【ラングドック:3】恍惚の南仏、ドマ ガザックの熟成を味わう。

こんにちは、HKOです。
今回はラングドックです。
ラングドックといえば、グルナッシュ、シラー、ムールヴェードルですが、今回はあえてのボルドー品種の2本、ドメーヌ セント セシール デュ パークとマス ド ドーマス ガザックです。
マス ド ドーマス ガザックは今まで凄く気になっていたのですが、なかなか手に入らず、たまたま今回運良く飲めた格好です。


【データ】
ドメーヌ サント セシール デュ パークは19世紀から南仏べセナに拠点を置く生産者。
畑は粘土石灰質土壌の丘陵地にあり、収量35hl/ha。発酵後の熟成は半分をドゥミ・ミュイと呼ばれる300Lの樽で、残り半分をステンレスタンクで実施。清澄やフィルタリングはせずに瓶詰め。
今回のノーツ フランシェスは比較的樹齢の若いカベルネ・フランを主体にメルロをブレンドしたキュヴェ。

マス ド ドマ ガサックはラングドックに拠点を置く地域最上の生産者。オーナーはエメ ギベール。創業は1970年、初ヴィンテージは1978年。コートドールと似た地質、気候を持つ森に畑を開きました。
ヴァン ド ペイながらボルドーのクリュクラッセに匹敵するワインを生産、80%をプリムール予約で個人客へ販売、1本4000円~8000円とペイ ドックにしては破格の金額で取引される。もともと海外から火がついた生産者で、当初10年間は自国内で流通せず、全て海外で消費されていました。
ポートフォリオはメインとなる赤白からドメーヌものとは別に、ネゴシアンとしてムーラン・ド・ガサック名義で販売しているボトルもあります。
ドマ ガサックルージュはボルドー最良の苗木を使用したカベルネソーヴィニョン80%、残り20%は10を超える様々な品種を使用。フィロキセラ以前の個体を使用している。
作付面積はミクロクリマを意識した80区画50ha。
収量は25~35hl/ha。
耕作は手作業、全て手摘み。厳密に選果しタンクでアルコール発酵。キュヴェゾンは14~30日、ステンレスタンクでMLFし、小樽で12か月~18か月熟成する。新樽比率は僅か。結果12~13%alcのワインが生産される。


【テイスティングコメント】
生産者: ドメーヌ サント セシール デュ パーク
銘柄: コトー デュ ラングドック ノーツ フランシェス 2011
品種: カベルネフラン55%、メルロー45%

外観は黒に近いガーネット、粘性は高い。
1800円としては出色の出来のカベルネフラン&メルロー。一見メルロー比率が高いワインに感じられるプラムやブラックベリーなどの丸みのある完熟感溢れる果実味が感じられるが、表層にカベルネ種らしいカシスやリコリスなどの堅牢な香りが感じられる。あくまで果実味主体だが、ミルクティーなどのMLF起因の要素、西洋杉、華やかなスミレの香り、パストラミハム、小豆やピーマン、インゲンなど。過熟すぎず、適度に青さを残しているのが嬉しい。
ニューワールド的な果実味があるものの、全体的に俯瞰をすると、サンテミリオン的な雰囲気が感じ取れる。タンニンも酸もしっかりとあるが、グリップ感には若干欠ける。口の中で解け広がる苦味のあるタンニンだが、1800円でここまで出来ていれば上出来すぎるくらいだ。


生産者: マス ド ドーマス ガザック
銘柄: マス ド ドーマス ガザック ルージュ 1982
品種: カベルネソーヴィニヨン80%、その他10品種20%

約18000円、WA-pt
外観はエッジに橙を帯びた淡いガーネット、粘性は低い。かなり熟成香が主体的。果実味はこなれてはいるものの、しっかりと残留している。各要素が見事に調和しカベルネとしての熟成のピークに達していると思う。
濡れた西洋杉や森の下草、甘草、バターの風味と調和する様に、しっかりとしたドライプルーンやドライフルーツなどの果実味が感じられる。そして生肉、トリュフ、炭焼きの風味。わずかに青い風味がある。
先述した通り極めて要素ごとのバランスが良く配置されており、大元にドライフルーツの様な小慣れた果実味とともにビターチョコや木材などの熟成によるポジティブな面が強調されている。
酸味は柔らかでタンニンも滑らか。エッジの立った所はない。旨味が豊かでドライプルーンや濡れた木材の余韻が感じられる。


【所感】
今回ラングドックのボルドー品種を飲んでみて思ったのが、新世界的な作りもボルドー的な作りも両方とも対応できるような懐の深さがあるエリアだと再認識しました。
例えばサントセシールのカベルネフランはロワールやボルドーには無い重量感がありますし、ドーマス ガザックは、さながら熟成して頂点に達したレオヴィルラスカーズを思わせる味わいがあったと思います。
まずはノーツ フランシェス。
先述した通り、例えるならば品のある新世界、あるいはグレートヴィンテージのサンテミリオン。よく熟したメルローの丸みと共にカベルネフラン種のカシスなどの上質な果皮の香り、MLFと共に適度な青っぽさがあるのがいい。グランヴァンの様な緻密さや凝縮感はあまりないが、厚いボディのメルロー、カベルネフランとしては良く出来ていると思います。タニック。
これで1800円ならば安い。
次に本丸のマス ド ドマ ガザック。
全ての要素がキッチリと溶け込み、前回のロック ド カンブにカベルネソーヴィニヨン種として素晴らしい熟成のタイミングに当たった印象。ピークと言えると思う。熟成起因の下草や濡れた木材、生肉の要素と共に、綺麗に残留したバターの要素とドライフルーツの果実味が結合している。そこにビターチョコの様な要素が絡み合う。さながらレオヴィルラスカーズを思わせる味わい。
そして口に含んだ時の滑らかさ、タンニンから解き放たれた、しなやかでエキス感のあるボディ。静謐さすら感じる静かに広がる余韻。
素晴らしいワインです。すでにこの記事を書いている段階で2本頑張って調達したよ!
色めき立つレベルの素晴らしいワインです。

さて、2本。
支払うコストに対して大変パフォーマンスが良いと思います。グランヴァンはとても偉大で圧倒される様な味わいですが、実際に日常で楽しむのであれば、これくらいで十分すぎるくらいです。

特に1本目はめっけもんでした。

マ・ドゥ・ドゥマ・ガサック ルージュ[2006]

マ・ドゥ・ドゥマ・ガサック ルージュ[2006]
価格:5,580円(税込、送料別)



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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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