【ブルゴーニュ:93】ジュヴレシャンベルタン5種テイスティング

こんにちは、HKOです。
本日はジュヴレシャンベルタン一級を含む4種です。
シャルロパンとデュガピィの村名、デュロッシュのラヴォーサンジャック、ジャンテ パンショのポワスノです。


【データ】
シャルロパンはブルゴーニュでも、アンリジャイエの弟子という枕詞と共に非常に注目されている生産者です。といってもアンリジャイエのワインを飲んだことがないので、今ひとつイメージが湧かないのですが。
全体で樹齢の高い樹を中心に、栽培はリュットレゾネで行われています。収穫をした葡萄は100%除梗され、約1週間の低温浸漬を経てアルコール発酵がなされます。新樽比率は殆どが30%で、特級で50%。フラッグシップはシャンベルタン、ボンヌマール、マジ シャンベルタン、エシェゾー、クロ ヴージョ、クロ サン ドニ。

ベルナール デュガ ピィはジュヴレシャンベルタンに拠点を置くクロードデュガの従兄弟で、クロードデュガ同様、偉大なワイン達を産出しています。
全区画で行われるビオロジック、強い密植と厳しい選定による超低収量、そして若くとも20-30年、ヴィエイユヴィーニュともなると90年もの古木を使用しています。除梗はシャンベルタンとマジは100%全房、マゾワイエール30%除梗、シャルム50%除梗。低温浸漬はなしでアルコール発酵を行う。ピジャージュ、ルモンタージュは最小限に抑えています。(といっても色調やデュガピィの哲学からすると、それなりに行っている印象)、焼きの薄い新樽を1級以上は100%使用しノンフィルター、ノンコラージュで瓶詰め後出荷される。フラッグシップは生産量わずか1樽のシャンベルタン、マゾワイエール、シャルム、マジの特級群。

ジャンテ パンショは1954年からジュヴレシャンベルタンに拠点を置く生産者。
現当主はヴァンサン ジャンテ氏。1989年に当主に就任以降劇的に品質を向上させています。現在は25ha程の畑を所有。
樹齢は高くアン シャンは平均樹齢94年、村名ヴィエイユヴィーニュは平均樹齢65年。
栽培はリュットレゾネ。摘葉およびグリーンハーヴェストの徹底し、収穫は手摘み、小型のプラスティックケースを使用、細心の注意を払い栽培が行われる。
選果は2度行われ、100%除梗、破砕してから、8~10日間低温浸漬。 天然酵母での発酵終了後、プレス。その後新樽比率30%程度熟成。今回は0.63ha保有するル ポワスノ。

ドメーヌ デュロシュはジュヴレシャンベルタンに拠点を置く五代続く老舗ドメーヌ。 現在は当主ジル・デュロシュ、息子のピエールで運営しています。
もともとは葡萄をネゴシアンに販売していましたが、現在は一部元詰も行っています。(ちなみにネゴスへの販売先はルシアン ル モワンヌ、パスカル ラショーなど) 栽培面積は8.5ha。
栽培は極力自然に近い形で行われ、除草剤を使用せずに丁寧に除葉を行います。 収量制限も実施。ステンレスタンクにて自然酵母で発酵。発酵が開始されるまでは低温浸漬状態。格付けごとに新樽の使用比率を変えています。今回のラヴォー サン ジャックは最高樹齢80年の古木から作られます。
フラッグシップはクロ ド ベーズ、ラトリシエール、シャルム、グリオットの4つの特級畑。



【テイスティングコメント】
銘柄: フィリップ シャルロパン パリゾ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン ラ ジャスティス 2011

7500円、WA87-89pt(2010)
外観は淡いルビー、粘性は中庸。
極めて華やかで黒系果皮とエキス感を感じるワイン。
果皮を感じる華やかなスミレの香り、ブルーベリーやダークチェリーなどの黒系ベリーの果実味。ほのかに香るオレンジ。なめし革の要素。アーモンドやクローヴなどのドライハーブの要素、ビスケットやハーブティーの要素を強く感じる。基本的に華やかな骨子を持ったワイン。
タンニンは柔らかく、酸はきめ細やか。オレンジや黒系ベリー、鉄分の味わいを感じる事が出来る。瑞々しく華やかな余韻を残す。


生産者: ベルナール デュガ ピィ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン クール デュ ロワ VV 2006

約19000円、WA91-93pt(2010)
外観は濃いルビー、粘性は高い。
まろやかなミルクティーの様な要素、わずかにコーヒー香。熟成しているがすぐには開いてこず、わずかに熟成を感じさせる生肉やブルーベリー、オレンジの果実味、スミレの要素が現れ始める。併せて井草やドライハーブ、燻製香、紅茶の要素が感じられる。木材の要素がある。
今ひとつ取り留めのないデュガ ピィのワインで、マロ要素が前面に出ており、他の要素は控えめ。エレガントさが突出する前段階かもしれない。
酸とタンニンは充実しており、やや毛羽立ちを感じる。ブルーベリーの果皮やミルクの余韻が残る。


生産者: ジャンテ パンショ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン プルミエクリュ ル ポワスノ 2012

15500円、WA92-94pt(2010)
外観は濃いルビー、粘性は中庸。
重厚で堅牢、黒砂糖の様な重たい果実味を持つプルミエクリュ。焦がした砂糖や煮詰めたブラックベリーやダークチェリーの果実味が感じられる。果皮の要素はしっかりとありスミレや燻製肉、鉄分の要素を強く感じる。木材やドライハーブ、シナモンのヒントが感じられる。華やかではあるものの、デュロッシュやシャルロパンと比べるとかなり重厚。
タンニンや酸はかなり際立っており、スミレや溶剤、果皮の余韻が強く残る。まだパワフルな要素が残っており、ここは熟成によってこなれる部分かもしれない。


生産者: ドメーヌ デュロッシュ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン プルミエクリュ ラヴォー サン ジャック 2012

10000円、WA90pt(2008)
外観は中庸なルビー、粘性は中庸。
堅牢さはあまりなく甘露で華やか、そしてふくよかなラヴォーサンジャック。MLFのミルクティー要素と熟したブルーベリーやブラックベリーの蜜を感じさせる果実味が主体となっている。時折果皮のスミレやなめし革のニュアンスも混じる。どこかシラーを思わせる強烈な蜜香がある。ワッフル、シナモンやクルミなど樽が徐々に現れる。
香りは華やかなものの、口当たりに一部精彩を欠く部分があるような気がする。
タンニンは柔らかく、その分酸が際立つ様に感じる果皮の要素。スミレや溶剤、鉄の様な余韻を残す。口当たりは少し堅牢な印象。


【所感】
今回微妙に熟成して取り留めのないワインになってしまっているデュガ ピィのクール ド ロワ以外は基本的にはどれも良かったと思います。
シャルロパンは好きな生産者なので、言わずもがななんですが、個人的にはジャンテ パンショやデュロッシュのクオリティが想像より高い事に驚きました。
両方とも非常に果実味が高く、濃厚でキャッチーな味わいのワインになっていると感じました。
まずシャルロパン。
ジュヴレシャンベルタンとしては極めてエキス感に寄った味わいのワインで、果皮の華やかな要素とオレンジの清涼感と品のあるベリーの果実味が大変魅力的です。ハーブやアーモンド、ビスケットの様な要素があります。派手で濃厚なタイプではないですが、ジュヴレシャンベルタンらしい黒系果実の要素を感じさせる一方で、女性的な抑制の効いた品の良い酸や瑞々しさを感じさせます。
対してデュロッシュとジャンテ パンショは共に極めて濃密ですが、高域にあるデュロッシュと中域で重量感のあるジャンテ パンショではまた印象が異なります。
デュロッシュは香りにあまり堅牢さはなく、甘露なミルクティーや熟れた黒系果実の蜜のような香り、スミレのような香りがあります。引き締まったような蜜の香りと果皮の要素が華やかに香り立つのはどこか上質なシラーを思い起こさせます。そんな感じで香りはかなり華やかで素晴らしいのですが、口に含んだ際にタンニンが柔らかく、果皮のスミレや鉄の要素と際立った酸が印象的に残っていく。すこし酸が際立ちすぎているように思えて、ややもって精彩に欠けるようにも感じました。勿論10000円のラヴォーサンジャックとしては立派なものだと思います。
そんな感じで高域に伸びるラヴォーサンジャックですが、ジャンテ パンショはブルゴーニュとしては非常に重いワインだと感じました。
ともすればニューワールド的な部分もあるような焦がした黒砂糖や煮詰めたベリー類の果実味が主体的に感じられます。ジュヴレシャンベルタン的な果皮の要素がより重厚さを助長しており、今回の4本の中では圧倒的に濃厚なピノノワールだと思います。
故にタンニンも酸も際立っていてアタッキーな果皮の要素が印象的です。新樽比率は低いですが一定のロースト香は感じられるので、比較的主張の強いローストの樽を使っているのかも知れません。テロワールの再現という意味では単語単語では合致をするんだけど、全体的にはカリピノの様な雰囲気を感じてしまうんだよなあ。
いいワインだけどブルゴーニュならではって感じがちょっとしない。
最後にデュガ ピィ。
2004年のシャルムシャンベルタンはそれこそ極上のエレガンスを持った素晴らしいワインになっていたんですが、2006年のクール デュ ロワはかなり厳しい感じでした...
MLFと樽香はしっかりと感じられるのに、肝心の果実味が隠れていて全然開いてこない。
タイミングによって変わるのかもしれないけど、少なくとも私が飲んだ時には醸造的な要素が前面に出ていて、ぶどう本来の香りがあまり感じられませんでした。勿論タンニンや酸は持っているので、相対的に毛羽立って感じます。テイスティングコメントでは熟成が足りてないのでは?と思ったけど、一回目の飲み頃は完全に過ぎているかもしれないですね。
樽とMLFの要素が落ち着けばひょっとしたら意外な側面を見せるかもしれません。

そんな感じのジュヴレシャンベルタン4種です。
どれも基本的には美味しいんですが、すこし隙があるワインが多いような印象を受けました。
価格的には十分に満足行く出来だと思いました。
特にブルゴーニュという観点からいくとシャルロパンはいいですね。ワインとしてはデュロッシュかジャンテ パンショかな。




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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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