【ブルゴーニュ: 96】特級クロ ド タール。マール、セカンド、ファーストを利く。

こんにちは、HKOです。
本日はクロ ド タールのポートフォリオである、マール、セカンドラベル、特級畑クロ ド タールの3本です。

これがワインを飲み始めてから全然縁がないワインで諦め掛けていたのですが、ようやく頂く事が出来ました。


【データ】
クロ ド タールは1141年から続く900年の歴史を持つ特級畑。分割所有された事は無く、タール修道院からマレイモンジュ家に移り、1932年から現在のモメサンが単独所有しています。モメサンは1865年、ジャン マリ モメサン氏によってマコンに創立されたネゴシアン。1995年に支配人に着任したシルヴァン ピティオがクロ ド タールの指揮を執っています。
畑は東南東向きの標高270m~300mのなだらかな斜面に位置し、土壌は粘土を含んだ石灰質ですが、広い畑のため、微細に異なる6つの区画で構成。苗木はマサルセレクション。平均樹齢60年、一部は100年を超えるという古木から手摘みで収穫。手作業で選果。除梗は状態によって判断。
熟成は228Lのオーク新樽で16カ月半。貯蔵庫でマロラクティック発酵完了後、噴霧機で湿度管理された地下セラーの中で保管。
セカンドワインはクロ ド タールの25年以下の若木を使ったラ フォルジュ ド タール(モレ サン ドニ プルミエクリュ)。醸造プロセスは特級と同様。
また搾かすからはマール ド ブルゴーニュ ドゥ クロ ド タールが作られます。



【テイスティングコメント】
生産者: モメサン
銘柄: マール ド ブルゴーニュ デュ クロ ド タール NV

約35000円
外観は透明感のある茶色、粘性は高い。
カラメルや白胡椒、乾いた木材のアロマ、干しぶどうの様な甘い風味がある。ヘーゼルナッツやエナメルリムーバーなど。
粘性は高く、ねっとりとした味わい。芳香とともにかなり甘みを感じる。


生産者: モメサン
銘柄: モレ サン ドニ プルミエクリュ レ フォルジュ ド タール 1999

約52000円、WA88pt
外観はやや淡くなったルビー、粘性は中庸。
ちょうど溝の時期のワインといった感じの香り。
燻製肉や鉄釘、ミルクティーの要素、オレンジの様なほのかに柑橘を思わせる香りを感じる。紫スモモやダークチェリーを思わせる充実した旨味を包含した果実味、ドライフラワーの要素。バニラや炭焼き的な要素、クローヴや濡れた土、ユーカリなども感じられる。先述した通り、熟成の溝にあり、若々しい故の果実味は落ち込んでおり、かといってタンニンや果皮、醸造的要素は強く残っており、香りとしては魅力的ではない。血の香りも感じる。
ただ口当たりの旨味の放出は大したもので、優美な酸味とともに凝縮した旨味がある。余韻は鉄釘やオレンジの要素が主体的。もう少し熟成するか、若いヴィンテージが望ましいか。


生産者: モメサン
銘柄: クロ ド タール グランクリュ 2011
約40000円、WA93pt

外観は透明度の高い澄んだルビー、粘性は高い。
エレガントで静かな印象を感じさせるグランクリュ。
ほのかに感じさせるカラメルや焦がした木材の様なロースト香とスミレや若い葉の様な華やかな香り、そしてバターやミルクティーが融合。そして静かに佇む黒系果実の瑞々しいダークチェリーやアメリカンチェリーのエキス感のある香りが感じられる。スパイシーでわずかに梗の風味も。土やなめし革、八角などの要素がある。
エキス感の出方も濡れた土や木を感じさせる特徴は極めてシャンボール的だが、より堅牢である。
タンニンは穏やかで、酸味が前に出るタイプで、口の中で若々しいベリー類や梗、ミルクティーの様な余韻が感じられる。
しなやかなでエレガントなモレ サン ドニ。クロデュランブレイのグイグイ来る豪華さ、華やかさ、パワフルさ、とは違うもっと品のある味わい。



【所感】
まず、クロ ド タールを見ていくと、このワインの性質がよくわかります。
クロ ド ランブレイやクロ ド ラ ロッシュ、クロ サン ドニと比較すると明らかにエレガントに仕上げられており、特徴としては間違いなくシャンボールミュジニーを意識した作りにしているように感じます。それは中庸の特徴を持つモレ サン ドニの中で、最もシャンボールミュジニーに近く、ボンヌマールに隣接したテロワールを持っているからだと考えています。
グイグイ芳香する派手なクロ ド ランブレイに比べると明らかに静かで静謐とした雰囲気を感じる事が出来ます。
抽出は控えめに、樽のほのかな香りと果実の瑞々しいエキス感を前に出しながら、それぞれの要素が過剰に主張しない節度を持った華やかさや複雑さがあります。
ボティや全体的な雰囲気はシャンボールミュジニー的でありながら、それと比べると明らかに堅牢で力強い。モレ サン ドニのボリューム感ではなく、ジュヴレシャンベルタン的な堅牢さが感じられます。
その結果非常にエレガントで通好みのグランクリュになっており、各個に主張しない全体的な調和とエレガンスを良しとするグランクリュの様に思えます。
他のグランクリュに慣れていると、少し不足感を感じるかもしれません。

上記の様にそもそもエレガントな作りなのであれば、セカンドラベルが1999年にしてかなり熟成寄りになっているのも納得がいきます。
先にセカンドの方を飲んで、かなり枯れている印象を受けたのですが、このエレガントなワインはもう少し早く、あるいはよりタンニンを落として飲むのがよろしいかと思います。ただやはり骨子は同じですねエキス感と樽と華やかさ。順当なセカンドラベルというのが推察できます。ただし15年はもたないと。

最後にマール。
クロ ド タールを感じさせるものはほとんど無いです。しかし単純にブランデーとしてとても品質が高いように思えます。干しぶどうやナッツの様な風味が素晴らしく、華やかです。
クロ ド タールの影を探そうとすると「?」という感じですが、良質なブランデーと考えるとかなり納得です。

以上となります。
最後にクロ ド タールは単一生産者でありながら、とてもテロワールとかイメージに即したワインの作り方をしているな、と感じました。
ブリブリのパワフルなワインを出してきたとしても、「ああ、ボンヌマールだね」と思うでしょうが、シャンボール的に仕上げてきてくれたのは何より嬉しい。
これでブルゴーニュ グランクリュで残すピースはロマネコンティのみ。

そろそろ挑んでみてもいいかもしれません。



[2010] クロ・ド・タール Clos de Tart

[2010] クロ・ド・タール Clos de Tart
価格:35,316円(税込、送料別)




関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR