【トスカーナ:9】ボルドー品種とのセパージュによるサンジョベーゼの変化

こんにちは、HKOです。
本日はトスカーナのサンジョベーゼ主体のワインです。しかしこのサンジョベーゼという品種、100%のセパージュで飲むと色の濃い鉄分の強いピノノワールといった風合いなのですが、生産者や他の品種が紛れ込んだ時にかなり違った様相をみせてきます。
今回のシナッラにせよ、ティニャネロにせよ、いわゆる単一サンジョベーゼと印象を全く違にするワインを作っていると感じました。

【データ】
アンティノリは1385年よりワインビジネスに関わる名門でイタリア全土に10以上のワイナリーを所有しており、キャンティクラシコの中心にあるテヌータティニャネロはその中でもフラッグシップのワインを生み出しています。その中でもサッシカイアのジャコモ タキスが手掛けるティニャネロはサンジョベーゼを主体としたスーパータスカンとして位置付けられています。ティニャネロが作り出される土壌は標高340~400ha。昼夜の寒暖の差がハッキリある急斜地帯。作付面積は57ha。収穫、グリーンハーヴェストすべて人の手作業によって行われます。またアルベレーゼシステムという土壌の構成自体を変える手法を取り水捌けの改善も行っています。2008年には最新鋭の醸造施設が完成。区画毎に醸造を進めています。
収穫後は手作業で選果。稼働式圧搾機で2階部分から絞った果汁をタンクに移動、発酵が進められます。
フレンチオークやハンガリアンオーク小樽で16~18カ月熟成。最上のキュヴェだけが選定されブレンド。瓶熟成を経てリリースされます。

ファットリア ディ マリアーノはサッシカイアのジャコモ・タキス氏がコンサルタントを務めるワイナリー。ボルゲリ地区からさらに南にあるスカンサーノ地区に拠点を置き、初リリースは2001年となっている。


【テイスティングコメント】
生産者: ファットリア デ マリアーノ
銘柄: シナッラ 2010
品種: サンジョベーゼ、メルロー

約1900円、WA92pt
外観は濃いが透明度が高いガーネット、粘性は高い。
非常に果実味が強くドライレーズンなどの乾いた果実や黒糖、クローヴ、リコリスなどの風味が感じられる。溶剤や土、炭焼きなどの風味。生肉などの風味。
ネロターヴォラにも似た果実味があり、非常にイタリア的。甘いタンニンと豊かな酸があり、ドライフルーツの余韻が残る。イタリアの中でも濃い部類に入るサンジョベーゼだと思う。


生産者: アンティノリ
銘柄: ティニャネロ 2011
品種: サンジョベーゼ80%、カベルネソーヴィニヨン15%、カベルネフラン5%

12000円、WA94pt(2010)
フランとカベルネが含まれているせいか、どこかボルドーのワインの様にも思えるが、遥かに酸が豊かにあり、独特の鉄っぽさが強く感じられる。ボルドー的な醸造手法によって作られたサンジョベーゼって感じだ。
熟したブラックベリーやカシスの豊かな果実味、なめし革や鉄分を感じる果皮の要素、スミレなどの要素が主体的。そこから追う様にタバコなどのスモーキーな要素、若い樹皮やリコリス、ローリエ。わずかに黒糖の様な風味が感じられる。カベルネの果実味を持ちながらサンジョベーゼらしい鉄分からくる華やかさが突出している。
酸は刺々しくなく、それでいてしっかりと存在しており、甘い滑らかなタンニンが感じられる。ブラックベリーや鉄分の余韻を感じられる。なかなかいい。


【所感】
まずはファットリア ディ マリアーノのシナッラ。
よく出来たネロターヴォラの様な濃い味わいのサンジョベーゼ&メルロー。ドライフルーツの濃厚な果実味があり、そこにハーブや炭焼きの風味が乗ってくる。
いわゆるイタリア的な濃厚なスタイルで、高いアルコール度数に裏付けられたタイプの濃さではありません。より果実の熟度に寄ったタイプのワインだと感じました。価格としては1000円台なのですが、その割には大変よく出来ていると思いました。高級なタイプの味わいではないんですが、テーブルワインとしてとても優れていると感じました。
次にティニャネロ。ソライアが濃いめのワインだったので、サンジョベーゼが含まれたティニャネロはより繊細な作りかと思いましたが、全然そんな事無かったです。熟度の高いブラックベリーやカシスの果実味。比率でいうとサンジョベーゼが8割を占めるので、サンジョベーゼらしさが前に出そうなもんですが、カベルネソーヴィニヨンやカベルネフランの個性が強いのか、カベルネ種の香りが結構前に出ています。ただ含有する酸の多さや舌触り、香りに含まれる鉄分の要素は明らかにサンジョベーゼのそれ。よってカベルネらしい果実味やハーブの香りと共に、引き締まったようなシャープな華やかさも合わせて含有しています。
高いレベルでサンジョベーゼとカベルネ種の特徴が反映されたワインだと思いました。


アンティノリ・ティニャネロ 2010

アンティノリ・ティニャネロ 2010
価格:11,232円(税込、送料別)




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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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