【日本:9】流行のガレージを巨大資本で迎え撃つ、老舗酒造メーカーのフラッグシップワイン。

こんにちは、HKOです。
本日はクリスマスイブですね。このブログはあまりそういったイベントとは無縁なので、平常運行でいきたいと思います。
今回は国産ワインの大手メゾンの新フラッグシップ2本です。


【データ】
シャトーメルシャンは戦後から続く日本が誇る巨大酒造メーカーであるメルシャンが生み出した、ワイン造りを担当するブランド。(生産者といった方が適切かも)様々な地域に畑を保有していますが、何といっても桔梗が丘メルロー シグネチャー、城の平カベルネ、北信シャルドネの品質は国産離れしていると思います。
今回は最上のフラッグシップワインである、マリコ ヴィンヤード オムニス。長野県上田市にある自社管理畑 「椀子ヴィンヤード」から採れたボルドー品種のプロプライエタリーブレンドです。
収穫は10月下旬に行われ、ステンレスタンクにて温度管理をしながら14日間の発酵。オーク新樽96%で約18ヶ月間の熟成。生産本数はわずか1,100本。
詳細は生産者のホームページにて。

登美の丘ワイナリーとは巨大酒造メーカーサントリーの保有するワイナリー。登美赤は既に国内外で高い評価を得ていますが、今回のデュオ ダミはラフィットを所有するバロン ド ロスチャイルドとのコラボレーションワイン。登美の丘のワイナリー長 渡辺直樹氏とラフィットのテクニカルディレクターであるエリック・コレールが主軸として参画。
収穫地は山梨の甲斐市(登美の丘)の葡萄を63%、長野の塩尻市の葡萄を37%使用しています。品種はボルドー品種と日本品種のアッセンブラージュ。フレンチオークにて12ヶ月熟成。生産本数はわずか1380本。
詳細は生産者のホームページにて。


【テイスティングコメント】
生産者: シャトー メルシャン
銘柄: マリコ ヴィンヤード オムニス 2011
品種: カベルネソーヴィニヨン55%、メルロー36%、カベルネフラン9%

約13000円
外観は極めて濃い紫を帯びたガーネット、粘性は高い。デュオダミに対して、非常に堅牢なワインに感じられる。ラトゥールにも近い作りをしているワイン。
溶剤、乾いた土や西洋杉、ロースト的な炭焼き、黒系果実の果皮の香り。そしてミルクやバターの様なMLFの風味。熟したブラックベリーやカシスの風味、こちらもボディは極めてエレガントだと思う。燻製肉、タバコなど、リコリスやハーブの風味。
グリップの強いタンニンがあり、酸もアグレッシブ。
堅牢で重厚な味わいがあり、果皮や西洋杉、ブラックベリーの余韻が残る。熟成をしていく事で良くなるはずだ。


生産者: 登美ケ丘ワイナリー
銘柄: デュオ ダミ 2011
品種: メルロ56% カベルネソーヴィニヨン32%、プティヴェルド7%、マスカットベーリーA4%、ブラッククイーン0.9%、カベルネフラン0.1%

約16200円
外観は紫を帯びた淡いガーネット、粘性は高い。
非常に果実味が前に出たワイン。トースティーなイーストの要素、スミレの要素。
蜜に満ちたブラックベリー、プラムの黒系果実の風味、黒砂糖、キャンディの様な果実味。
バニラやカラメルなどの風味。小豆要素がある。ス
強烈な甘い芳香はあるが、ボディは極めてエレガントで優しい。土の様な香り、あまい砂糖菓子みたいな風味。
酸は柔らかく、タンニンもスムーズで優美な口あたり。苦味はあるものの、トーストやブラックベリーのなめらかな余韻が残る。ボディはエレガントだか味わいも香りも極めてはっきりしている。


【所感】
正直この二つのメーカーに関しては品質に関しては全く心配していなかったのですが、想像通り素晴らしかったです。
ボディ自体の密集度は高くはないのですが、香りの華やかさやリッチさはボルドーの格付けに比肩すると感じました。
まずはデュオ ダミから。ラフィット的(ポイヤック)というか、マルゴー的。ニューワールド的な熟した果実の香りと、国産の繊細なボディ。ボルドー的な醸造技術、例えば抽出や西洋杉などの樽の要素、MLFの要素が強く感じられる。メルロー比率が高く、なめらかなタンニンと熟したブラックベリーを思わせる果実味がある。 明るい印象がありポイヤックの様な堅牢さというより、サンジュリアンやマルゴーの方が印象としては近いかもしれない。
次にマリコ オムニス。これはデュオ ダミと比較すると遥かにポイヤック的だと思う。土やタバコなどの樽の強いロースト香と溶剤を思わせる抽出が、極めて堅牢なラトゥールを想起させる。
非常にタニックだが、幾分かMLFの要素が重なる。
それらの奥に凝縮した黒系果実味。完全なるヴァンドガルド。骨格は堅牢ながら、ボディはやや細身で、ポイヤックというより、ポワフィレやグラーヴ地区に見られるボディに近いと思いました。
デュオダミは登美に近い外交的な果実味があり、マリコオムニスは城の平カベルネソーヴィニヨンのラトゥールやロングヴィル バロン的な部分をより進化させた内向的なヴァンドガルドの様な風合いがあります。
各々のメーカーの技術の結晶たるワインといった感じでしょうか。熟成能力は15~20年くらいですかね。
ボディ自体はどちらもそう強くないので、グランクリュクラッセの様な長期熟成は恐らくさせないほうがいいのではないかと思います。

ただ日本のボルドー系ブレンドもすごいとこまで来ましたね....


関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR