【ブルゴーニュ:81】除梗有無でこんなにも差が。自然派生産者2つのキュヴェを利く。

こんにちは、HKOです。
本日はブルゴーニュの中でも限りなく自然派に近い2生産者、フィリップ パカレとフランソワ フュエ(ダヴィド デュバン)です。


【データ】
自然派の生産者は数多いますが、ブルゴーニュといえばなんといってもフィリップ パカレだと思います。
マルセル ラピエールの甥で、若い頃はプリューレ ロックの醸造長を務めていた彼ですが2001年から自身のドメーヌを立ち上げて、高品質なワインを送り出しています。
生産は全てビオディナミによって行われます。農薬や除草剤、化学肥料は使用せず、除梗まで完熟した健全な果実のみを使用します。
発酵は自然酵母を使用して行われ、醸造中でのルモンタージュ、温度管理は行われません。アルコール発酵及びマロラクティック発酵は木樽(新樽比率は低めです)にて行われ、澱引きをせず熟成を行います。SO2(二酸化硫黄)は添加しません。保有している特級畑はシャンベルタン クロ ド ベーズ、リュショットシャンベルタン、エシェゾー、コルトン シャルルマーニュです。
ダヴィド デュバンは1971年に設立されたドメーヌ。

当代ダヴィドデュバンは19歳で学校を卒業後、アミオ セルヴィルやドメーヌ ラルロ、ジャイエ ジルに師事。
自社で保有していたぶどうは、もともと全量を協同組合に販売していたが、90年代に才能を見抜いたフランソワ フュエが自社畑をメタイヤージュ。その後2006年にはジャッキートルショーからも畑を譲り受け規模を拡大しています。保有している畑の樹齢は高く、村名は4区画の平均50年、1級クロソルベは樹齢50年、特級クロ ド ラ ロッシュは樹齢50年となっています。
栽培は有機栽培。収穫は粒単位厳しく選果を行いながら収穫。(よって100%除梗となる)
赤ワインはセメントタンク、白ワインはステンレスタンクで発酵。状態を見ながらピジャージュの回数などを確定。通常30%、一級と特級は50%の新樽比率で12~18ヶ月熟成を行う。その後白は軽く澱引き後無濾過で瓶詰め、赤は澱引きはほぼ行わず、瓶詰めされる。


【テイスティングコメント】
生産者: フィリップ パカレ
銘柄: シャンボール ミュジニー 2011

10000円、WA89pt(2009)
外観は僅かにくすんだ外観の透明度の高いルビー、粘性は中庸。全体的な作りとしてはどこかDRCを感じさせる様なアロマが漂う。
(赤いジャムを想起させる)瑞々しいイチゴやレッドカラント、オレンジの様な果実味、鉄釘やなめし革の様な風味が主体的に感じられる。濡れた木や土の香り、炭焼きやクローヴ、スターアニスの様な風味もある。
僅かに蜜のような甘みが感じられるがどちらかといえばエキス感のワインか。
ボディは2011年なりの厚み。決して薄くはないが香りと比較するとやや細い印象がある。酸は滑らかだがやや強めの苦味が残る。タンニンは繊細で旨味も充実しており、極めて美味いシャンボールミュジニーになっている。


生産者: フランソワ フュエ(ダヴィド デュバン)
銘柄: シャルム シャンベルタン グランクリュ 2007

20000円、WA95pt(2008)
外観は澄んだルビー、粘性は中庸。
官能的かつナチュラルな芳香を放つシャルム シャンベルタン。ダヴィド デュパンのスタイルだ。熟成の影響は大きくは感じない。
彼のヴォーヌロマネと比べると比較的黒系果実がはっきりと出ている印象。スパイシー。かつ瑞々しいイチゴやブルーベリーの果実味、オレンジの様な柑橘の香り、茎やクローヴの要素が主体となる。そして華やかななめし革。フレッシュハーブ、わずかにミルクの風味などが感じられる。
熟成によって旨味は充実。酸味もはっきりと表出している。イチゴやブルーベリーの果実味とベリー系の旨味がしっかりと出ている。


【所感】
自然派は人によって好き嫌いありますが、個人的にはこの手の瑞々しい果実をそのまま閉じ込めた様な果実味の出方は大変好みです。なので好き嫌いの激しいスタイルで自分の好みを前に押し出すのは、アンフェアだと思うのですがご容赦ください。
ダヴィド デュバン、フィリップパカレ共に素晴らしかったです。
フィリップパカレはホールバンチ独特のクローヴやスターアニス、茎の様な風味が他の要素と極めて整合性が取れていて、村名でありながらどこかDRCのワインを想起させるワインとなっています。勿論果実の集中度や凝縮感はそれには劣るものの(シャンボールミュジニーだからかもしれません)イチゴやレッドカラントのジャミーな味わいはとてもテロワールを尊重しているし、自然派ならではだなと。
逆にエシェゾーやリュショットの様な上位クラスになると濃密さと凝縮感、複雑さが前に出すぎて、またDRCとも違った感じになるんですけどね。意外と整然としているのはシャンボールかも。ワインとしての品質は明らかにグランクリュの方が上なんですが。

ダヴィド デュバンも瑞々しい果実味が主体となるのですが、こちらは100%除梗だからか、よりクリアな液体で黒系果実の果実味とオレンジ、クローヴの要素が感じられます。酸味と旨味もしっかりとあり構造としてはかなりしっかりとしていると思います。
同生産者のエシェゾー、クロ ド ラ ロッシュと大筋は近いとは思いますが、やはりこちらの方が抽出を意図的に強くしているのか、果皮の厚いぶどうができるのかわかりませんが、ジュヴレシャンベルタンらしい堅牢さが垣間見えるワインだと思いました。個人的にとても好きな生産者なので贔屓目で見てしまう部分はあるのですが。とはいえやっぱりデュバンのワインは超いいです。

どちらも自然派らしい瑞々しさを共通項としながら、除梗有無でかなりの差が見て取れます。
面白いですね。



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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