【ブルゴーニュ:88】エマニュエル ルジェ、ヴォーヌ ロマネ クロ パラントゥー 2010

こんにちは、HKOです。
新年2発目の更新となります。エマニュエル ルジェのクロ パラントゥー 2010です。


【データ】
エマニュエル ルジェはヴォーヌロマネに拠点を置くスター生産者で最もアンリジャイエに近い生産者と言えるでしょう。ルーミエやフーリエの様に争奪戦が起こる訳ではないものの、ヴォーヌロマネ最上の生産者である事は間違いないでしょう。
ヴァンダンジュヴェールトによる収量制限、除梗は100%、コンクリートタンクでのマセラシオンには自然酵母の使用し、約1週間の低温浸漬。新樽比率は1級以上は100%で村名は50%、 無濾過、無清澄で瓶詰めされる。※栽培は完全なビオや有機農法では無いようです。
クラシックな造りですが、彼の手から作り出されるワインはエシェゾーは勿論サヴィニー レ ボーヌまで息をのむ程に素晴らしい。
フラッグシップは一級レ ボーモン、特級エシェゾー。そしてアンリジャイエから引き継いだ一級 クロ パラントゥ。


【テイスティングコメント】
生産者: エマニュエル ルジェ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ クロ パラントゥー 2010

外観は赤みの強いルビーで粘性は高い。
極めて堅牢でありながら妖艶、そして華やかなピノノワール。エシェゾーの様に果てしなく高域に伸びていくワインではなく、地に足がついた中域でその存在感を示している。
凝縮した薔薇やスミレのエキス、五香粉やオリエンタルスパイス、土を感じさせる強いロースト香、それと十分に比肩する様な煮詰めたブラックベリーやブルーベリーを思わせる果実味。樹皮やバター。ナツメグ、燻製肉などの要素を感じることかできる。
全体的にトースティーかつ強い抽出を感じるが、とにかく果実味が埋没せず全てが現段階で既にバランスが良い。(全ての要素は分離しているが)
強いタンニンと酸味があるが、共にブルゴーニュとしては突出したグリセリンがあり、非常に滑らかな風合いで、爆発するかのようなベリーとオリエンタルスパイスの旨味と甘みを感じる事が出来る。


【所感】
基本的にエマニュエル ルジェのワインで期待を裏切られた事はたとえ村名でも無いのですが、流石にクロ パラントゥはメチャクチャ凄いですね...!
まさに圧巻という他ないです。
エシェゾーがヴォーヌロマネの典型を示す華やかさとエキス感、そして樽要素が巧妙に入り混じった高域に伸び切っていくワインだとしたら、クロ パラントゥは強烈なエネルギーを孕んだ球体で中域で揺蕩うが如きワイン。
リシュブールの上部に位置し、プティモンに隣接するこのプルミエクリュはその狭さ故に標高に左右されない純度を持っている。褐色石灰土で構成された土壌。
少しうろ覚えですが、確か霧がかかる標高の上に位置していたと思います。もしそれならこの熟度は理解できます。確かにオーブリュレやプティモンの特徴と少し似ている様にも見えます。
今回のエマニュエル ルジェ クロ パラントゥ2010の一番の特徴としては、ブルゴーニュとしては際立った高アルコール度数にあると思います。
12.5~13%位に平均値があるのに対して14%。南仏やスペインのエレガントなワインくらいのアルコール度数。例えばギガルのランドンヌは13%台に収まるし、ハーランエステートは14.5%くらいで、極めて近い値。そう考えるとルジェのワインがエレガントさを纏いながら、グリセリンに満ちたボディ感とグリップの効いたタンニンがあるのは至極当然だと思います。
よってこれらのワインはボディやアタックだけ見ればブルゴーニュ離れしているといえます。
ただそれは2010で13.5%のエシェゾーも同じ事が言える訳で。ではエマニュエル ルジェのワインがブルゴーニュの最上の味わいを思わせるのは何故か。
巧みなエキス感と色素、果皮の香味成分の抽出、樽の要素ではないかと考えます。
クロ パラントゥで言えばエキス感よりボディの方が勝っていますが、フランソワフレールとタランソー独特の妖艶な樽香、煌びやかな赤い花の香り、輝きのあるムラの無いルビーカラーはまさにヴォーヌロマネのそれで、テロワールの再現とも言えます。
アルコール度数が高いソノマのピノノワールやマセドンレンジのピノノワールの多くがブルゴーニュから遠く離れた味わいを感じさせる事を考えると、やはりこのクロ パラントゥがブルゴーニュであることを強く認識させます。稀有な強いボディを持ったヴォーヌロマネであり新世界的では決してありません。
そう考えるとテロワールの表現者としてはエマニュエル ルジェは突出していると思います。
本当に最高です。やはり未来永劫追っていきたい生産者だと思います。


関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR