊細。徐々にカリンやチーズ、ハーブの様な香りが主体的に。
旨味がしっかりとあり、厚みと共に丸みと柔らかさがある。
口に含んだ際に繊細な酸があり、リンゴの様な果実味とチーズの風味が広がっていく。初動としては突出しているが厚みには関してはアランロベールには一歩劣る。


生産者: アランロベール
銘柄: ル メニル レゼルヴ 1986

-----円、WA93pt(1973)
やや濃いめのストローイエロー、粘性は中庸。
石灰を砕いた様な強烈なミネラル感、白い花の香りが主体的。そして木材、ローストナッツ、エシレバター、ドライハーブの風味。そして共にリンゴ、カリン、ネクタリンの様な充実した旨味のある果実味、綺麗な出汁の様な味わいがある。カマンベールの様な風味も感じられる。香りの密度が非常に高く、ブランドブランとしては格別に重い。ただ極めて複雑でオイルのような重いミネラル感ではなく、華やかさを伴う石灰粉のよう拡散するようなミネラル感がある。
口に含むとアセロラを口に含んだような強烈な旨味と共に細やかで繊細な泡が感じられる。ナッツと共にレモンやグレープフルーツの要素。綺麗な味わいが感じられる。


【所感】
まずはミシェル ジャック グランクリュ。
価格的には非常に良い出来だと思います。ノンヴィンテージですが、リザーブワイン的な味わいは控えめで基本的にはフレッシュな味わいを感じることができます。メニル シュール オジェらしい目の細かい酸とミネラル感、さらにピノノワールの旨味がしっかりと併合されている。マロラクティック発酵と樽の要素がはっきりと感じられ、果実味と結合し、クリスピーな味わいに昇華されている。
香りに甘みはあるが、あくまで旨味ベースの味わいになっています。これで5000円台なら上々でしょうね。
次にRD。
ファーストノートは甘い果実の香りが大きく芳香するのですが、徐々にハーブやカリン、チーズの様な複雑な香りに変化していく。ややオイリーなニュアンスが感じられ、キノコなどの熟成起因の風味が強く芳香する。グランダネが新世界的なシャルドネを思わせるボリューム感のある果実味が前面に感じられるのに対して、より熟成によって複雑な要素が前面に出ている形になっている。果実のボリューム感はグランダネほどはないものの、旨味が綺麗に表出していると思う。
繊細な酸味と丸みがあり、舌触りも滑らかだ。
もう少し熟成して変化したものも見てみたい。まだ熟成過程だと思う。ただ1998よりは断然円熟していると思う。
最後にアランロベール。
これがものすごいブラン ド ブラン。若さ漲る1988と比較すると円熟はしているものの、引き締まったミネラル感は未だ健在だし、木材や花の香りはより力強く表出していると思う。
このアランロベールのワインのすごいところって、ミネラル感が強すぎると、かなりシャープな印象になったり、MLFと結びついてかなりオイリーな印象を受けたりするんですが、このミネラル感を華やかな要素として表している部分です。それこそ石を砕いた様なミネラル感が、樽や熟成起因の要素と綺麗な旨味溢れる果実味と一塊になって立ち上がる。クリスピーで出汁風味。そしてほのかな甘みを感じる香り。
口に含むと格別に重く凝縮感のある旨味が炸裂する。香りの華やかさと裏腹にギュッと詰まったフルーツを感じさせる。素晴らしい。

以上シャンパーニュ3本。
もう圧倒的にRDとアランロベールが素晴らしいのは、まあ当たり前なんですが、ミシェルジャックのシャンパーニュがグランクリュなのにそこまで高くないし、美味しかったです。成城石井で買えるので是非どうぞー。


クリュッグ クロ デュ メニル [1996]

クリュッグ クロ デュ メニル [1996]
価格:141,700円(税込、送料別)


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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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