【ブルゴーニュ: 87】アリゴテからペリエールまで一貫して卓抜したコシュデュリの技巧。

こんにちは、HKOです。
あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。
特段新年になったからといって、記事や運営を変えることはせず、いつも通りマイペースでやっていこうと思います。
では、よろしくお願いします。


【データ】
コシュ デュリはブルゴーニュ白において最高の品質を誇るドメーヌ ルフレーヴ、コントラフォンと並ぶ大スター生産者。
この生産者の最大の特徴は「ブルゴーニュ白の最高品質」と「希少性」です。まず、普通にショップを見て回ってもまず見つけられない、ネットでもプレミア価格でべらぼうな金額で無いと手に入れる事が出来ない...希少性だけだったら正直どうでもいいのですが、品質もブルゴーニュ白のトップクラス。うーん、なかなか難しいところです。
収穫は手摘み。仕立てはギュイヨと、樹勢の強い株にはコルドンを適用。また5月に重点的に芽搔きをし、収量を抑えています。収穫したぶどうはしっかりと破砕してから圧搾。12~18時間の前清澄。
小樽で4~5日発酵。 ミディアムに焼いた新樽を使用。新樽比率25%以下(フラッグシップはそれ以上) は低く(トップワイン以下は25%以下)。
アルコール発酵後、マロラクティック発酵実施。ブレンド後、シュールリー状態で樽熟。最低18ヶ月の長期熟成を行います。無濾過でボトリング。
フラッグシップはムルソーペリエールとコルトンシャルルマーニュ。


【テイスティングノート】
生産者: コシュ デュリ
銘柄: ブルゴーニュ アリゴテ 2008

外観はやや濃いめのストローイエロー、粘性は高い。
ムルソーと比べるとかなりの格落ち感がある。しかしながらクリアで堅実な作りのアリゴテだと思う。
まずアリゴテとしては石灰を感じさせる格別のミネラル感があり、果実の熟度も非常に高い。
一般的なアリゴテの酸とは無縁で、パイナップルや熟したネクタリンの様な酸とシロップの様な甘露さを並行で感じる事が出来る。フレッシュハーブやリコリスのハーブ香、バターやイーストの様な風味、ハチミツの様な風味も感じる事が出来る。
ただ一番際立つのはミネラルと果実味。
口に含むと重いが滑らかな酸と旨味、ミネラルか広がっていく。本当によくできているアリゴテ。パイナップルや旨味の本流。一切の樽の要素は感じないクリアネスがある。


生産者: コシュ デュリ
銘柄: ムルソー プルミエクリュ ペリエール 2011

外観は明るいストローイエロー、粘性は高い。
強烈なヘーゼルナッツの様な樽香と、はっきりと表出した石灰を砕いた様なミネラル、オイリーさが前面に出ている。そしてバターや凝縮した洋梨、白桃の香り。焦がしバター、フレッシュハーブの様な芳香が感じられる。キノコや白檀、白い花の要素も感じられる。
構造に立体感があり、樽、ミネラルが前面を覆い、その裏にMLFの要素や凝縮した果実味が潜む。リッチというより筋肉質で、ムルソーらしさを酸とミネラルで引き締めている。圧倒的に香り高く鮮明で華やかなペリエール。
全体を覆うミネラルとグリップ感のある強烈な酸が凝縮感を表現、マロの要素があるにも関わらず、酸がはっきりとある。オイリーかつナッツ、塩バターの様な余韻が延々と残る。時間変化もそう感じられない。


【所感】
今回は最低レンジとほぼ最高レンジの比較です。
品種が違うので厳密な比較は出来ないんですが、まあ、大分違うと思いました。
とりあえず、一旦品種はさておき、ペリエールが樽とマロラクティック発酵、果実味のニュアンスが前面に出ているのに対して、アリゴテはステンレスタンク醸造やマロラクティック発酵を抑えた様なクリアな味わいのワインとなっています。
ペリエールはムルソー(とペリエール)のテロワールに即しているし、アリゴテはピュアな味わいが再現されている。
まずペリエールはそれこそムルソー最上の畑ですから、村名と比べると格別のミネラル感と凝縮感があります。コシュデュリの上位レンジは比較的派手な醸造的な要素がありますが、生来のテロワールによる品質がこれらのバランスを成立させる屋台骨的な役割を果たしていると思います。逆にペリエール(やそれに比肩するシャルム、ジュヌヴリエール)でなければこの醸造手法で要素のバランスを維持する事は難しいかもしれません。ムルソーなのにリッチというより筋肉質。爆発しそうな果実味を酸やミネラル、醸造的要素でスタイリッシュにまとめ上げている。
様々な要素が高次元で融合し、結合しているのがこのペリエールだと思います。
全くもって緩さがない引き締まった味わいだと思います。(ミシュロよりリッチで、ジャックプリウールより引き締まっている、同時にテイスティングした全てのベリエールのなかで最も硬質。)
アリゴテは高次元の融合、統制というより、品種の特性を活かした作り方をしている印象を受けました。
まず前提として一般的にアリゴテという名前から想起される酸の荒々しさや未熟さは無く、完全に熟した果実味が感じられ、またしっかりとしたミネラルに覆われているワインです。エッジの効いたモン リュイザンも良いですが、こちらはこちらでアリゴテのポテンシャルを引き出した好例と言えるのではないでしょうか。マロラクティック発酵はされているものの、オーク樽の要素はほぼ感じられず、クリアな味わい、例えるならばシャブリグランクリュの様な風合いです。
この2本、同じ生産者なのにも関わらず、かなりカラーが異なるので、選ぶ際には少し注意が必要です。
所感ではムルソーペリエールの方がコシュデュリのスタンダードに近いかと思います。
ただ、スタイルの違いはあれどどちらも突出したブルゴーニュワインであることは間違いありません。
価格は高騰していますが、機会があれば逃したくないワインだと思います。



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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