【ブルゴーニュ: 91】ミシェル グロ 2012年水平テイスティング

こんにちは、HKOです。
今回はヴォーヌロマネの名門グロ家の長男ミシェル グロのオートコートドニュイ、村名ヴォーヌロマネ、一級オーブリュレ、クロ デ レアです。

高等著しいブルゴーニュにおいて比較的コストパフォーマンスの良い生産者でありますので、個人的には気に入っているのですが、なかなか水平できる機会がなく、全貌を掴みかねていましたが、ようやくつかめました。


【データ】
ミシェルグロはヴォーヌロマネに居を構える超優良生産者。グロ一族の長男のドメーヌです。(一族はアンヌ、ミシェル、~ペールエフィス)
旗艦銘柄は特級クロ ヴージョ、偉大なる1級畑 クロ デ レア。個人的にも非常に気に入っているドメーヌで、比較的値段が良心的にも関わらずレジオナルなどの廉価銘柄でも非常に美味しいです。手っ取り早くブルゴーニュのエレガンスを感じたいのであればこのドメーヌでしょう。
収穫は全て手摘み、除梗後、温度管理しながらマセラシオン、前半は一日二回ルモンタージュ、後半はピジャージュ。新樽比率は平均して村名30~40%、一級50~80%、特級100%となります。


【テイスティングコメント】
生産者: ミシェル グロ
銘柄: ブルゴーニュ オート コート ド ニュイ 2012

3000円、WA85pt(2009)
外観は赤みの強いルビーで、粘性は中庸。
オートコートドニュイからして、ヴォーヌロマネかと思うような華やかな香りが感じられる。
果皮起因のスミレやオレンジ、若々しいクランベリーやラズベリーなどの赤系果実の果実味。強いなめし革の要素が感じられる。僅かな葉やクローヴなどスパイシーな要素。少しずつキャンディ香の印象に近づいてくる。ロースト香は殆ど感じられない。ローズヒップティー。
酸味ははっきりと表出、果皮の風味が強いがタンニンは穏やか。エキス感があり瑞々しいベリーの要素となめし革、黒胡椒の余韻が残る。


生産者: ミシェル グロ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ 2012

10000円、WA87-89pt(2009)
外観は赤みの強いルビーで、粘性は中庸。
瞬発的な香りの方向性としては先述のオート コート ド ニュイと近いが、よりエキス感と凝縮感、果実味がある。
熟したクランベリーやアメリカンチェリーの熟度が高いシロップの様な風味。スミレやオレンジの様な華やかなアロマ。クローヴ、コリアンダーなどのハーブ的な要素。そしてミネラル的な部分が感じられる。ブリュレほどではないが炭焼きやミルクティーを思わせる樽香が伴う。
酸味ははっきりと表出しているものの、タンニンも果皮の華やかな香りに対して穏やか、ニュイより果実の甘みとエキス感、凝縮度が感じられる。まさに熟したアメリカンチェリーといった感じ。


生産者: ミシェル グロ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ オー ブリュレ 2012

12000円、WA90-92pt(2009)
外観は赤みの強いルビーで、粘性は中庸。
村名は広域に伸びていく印象があるが、こちらはより重みがあり中域に滞留する様な華やかさがある。
しっかりとしたロースト香があり、炭焼きやミルクコーヒーの要素。それと共にオレンジやスミレ、鉄分の華やかさが表出。そして熟したダークチェリー、クランベリーの果実味を感じる。やや閉じているが豊満な甘さを感じる。クローヴやコリアンダー、シナモン、オリエンタルスパイスなどのハーブやスパイス。ムスク、ローズヒップなど。
酸味と共に旨味も表出しており、タンニンも村名には比べるとしっかりとある。スミレの華やかさと、ベリーの果皮の要素が強く、また樽の要素も結合し、やや堅牢に感じられる。


生産者: ミシェル グロ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ クロ デ レア 2012

14000円、WA91-93pt(2009)
外観は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
燻製肉、モカや五香粉、炭焼きなどの強めのロースト香。どこかムスクなどの野生的な香りも伴う。果皮を感じるブルーベリーやダークチェリーの堅牢さがあるが、その裏で力強いメイプルシロップ、ワッフルなどの甘露さを感じる。スミレの様な華やかさは若干後退。乾いた土、クローヴ、シナモンなどの風味が感じられる。
酸味やタンニンは穏やかで滑らか、黒系果実と樽の香りが強く感じられる。こちらも瑞々しくダークチェリーやブルーベリーの余韻が残る。ロースト香が強く、野性味を感じる。


【所感】
まずオート コート ド ニュイ。
このクラスとしては相当凄いし、それこそヴォーヌロマネの様な華やかさを持ったワインだと思います。コストパフォーマンスはメチャクチャいいです。
ただ村名や一級群と比べると、果実の凝縮度や球体感に欠ける印象で、言ってしまえば密度が少し低く、華やかさに寄った味わいと言えると思います。
個人的には値段的な側面も鑑みるとミシェルグロの中では最もオススメの1本です。
村名ヴォーヌロマネ。
果実味はより凝縮し、丸みを帯びたヴォーヌロマネらしいエキス感がある。オート コート ド ニュイにはあまり感じなかった樽香を伴う。こちらも極めて華やかなワインであるが、ワインの骨格がよりしっかりと存在しています。かなり良くできたヴォーヌロマネだと思いますが、ここまで華やかさが前面に出るあたりは結構個性的かもしれません。
オーブリュレ。
村名に比べると極めて強く樽の要素を感じるし、抽出も強い。故に堅牢さが際立っているように感じる。
そしてエキス感より果実味の熟度が高く、中域で止まる様な感じは、エマニュエルルジェのクロパラントゥもエシェゾーとの関係性にも似ていると感じました。
本領を発揮していないのは明らかで、確実にパワフルな果実味を華やかさの中に潜ませているので、もう少し様子を見る事が必要かもしれません。
フラッグシップのクロ デ レア。
華やかさはオーブリュレより更に影を潜め、より樽香と果実味に寄った作りとなっている。抽出は強めだが、外に向く華やかさではなく、堅牢さに振られている。メイプルシロップやワッフルの様な果実味があり、ボリューム感と力強さのある作りのワイン。
そしてリッチな作りとも言えます。

ミシェルグロの2012年ヴィンテージについては下位のアペラシオン程華やかで、村名や一級畑になるにつれてやはり身を伴ってきているというか、強いボディを感じる様になってきます。それと樽ですね。上位になるほどロースト香が際立ってきます。
その分華やかさが相対的に目立たなくなっている訳ですが、ブルゴーニュの生産者としては順当な差別化だと思います。
今回面白かったのはオーブリュレとクロ ド レアの違いですね。ヴォーヌロマネでも最も標高の高い畑のうちのひとつであるオーブリュレと、一級の中で最も標高が低く、ニュイサンジョルジュに隣接するクロ デ レア。オーブリュレはクロ デ レアと比較すると、やはり堅牢さと凝縮度は高いと思います。対してクロ デ レアは果実味は非常に高いですが、ブリュレと比べると外向的で甘露な味わいを感じられます。この違いは面白いですね。ヴォーヌロマネの標高差による違いがわかりやすい。オススメの比較です。







関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR