【ボルドー:19】サンテミリオン第一特別級3シャトーを利く

こんにちは、HKOです。
大変久々の更新でございますね、正味10日くらいでしょうか。久々に嫌な感じの風邪をひいて約5日間程度寝込みっぱなしで全く更新が出来てませんでした。
しかも冷蔵庫には抜栓したばかりのスタッグスリープワインセラーズのソーヴィニヨンブランが放置された状態で...切ない!
さて、久々の更新はボルドー左岸サンテミリオンです。

【データ】
シャトー ベレール モナンジュはムエックス社がサンテミリオンに所有する第一特別級Bのシャトー。2007年まではシャトーベレールとして別所有者だったが、ムエックス社が所有して以降劇的に品質を改善している。サンテミリオンの最も高い丘に存在する畑を所有し、数年でオーゾンヌを超えるとムエックス社は豪語しているそうです。収量は39hl/ha。収穫は全量手摘みで行われ、
除梗前後2回選定が行われる。自然酵母を使用し、ステンレスタンクでアルコール発酵。新樽比率60%18ヶ月熟成。無濾過で瓶詰めされる。

シャトートロロンモンドはクリスティーヌ ヴァレットが所有するサンテミリオン第一特別級Bのシャトー。元々は第一特別級でしたが、1980年代にミシェルローランが招聘されてから飛躍的にその品質を向上させた2006年の格付け見直しに伴い第一特別級Bに昇格しています。
平均樹齢は50年、収量は35hl/ha。
マセレーションおよびアルコール発酵は小容器ステンレスタンクにて4~5週間、新樽比率70%で12~24ヶ月の熟成、無濾過で瓶詰め。またセカンドワインを導入し、より品質に磨きをかけている。

シャトーオーゾンヌはサンテミリオンにおいてシュヴァルブラン(現在はそれにパヴィとアンジェリュスが加わる)に並び最上位とされる第一特別級Aに位置するシャトー。現在はヴォーティエ家が所有しています。メドックの5大シャトー、ペトリュスやディケム、その他のサンテミリオン第一特別級Aと比較して最も生産量が少ないシャトーで、生産量は僅か2万本程度。 保有畑はラ ガフリエールとパヴィに隣接する平均樹齢50年程度の7ha(粘土と砂で構成)。収量は35hl/ha。低収量に抑え葡萄が完熟するまで待ち、すべて手摘みで収穫。畑と除梗後の2回選果。アルコール発酵は木製タンクで実施。ルモンタージュは軽めに行う。
マロラクティック発酵を行いながら、新樽比率100%で19ケ月から23ケ月熟成。無濾過で瓶詰めする。


【テイスティングコメント】
生産者、銘柄: シャトー ベレール モナンジュ 2011
品種: メルロー60%、カベルネフラン40%

14000円、WA88-90pt
比較的明るめのボルドーガーネット、粘性は中庸。
このワインの骨格は低中域はメルローで、広域はやや若いニュアンスを持ったカベルネフランが支えている。よって目立つ要素はカベルネフランのスパイシーで青いアロマが感じられ、奥にはメルローのねっとりとした果実味が息づいている。
マロラクティックはミルク的な要素、そしてシシトウや甘草、ピーマン様の風味の奥底に、ブラックベリーやカシスの果実味、そして丸みのあるフルーツケーキの様な甘露さ。西洋杉や樹皮の香り、ベーコン、薔薇の様な要素が感じられる。
タンニン、酸は穏やかで、香りからボディは柔らかめかと想像したが意外と丸みがあり、しっかりとした厚みを持っている。鉛筆の芯やピーマンっぽい余韻とともに黒系果実が穏やかに広がる。


生産者、銘柄: シャトー トロロン モンド 1999
品種: メルロー80%、カベルネソーヴィニヨン10%、カベルネフラン10%

14000円、WA89pt
黒に近いガーネットで粘性は高い。
ボルドー的というよりはむしろ、イタリアのスーパートスカーナ的なドライフルーツの様な果実味が特徴的なメルローであると思う。
熟したブラックベリー、ドライプルーンの果実味。黒砂糖の様な甘い香りも伴う。
そして枯葉や腐葉土の熟成起因の要素と共に、モカ、タバコ、アーモンド、燻製肉の様なロースト香。そして溶剤や花のような香り。リコリス、バニラなどのハーブやスパイスの香りもほのかに感じられる。
全体的な印象としては、メルロー比率が高いからか濃厚でパワフルな果実味が際立っていた様に思える。
酸よりタンニンが目立つ。タンニンの質はわずかに目の荒さを感じさせる程度。ブラックベリーの果皮とドライフルーツの甘い余韻が感じられる。


生産者、銘柄: シャトー オーゾンヌ 1981
品種: メルロー50%、カベルネフラン50%

108000円、WA82pt
外観は橙を帯びた淡いオレンジ、粘性は中庸。
80年代前半というのもあり、かなり熟成を帯びている印象。年相応というか、飲み頃ギリギリと言ったところだろうか。
森の下草や、旨味に満ちたシイタケや生肉、鉄分などの熟成感のある香りが主体的。紫スモモや黒オリーブの様な果実味、ホタテの炭焼きやドライフラワー、獣香が感じられる。ナツメグなどのスパイシーな香りも。徐々に黒砂糖と焼いた藁の様なニュアンスも。
かなり野性味のある古酒。若々しさはほぼ感じず、円熟した複雑な要素が主軸になっている。
ただ味わいに煩雑な所はなく、幾多もの要素が整然と整理されている。
アタックは酸と共に出汁の様な旨味がジワリと広がっていく。タンニンは綺麗に抜け落ちてエキス感が残留している。スモモなどの余韻が長く続くが、余命は長くないだろうと思う。


【所感】
個性的なワインが多かったと思います。
オーゾンヌは熟成がかなり進みすぎていて元の姿が想像できないんですが、トロロンモンドなんかは結構わかりやすい。やはりサンテミリオンの妙というか、個性の違いはカベルネフランとメルローの比率でかなり変わってくる様に思えました。
トロロンモンドはメルローの比率が高く、やはり「メルローらしい」ワインになっているし、ベレール モナンジュはカベルネフラン比率がやや高く、いわゆるカベルネフランっぽいエレガントさ(青さ)がしっかり前面に出ている様な気がしますね。
熟度の高い状態ではかなり違いか出やすい品種だろうと思うので、これがかなりキモなんじゃないかと。
さて、まずはベレール モナンジュ。
飲んでいて思ったのか、ヴィンテージの特性もあるのか、カベルネフランの青さとマロラクティック発酵のアロマがかなり前面に出ている点が、やや気になりました。樽の要素は比較的穏やかで、どちらかというとエレガントでクリーンな果実味を押し出したいタイプのワインとして作っている印象を受けました。
旨味がたっぷりあり、なかなかいいワインではありますが、ヴィンテージによって一気に姿を変えてきそうなワインですね。
次、トロロンモンド。
こちらもヴィンテージとしては決して良くは無い年なのですが、メルロー比率が高いからか、意外としっかりと果実味が前に出ている印象でした。あと樽というかロースト香も結構強く感じられます。
ただ高いアルコール度数ではないので、リキュール的な丸みというか継ぎ目の無さは無くて、どちらかというとドライフルーツ的なイタリアンな熟度の高さを感じるワインだと思いました。そこに熟成起因のアロマが混じり合う様な形。
モダンな洗練されたタイプのワインというより、幾分かのイモっぽさを感じるメルローでした。
最後、オーゾンヌ。
これはちょっと熟成が進みすぎている印象を受けました。そもそもあまりヴィンテージにせよ、出来がよろしくないからか、枯れ果てる少し前といった印象で若々しさは殆ど感じませんね。まあ、そもそも若々しさを期待するワインではないのですが。最初にシュヴァルブランを飲んだ時と同じような小難しさを感じたので、これが熟成カベルネフランの難しい部分だよなーという印象でした。
個人的にはあまり好きなタイプではないと感じましたね。残念。

今回はどれもあと一押し的なボルドーが多かったです。ただこういうワインが出来るのもボルドーの機微で楽しい所ではあります。
現在の価格を考慮するとヴィンテージの機微は許容したくない所もありますが...

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価格:257,040円(税込、送料込)



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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