【オーストラリア:8】最上シラーズの求心力、グランジとカレスケのシラーズを利く

こんにちは、HKOです。
やっぱりオーストラリアのシラーズはいいすね。
濃いスタイルに好き嫌いはあるでしょうが、このキャッチーさはカベルネやピノには出ない魅力だと思います。
今回はオーストラリアシラーズの最高峰グランジと、カレスケのグリーノックシラーズです。

【データ】
ペンフォールドは1844年に南オーストラリア州に設立されたワイナリー。現在は年間1400万ケースを生産する超巨大ワイナリー。大量生産のその一方でグランジというオーストラリアを代表するプレミアムワインも産出しています。設立当初こそ酒精強化ワイン造っていましたが(今でもグランド ファーザーという名前で売っています、日本未発売。グアムでは売ってましたね。)
1950年に当時の醸造長がボルドーを訪れてから、現在のスタイルに方向転換しています。
代表的な畑はカリムナヴィンヤード、グランジが産出されるクヌンガヒルヴィンヤードなど。
今回のグランジは様々な畑で作られるシラー、カベルネソーヴィニヨンをポジティブセレクションしたもの。個々の状況を見ながらブレンド、100%新樽のアメリカンオーク樽を18ヶ月間熟成。

カレスケは1853年からグリーノック地区でワインを作り続けている生産者。大きく飛躍したのは7代目トロイが醸造家となってからで、醸造学校を卒業後、ケンダルジャクソンなどで醸造経験を積み、現在の高い評価を得るに至っている。ちなみにトロイの母親ロレーヌは手摘みの速さを表彰されている。現場経験豊かなヴィニュロン。
グリーノックシラーズはバイオダイナミック農法で栽培され、手摘みで収穫されたぶどうで作られる。プレスはバスケットプレス。樽熟成はアメリカンオークとフレンチオークの新樽と古樽。約22ヶ月間熟成。
フラッグシップはヨハンゲオーク シラーズ。今回のグリーノックはミドル~ハイレンジのキュヴェとなります。

【テイスティングコメント】
生産者: カレスケ
銘柄: グリーノック シラーズ 2003
品種: シラーズ100%

20000円、WA96-100pt
外観は濃いガーネット、粘性は高い。
むせかえる様な濃厚なシラーの香り。
極限まで糖度が上がったブラックベリーやプルーン、それをシロップに漬け込んだかの様な分厚い果実味がある。その奥に黒胡椒や黒糖の様な焦げた要素が感じられる。ドライフルーツ入りのパウンドケーキの様だ。そして溶剤や燻製肉の風味、ラベンダーや漢方などの風味、ベーコンなどの要素。
酸もタンニンも極めて若々しく充実しており、ねっとりとした重量感のある果実味と分厚いボディを感じることが出来る。いわゆるバロッサバレーのフラッグシップクラスのシラー。まるで熟成をしていないかのように若々しい。


生産者: ペンフォールズ
銘柄: グランジ 2001
品種: シラーズ87%、カベルネソーヴィニヨン13%

54000円、WA98pt
外観は赤みの強い濃いガーネットで、粘性は高い。
まだ若々しい色合いを残している。
ナツメグなどの各種のスパイスが入り混じった様なソースの様な香り、その中にプルーンやブラックベリーの煮詰めた様な果実味、生肉などの野性味がある風味に加えドライフラワー、リコリスやユーカリ、タバコや焦げた杉。オイリーな粘土の風味もある。
徐々に本来の果実味を取り戻していく。スパイスを帯びながら煮詰めた甘い果実味がより強くなっていくのを感じられる。
タンニンは未だ力強く、酸も充実している。
鉛筆の芯の要素が支配的だった余韻に、時間が経過するにつれて黒い果実味とスパイスを残していく。
素晴らしいシラーズだと思う。ボディの厚さも流石。


【所感】
やっぱりオーストラリアのシラーズはいいですねー。
繊細なピノノワールを作る一方で、極めてアルコール度数の高い特濃シラーズを作れる、オーストラリアの度量の深さは素晴らしい。
さて今回は主役級のシラーズ2本ですが、まずはグランジから。2001年という事でしっかりとした熟成感を感じる事が出来ます。生肉やドライフラワー、スパイスを思わせる熟成感の中でも、まだまだ若々しさを失っておらず煮詰めたような果実味や焦げた杉の様な樽の要素がしっかりと残っています。ボディも厚く、まだまだ熟成の余地は十二分に残っています。
当初、やや酸化のニュアンスがあったのですが、みるみるうちに復活していくその様を見る限りだと、かなり強靭なワインなんじゃないかと。少なくとも1990でも若さを感じた事から、あと20年は美味しい時期が続くのではないかと。
次にカレスケのグリーノック シラーズですが、これが11年の熟成を経ているのにも関わらず、リリースしたての様な剥き出しの濃厚シラーズにまずは面食らう。
シロップ漬けにした様なプルーンやブラックベリーの様な果実味と、黒糖、黒胡椒。シラー本来の個性を思わせる果皮の煌びやかな香りが感じられます。
何に似ているのか、といえばヌーンシラーズやランリグの様なスタイル。故にオーストラリアの最高クラスのシラーズと言った感じです。
素晴らしいワインですが、オーストラリアの枠を超えたワインではないと思います。ギガル、シャーヴ、クリス リングランド、シン クア ノンの域には到達していない印象。価格としては妥当ですし、まあ好みの問題なので、なんとも言えないんですがね。
ただ一握りの最上シラーズに含まれる事は間違いないんじゃないかと。

以上。



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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