【ブルゴーニュ:83】オークセイデュレスが産み落とす奇跡の雫

こんにちは、HKOです。
本日は最高の生産者が作るオークセイデュレスです。
オークセイデュレスはムルソー、シャサーニュ、ピュリニーの白の名産地、ヴォルネイ、ポマールの赤の名産地に紛れて今ひとつ日の当たらない地味なアペラシオン。ちょっと可哀想なくらい日の目を見ないアペラシオンですが、ムルソー、ピュリニーに近いだけに実は高い品質のワインを生み出すポテンシャルを持った村であります。
それを見事に証明したのが、ルロワのドメーヌ部門であるドーヴネと、ブルゴーニュの新星バンジャマン ルルーです。


【データ】
ドメーヌ ドーヴネは、ラルー ビーズ ルロワが100%所有し生産するドメーヌです。メゾン ルロワはネゴシアン、ドメーヌ ルロワは髙島屋と分割所有していますので、ドーヴネこそがマダムの意向が最も色濃く反映されたドメーヌと言えます。それだけに値段は高く、希少性も非常に高いことで知られています。
栽培は勿論厳格なビオディナミによって行われます。除草剤、殺虫剤、合成肥料、その他科学的処置は行われておらず。伝統的な方法で瓶詰めされます。無濾過、無清張。新樽率は100%。
超低収量で木1本あたり4房、1haあたり16ヘクトリットル。不良果以外を取り除いたのみで除梗はしません。今回はオークセイデュレスの村名指定畑名付きワイン、レ クル。

バンジャマン ルルーはボルドーのコスデストゥルネルで修行し、元コント アルマンの 醸造責任者も務めたバンジャマン ルルーが立ち上げたネゴシアン。今ブルゴーニュで最も期待されているライジングスターともいうべき生産者です。ファーストリリースは2007年。ネゴシアンですが、樽での購入はせず、何度も畑に足を運び、栽培方法含め栽培農家と協力しながら作ったぶどうを独占購入し、自社で醸造を行います。大部分をビオディナミとリュット レゾネで栽培し、残りはビオロジック。フラッグシップはボンヌマールとバタールモンラッシェ。


【テイスティングコメント】
生産者: バンジャマン ルルー
銘柄: オークセイ デュレス 2011

約4000円、WA89pt(2010)
外観は淡いストローイエロー、粘性は高い。
ミネラル感がありながら、よく熟したシャルドネ。よく出来たシャサーニュモンラッシェ的。
オイリーなミネラル感と共にシロップやバニラの様な甘み。洋梨、白桃の様な果実味。モカや杏仁豆腐、フレッシュハーブや白い花のアロマ。わずかにナッツの様な樽香が感じられる。決して重苦しくなく濃厚な訳でもなく、極めて高いバランスで果実味とミネラルが両立している。
酸の滑らかさ、旨味の発露共に最高で、洋梨や熟したリンゴ、バニラなどの風味が感じられる。綺麗な厚みがあり、極めてよくできたシャルドネ。


生産者:ドメーヌ ドーヴネイ
銘柄: オークセイ デュレス レ クル 2002

約70000円、WA94pt
外観はやや濃いめのストローイエローで粘性は高い。複雑。
ムルソーペリエールにも似た圧倒的なミネラル感、堅牢さが感じられる。しかしながら奥の方に強烈な果実味が潜んでおり、クリームブリュレに発展しそうな気配がある。
オイルやローストナッツのようなミネラル感、樽の要素と共に、バニラやプリン、わずかなカラメルの要素が潜んでいる。果実のフレッシュさはあまり感じないが洋梨的な風味は感じられる。ドライハーブ、焦がしバター、白胡椒、シャンピニオンの様な要素がある。豊満な甘み、濡れた木の要素があり熟成を経ている。
時間が経つと強烈なカスタードの芳香。凄まじい。
豊かな酸とミネラルが口の中で広がる。熟した洋梨やカリン、ミネラル、バニラのような複雑な風味と甘みが広がっていく。
綺麗な厚みがあり、決して刺々しくなく目の細かいオークセイデュレスだと思う。


【所感】
熟成したドメーヌ ドーヴネが(例え格下キュヴェでも)凄まじいのは十分理解していましたし、まあ実感その通りだったんですが、個人的に驚いたのはバンジャマン ルルーですね。
今回白は初めてでしたし、なんせオークセイデュレスなので、さほど期待していなかったのですが、これがメチャクチャいいんですよ!一見ブルゴーニュなのにスクリューキャップなので「?」って感じなんですが、開けて飲んでみれば、ブルゴーニュのシャルドネの良さが全て包含された味わい。
ピュリニーやコルトンシャルルマーニュ、一部ムルソー程ではないにせよ、十分に張り詰めたミネラル感、そして2011年らしい酸があるし、蜜の様な品のある甘露さ、程よく効かせたフレンチオークのアロマ。
いずれかが突出する事なく各々の要素が均衡を保っている。
ただ一級並とか特級並、という事は決して無いです。一級特級はミネラルの含有量や醸造段階での樽の要素がそもそも違いますし、長期熟成を想定して作られているので、半端なく硬く酸が強いものが多いです。
そういう意味で言うとこのワインは先述した一級特級並みに熟成するとは思えないんですが、今飲んだ時に感じるのは「今飲む為に作られた若さを活かした最上のシャルドネ」といった感じです。
価格としては4000円という品質を考慮すると極めて安い金額で手に入るので、ものすごくオススメです。
赤も含めちょっと追っていきたいと思います。
次はドメーヌ ドーヴネ。
価格としてはバンジャマン ルルーの10倍以上の、他の生産者のモンラッシェが買えてしまう様な金額の「村名」ワインな訳ですけれども...まあ凄いですよね。
正直ムルソーナルヴォーを飲んだ時にも思いましたが、ブルゴーニュという枠組みを遥かに超えてシャルドネの合わせ鏡的な性質にこれでもかという複雑な要素と果実味を投影しています。
それこそ一般的なモンラッシェなんて話にならないくらい、オークセイデュレスでモンラッシェしている。
ラギッシュやソゼ程クリームブリュレしていませんが、ゆくゆくはそうなりそうですし、ミネラルや他の要素が緻密に編み込まれている。
これは単純にオークセイデュレスという見方をしてはならないワインなんだろうな、と思います。
強いていうなら熟成したシュヴァリエモンラッシェやムルソーペリエールと比較できる代物ではないかと。
それでも価格的には高いですが、感動に対する対価と考えると、決して不思議な価格ではないと思います。

オークセイデュレスのポテンシャルがーなんて言うつもりはハナからなかったですが、これだけ凄まじいアイテムが出てくると、オークセイデュレスを牽引する生産者がもっと居てもいいんじゃないかと思ってきますねえ。




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Re: オークセイ デュレス

こんにちは。
ドーヴネは今飲んでも十分美味しかったです。
ただ、あと2年は寝かせた方が美味しいかもしれません。

ルルーのオークセイは良かったですねー、アベイ ド モルジョも飲んでみたいです。
スクリューキャップは実はあまり苦がなく開けられました笑

Re: オークセイ デュレス

こんにちは。
ドーヴネは今飲んでも十分美味しかったです。
ただ、あと2年は寝かせた方が美味しいかもしれません。

ルルーのオークセイは良かったですねー、アベイ ド モルジョも飲んでみたいです。
スクリューキャップは実はあまり苦がなく開けられました笑

ありがとうございます

HKO様

ドーヴネィの飲み頃の件、御返答ありがとうございました。
参考にさせて頂きます。

ルルーのアベイ ド モルジョ11年、先日飲みました。
オークセイデュレスと違い初めからミネラル全開ではなく
最初は閉じていて抜栓から60分~90分後に開いてきました。
こちらも大変素晴らしかったです。以上参考までに・・

今後も記事を楽しみにしております^^
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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