【ブルゴーニュ:82】リュシアン ル モワンヌ シャルムシャンベルタン垂直テイスティング

こんにちは、HKOです。
メチャクチャ久しぶりのバーチカルテイスティングでした。ルシアン ル モワンヌのシャルムシャンベルタン、2007~2009年です。
後述しますが、意外とこれらのヴィンテージ、既に熟成感が出ています。早いのでは...とも思いましたが良く良く考えればこの時点で既に2009年でも5年ですもんね。流石に2009年はまだまだ果実味主体でしたが2008年2007年は作柄もあるのか、強い熟成感を感じる格好となりました。


【データ】
リュシアン ル モワンヌは、1999年に立ち上げられた名だたる1級特級のみを瓶詰めする新進気鋭のネゴシアンです。
年間生産量は100樽以下。発酵後のワインを買い付けて瓶詰めするが、このネゴシアンの最も卓抜したところは、優れた生産者を見抜く力と、購入したバルクワインに適した樽を仕付けるセンス。
購入したワインは(当然バルクで買ったワインなので)徐梗されているもの、されていないものにバラツキがあるが、そのスタイルにあわせてシャサン社と連携を取りながら100%新樽で熟成、マロラクティック発酵を行っていく。
その評価はかなりのもので、もともとのワインの品質の良さと樽熟成の巧みさが非常に高く評価されています。
フラッグシップは白はモンラッシェ、赤はシャンベルタン クロ ド ベーズ。


【テイスティングコメント】
生産者: リュシアン ル モワンヌ
銘柄: シャルム シャンベルタン グランクリュ 2007

20000円、WA92-93pt
外観はやや淡いルビーで粘性は高い。
この中では順当に最も熟成感が感じられる。
香りにしっかりとしたボディが存在するが、確かに熟成起因の燻製肉や鉄分、紅茶や枯葉の要素が主体的に感じられる。梅しばやプラムの旨味を感じさせる果実味、炭焼きのロースト香、ナツメグなどのスパイス香、アーモンドなどの要素が感じられる。
熟成はしているものの、ボディに衰えはさほど感じず、厚みがある。
旨味が潤沢にあり、クローヴ、梅しばやプラムの果実味がしっかりと感じられる。酸味、タンニンはまだ潤沢に残っており、まだ熟成する。余韻も長い。


生産者: リュシアン ル モワンヌ
銘柄: シャルム シャンベルタン グランクリュ 2008

20000円、WA93-94pt
外観はやや淡いルビーで粘性は高い。
こちらもやや熟成感が強めに感じられるが、より果実味的な部分が表面に出ている。梅しばや果皮の厚いブルーベリー、ダークチェリーの様な果実味、それと共存するように燻製肉や血の香りも感じることができる。若い樹皮、ドライフラワー、ナツメグやアーモンド、トマトの様な風味もあり、スパイシーかつやや青さを感じる作り。樽の風味はやや控えめかもしれない。
酸とタンニンは豊かだが、2007年と比べるとやや余韻が短いように感じられる。旨味が主体ではあるが、その分どこか果実の甘みが感じられる。


生産者: リュシアン ル モワンヌ
銘柄: シャルム シャンベルタン グランクリュ 2009

20000円、WA93-96pt
外観は赤みの強いルビーで粘性は高い。
比較的若々しいが、少し熟成感がある。
コーヒーや黒砂糖などのトースティーさと果実の甘さを兼ね備えた上で、熟したダークチェリーの風味と鉄分となめし革の要素を感じることができる。黒土や燻製肉、紅茶やアーモンドなどのやや乾いた、焼いた様な風味がある。奥の方に果皮のニュアンスが感じられる。この中では最も強く熟した果実と樽のニュアンスを含有しており、ルモワンヌ的であると思う。
酸味、タンニン共に充実している。余韻も長いが、2007、2008年と比べると旨味の表出にかんしてはまだ控えめに感じられる。ベリー系とアーモンドの余韻。わずかに苦味が残る。


【所感】
結構ハッキリと作柄と熟成工程が見てとれた比較となりました。ネゴスにも関わらず(樽以外にも)一貫した特徴があり、熟成や作柄がとても良くわかりました。
まず2009年。2000年代の中でも突出したグレートヴィンテージであるこの年のシャルムシャンベルタンは僅かに熟成のニュアンスを漂わせながら、典型的なルシアン ル モワンヌのスタイルが維持されている。
強い樽香と豊かな果実味が分離しており、各々で強い主張をしている。旨味が僅かに表出しているが、極めて若々しい印象を受ける。
それから見ると2008年は熟成年数以上に熟成が進んでいるように感じる。やや青さを残しながら、熟成香と旨味の表出がメインになっている。燻製肉や鉄分、梅しばの要素に黒系果皮の要素とドライフラワー、トマトの要素がある。この段階では原料起因の香りや味わいを残すものの、熟成はかなり進んでいる印象です。
やや線の細さを感じるのも、果実味が落ち着いてしまった事が原因かもしれません。
2007年はより熟成が進んでいます。
樽と果実味が完全に融合し、旨味と熟成香が主体となっています。しかしながらタンニンと酸がまだ十分すぎる程残っているため、ボディ的には厚く、まだまだ熟成の余地を残している様に思えます。
円熟した熟成香が魅力的で、強い鉄分や梅しばの様な香り、ナツメグなどのスパイシーな香りが厚みのあるボディとともに迫ってくる。
若いルシアンのワインと比べるとかなり大きな差分があり、樽や果実味がもともとは存在していた、という事があまりわかりませんでした。
後味に残る苦味がローストの証跡にも感じますが、基本的には熟成途上のピノノワールといった感じです。
まだ熟成しますが、熟成した香りが好きな人には十分に楽しめる状態になっていると思います。
逆に若々しい状態が好みの人にはあまりオススメ出来ません。

今回最も驚いたのが、熟成によって、あの特徴的なルシアン ル モワンヌのワインが大きく変貌するという事です。飲んだことのある人なら、あのコーヒーの様なロースト香、シロップや黒糖を感じさせる甘露さは、ともすればオーベールの様なカリフォルニアのピノノワールを想起させますが、熟成によって一気にブルゴーニュ寄りになっていく様な気がしました。
いや、カリフォルニアもそういう熟成なのかもしれませんが、少なくともらしさはハッキリと感じましたね。
たまにエレガント派()の人達に色々言われたりする生産者ではありますが、リッチさやロースト香だけではなく、しっかりとテロワールとヴィンテージの機微を出せるネゴシアンだと思いますので、もっとみんな飲もう!?




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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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