【ブルゴーニュ:86】様々な生産者のムルソーペリエール。

こんにちは、HKOです。
いよいよ年末ですね。
なかなかオンスケジュールで行ってない部分があり、年内にいつものランキングでちゃんと締められるか結構微妙なところですが、今年も書いて行きたいと思います。

その前にムルソーペリエール3種類のテイスティングレポートです。


【データ】
シャトー ド ピュリニー モンラッシェは17世紀に建てられた城館で、ナポレオン帝政期には当時ボーヌ市長が所有。1950年代から栽培~醸造を開始し名声を築いた。2012年よりドメーヌ ド モンティーユが所有し、長男エティエンヌが最高責任者として指揮をとっています。2002年にはビオディナミを導入。熟成の際には新樽をほとんど使用せず600リットル樽と大きな樽を用います。

ドメーヌ ミシュロはムルソーに拠点を置く17世紀末からブドウ栽培を生業とする老舗ドメーヌ。50年代に6代目のベルナールが元積めを開始。現在の当主はサントネイ出身の娘婿ジャン・フラン ソワ・メストル氏。
樽をふんだんに使う事で当時のムルソーの名声を取り戻したベルナールの手法から、より本来のテロワールに即したワイン造りへ変貌を遂げています。
収穫したぶどうは空圧式圧搾機でプレス。低温で6~12時間程度前清澄を実施。樽にて発酵。新樽比率は15%。中樽で10~12ヶ月、ステンレスタンクで4~6ヶ月熟成。時間をかけてゆっくりとマロラクティック発酵を実施。シュールリー状態で熟成。バドナージュの回数は減らしている。

グランクリュコレクター、ジャックプリウール。18世紀に設立された老舗ドメーヌですが、この生産者のラインナップがびっくりするほど凄い。特級、特級格の一級だけ見ても、赤はシャンベルタン、ミュジニー、クロ ヴージョ、エシェゾー、コルトン。白はモンラッシェ、コルトンシャルルマーニュ、ムルソーペリエールと格村々の最も偉大な特級畑を大量に所有しています。過去はそんな素晴らしい畑を持ちながらもパッとしないワインを作っていた様ですが、1988年より運営会社が変わりナディーヌ ギュブランが参画してから劇的にその品質は向上しています。97年にはベストワインメーカー オブ ジ イヤーを獲得。今回のペリエールはビオロジックにて栽培され、19ヶ月の樽熟成を経て出荷されます。


【テイスティングコメント】
生産者: シャトー ド ピュリニー モンラッシェ
銘柄: ムルソー プルミエクリュ ペリエール 2007

13000円、WA93pt
外観はストローイエロー、粘性は高い。
ドメーヌ ミシュロ同様、クリアな果実味が前面に感じられる。ただMLFはやや控えめ。ライチやカリン、マスカットの様なクリアな果実味、ハチミツやフレッシュハーブの要素が感じられる。白胡椒やリコリス、きのこの風味。もともと樽の要素もMLFの要素も少ないからか、マスカテルな味わいが感じられる。
メゾンルロワのシャサーニュ モルジョを想起。
酸味は力強く、ミネラルも豊かで、強烈な旨味が口を支配する。マスカットの様な果実味の余韻が残る。


生産者:ドメーヌ ミシュロ
銘柄: ムルソー プルミエクリュ ペリエール 2011

15000円、WA91pt(2007)
外観は明るいストローイエロー、粘性は高い。
石を舐めた様なミネラル。ナッツの様な樽の要素は強くは感じられず、バタークリームの要素と共に、ライチやカリンの様なクリアで清涼感のある果実味、土っぽさ、白胡椒、フレッシュハーブの要素が前面に感じられる。樽よりも果実味とMLFを重視している。
こちらもジャックプリウール同様、酸が控えめで丸みが感じられる、合わせて苦味も表出している。
ミネラルとクリーム、清涼感のある果実の余韻が残っていく。


生産者: ジャック プリウール
銘柄: ムルソー プルミエクリュ ペリエール 2011

23000円、WA87-89pt(2009)
外観は明るいストローイエロー、粘性は高い。
フルマロラクティック、強くローストした樽香、熟した果実味が前面に感じられる。モカやローストナッツを思わせる樽香。白い花、バニラやバタークリーム、熟した洋梨、カリンの様な果実味がある。アスパラガスやドライハーブを思わせる香りが現れる。体躯を引き締めるだけの十分なミネラルを包含しながら、やはり果実味の突出が目立つ。
酸は穏やかで、丸みを帯びており、(やや過剰にMLFをしすぎたか)少しボティに不足感がある。ローストナッツや洋梨、白い花の余韻。僅かに苦味が残る。


【所感】
まずはド モンティーユが2012年より所有しているシャトー ド ピュリニー モンラッシェ。所有は2012年ですが、2002年以降に既にエティエンヌが最高責任者に就任している為、すでにその影響下にあるムルソーペリエールかと思われます。
新樽の要素はかなり少なく、またマロラクティック発酵的な要素はあまり感じられません。
とてもクリアなワインで、そのミネラル感から上質なシャブリやメゾンルロワのシャサーニュモンラッシェ モルジョにも見えます。
醸造技術に関しては具体的に言及はないのですか、樽香やマロラクティック発酵による酸やミネラル感の減退を避けているように思います。
その意図がしっかりと口に含んだ時のパワフルな酸時の旨味に現れている。ややマスカテルな印象を感じさせるぶどう本来の香りを感じさせるペリエール。

ミシュロのペリエールは新樽の香りこそあまり感じないですが、クリアな果実味と共に表出する蜜のような要素。それに結合するマロラクティック発酵によるバターの様なアロマが豊満さを助長している。引き締めるようなミネラル、ハーブの香り。
マロラクティック発酵的な要素と果実味が骨子を形成している。そのため酸はやや減退しており、わずかな苦味と丸みを感じせる。オーク樽起因のオイリーなニュアンスはない。
どちらかというと構成する要素はコッテリしたムルソーですが、実際はそんなことなく、清涼感のある果実味なので、ニューワールド的な感じは全くないと思います。バランスが良いワインだと思いますが、反面突出した特徴のないペリエールかな、と。

最後、ジャックプリウールのペリエール。
これは最も近代的でモダンな印象を受けるペリエールだと思います。いわゆるムルソーの典型的な形を更に推し進めた形のワインだと思います。
まずマロラクティック発酵と強くロースト樽香が非常に主体的に感じられます。よってかなりまろやかでバターやナッツを感じさせる要素が多分に含まれるのですが、ミネラルが全体を引き締めている。
果実味も豊かにあり、極めて飲みやすいムルソーですが、反面、酸がやや不足しておりボティと立体感に欠ける部分があると感じました。ルシアン ル モワンヌのラベイ ド モルジョに少し似た印象です。

以上、ペリエールを比較してみましたが、やはり生産者ごとにイメージするペリエールが少し異なるからか、最終的に出来てきたペリエールはそれぞれ全く味わいが異なりますね。ペリエールというより、酒蔵の特徴が最もよく理解する事が出来る比較だと思います。

今回の生産者のものは一長一短あったのでどれが好みかというのは、まあ正直ないんですが、非常に面白い比較になったと思います。



モンラッシェ[2011]ジャック・プリウール

モンラッシェ[2011]ジャック・プリウール
価格:63,720円(税込、送料別)


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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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