【カナダ:3】カナダではどの品種が最適か。3パターンを検証。

こんにちは、HKOです。
本日はカナダのピノノワール、シラー、プロプライエタリーブレンドです。ちなみに前回までのカナダワイン。ご参考までに。

トーズとノーマンハーディ
フォックストロット

今回はトーズ、クリークサイドエステート、ストラタスヴィンヤード、13thストリートワイナリーです。



【データ】
クリークサイドエステートはオンタリオ州ナイアガラに1997年に設立されたワイナリー。ワインメーカーは元ソムリエのロブ パワー。
今回のシラーズは3つの畑から取れたシラーズを3日間スキンコンタクトし、フレンチオーク53%、アメリカンオーク47%(新樽10%)樽内でMLF、15ヶ月熟成の後ブレンドしてリリースされる。

ストラタスヴィンヤードはオンタリオ州ナイアガラに2000年に設立されたワイナリー。
コンサルタントにはあのポール ホブス氏を迎え極めて品質の高いワインを産出しています。ワインメーカーはロワール出身のジャン ローレン グロー。気候はローヌ北部に近く、砂利混じりの石灰岩地質、粘土質のローム層を持つナイアガラ レイクショアに55エーカー畑を保有しています。
サスティナブル農法を実施し、徹底した低収量化を実施。選果台で選別を行います。
醸造の行程はグラビティーフローの中で行われます。今回のシラーは高い糖度を持ったシラーをフレンチオークで2回使用樽37%で約1年半熟成させます。
VAQ ナイアガラ オン ザ レイク。

トーズは2005年に設立されたオンタリオ州ナイアガラに拠点を置く生産者。2010年から3年間、カナダ最優秀賞ワイナリーとして選出されたトップ生産者です。オーナーはモレイ トーズ、ワインメーカーはポール ベンダー氏が担当している。
栽培はビオディナミ、オーガニックを採用し農薬や化学肥料は使用しない。グリーンハーヴェストで収量を切り詰め、手摘みで丁寧に収穫します。グラビティーフローで葡萄にかかる負荷を減らしながら丁寧に醸造して行きます。今回のメリテージはカベルネソーヴィニヨン、メルロー、カベルネフランのボルドーブレンド。樹齢は10~15年。フレンチオークで熟成。VAQ ナイアガラ ペニンシュラ。

サーティーンス ストリート ワイナリーはオンタリオ州ナイアガラに1998年から拠点を置くワイナリー。ワインメーカーはドメーヌ ラロッシュのジャン ピエール コラス氏。
今回はナイアガラ ペニンシュラにあるサーティーンスストリートヴィンヤードから手摘みで収穫、選別された果実で醸されるピノノワール。VAQ ナイアガラ ペニンシュラ。


【テイスティングコメント】
生産者: クリークサイドエステート
銘柄: シラーズ 2010
品種: シラーズ100%

3700円。
外観は濃い赤紫色、粘性は高い。
ローヌ北部を思わせるトラディショナルでエレガントなシラー。
前面に現れているのはムスクやベーコンの様な獣香とスパイシーな黒胡椒の香り、果皮を強く感じさせるブルーベリーやダークチェリーの果実味。ラベンダーや黒土、そしてクローヴやオリエンタルスパイス、ほのかに樹皮や炭焼きの様な香りが混じる。鉄の様なアロマもある。CNDP的な側面もあり、少しオレンジもまじる。
硬質で極めて野生的な香りが前面に出ている。
酸を強く感じさせるような香りで、口に含むと力強い酸とともに目の荒いタンニンが口の中を占めていく。
非常にローヌ的な味わいだ。


生産者: ストラタス ヴィンヤード
銘柄: シラー 2010
品種: シラー100%

7000円。
外観は濃い赤紫色、粘性は高い。
やや硬質だが、カリフォルニアやオーストラリアのシラーズというよりギガルのフラッグシップワインにも似た豊かな果実味を持った濃厚な果実味が感じられる。ややオイリーで樽香が突出。
バニラやクリーム、そしてシロップの様な風味。チョコレートの様なロースト香。よく熟したブラックベリーやダークチェリーのジャムの様な非常に濃厚な果実味がある。燻製肉、黒土や黒檀、ミントの様なほのかな清涼感、ほのかなスミレの様な風味。
口に含むと充実した酸味と旨味があり、アプリコットやブラックベリーの様な果実味を感じる。タンニンはきめ細やかでサラサラした余韻を残す。
香りは重厚だが、口の中では旨味と酸があり、極めてバランスが良く感じる。


生産者: サーティーンズストリート ワイナリー
銘柄: エッセンス ピノノワール 2010
品種: ピノノワール100%

7000円
外観は澄んだ赤みの強い淡いルビー、粘性は低い。
グッと迫ってくるようなピノノワールではなく、非常に落ち着いた静かな雰囲気を感じさせるピノノワール。ミントやタイムの様な香りと梅柴、そしてレッドカラントやラズベリーの赤系果実の果実味。やや青っぽい風味もある。ほのかにスミレやベーコン。紅茶やクローヴなど。冷涼で降水量が高い地域で作られるピノノワールのスタイルに少し似ている。
熟度が低く香りの立ちは穏やかだが、口に含んだ時に綺麗な酸と旨味が口に広がっていく。
赤系の小果実やタイムの様な余韻が静かに広がっていく。エキス感がある瑞々しいワインだと思う。


生産者: トーズ
銘柄: メリテージ 2007
品種: カベルネソーヴィニヨン35%、メルロー28%、カベルネフラン27%(残り10%は不明)

7500円。
外観は濃い黒に近いガーネットで粘性は高い。
カリフォルニアナパヴァレーのレベルの高いボルドーブレンドにタッチが近い。堅牢で濃密、重厚感を感じる。黒土や炭焼きの様な風味が前面に出ている。
熟したカシスやブラックベリーの果実味、黒砂糖。ワッフルなどの要素。燻製肉やベーコン、リコリスや黒檀の様な香り。溶剤やスミレやラベンダーの華やかさもほのかに感じられる。強めにローストしたアーモンド。
口に含むと充実した酸味と旨味。アプリコットやダークチェリーの様な余韻があり、強めのタンニンも合わせて感じられる。ナパヴァレーの様な香りがありつつも、酸味が際立って感じられるのが特徴的で、ボルドーやナパとの最大の差異。


【所感】
やっぱりカナダ面白いですね。
全体的にカリフォルニアやオーストラリアの要素が骨子にあり、上記の地域にはない、冷涼さに裏付いた酸度の高さを感じました。
それは、例えばトラディショナルなシラーを象徴するクリークサイドエステートや、ギガルの様な濃密さを思わせるストラタスヴィンヤード、カリフォルニアの香りを感じさせるトーズにも、濃厚さより口に含んだ時の軽量感ときめ細やかな酸を感じることが出来ます。香りも液体も重厚という感じではなく、香りに対してボディが軽めと表現すべきか。
全体感はそんな感じです。ノーマンハーディーやフォックストロット、トーズのピノノワールやシャルドネは品種特性でミディアムボディかつ酸味が強く出ている事については自然、というかこれが良いバランスだったと思いますが、ことシラーやカベルネソーヴィニヨンとなると、比較対象がオーストラリアやカリフォルニア、ローヌ、あるいはボルドーになる為、どうしても酸度の高さが際立って感じてしまう。
もちろん価格対比で、どれも良くできているのですが、上記に挙げた地域の最上クラスのワインと比べると、やはり少し物足りなさを感じてしまう部分があります。
数本飲んだだけでは、そりゃあ何もわかりませんが、なんとなく、カナダはピノノワールやシャルドネがいいような気がしますね。後述しますが、13thストリートワイナリーは個人的趣向にはあいませんでしたが、ノーマンハーディー(オンタリオ)とフォックストロット(ブリティッシュコロンビア)はすごく良かったので...

まずはシラー比較。
テイスティングコメントに書いたことが全てで、クリークサイドエステートのシラーズは、多くのローヌ北部のワイナリーのシラー、あるいはトラディショナルな作りのシャトーヌフデュパプを想起させる強い獣香と黒胡椒の香りを漂わせるシラーズで、ボディは比較的軽量で果実味より酸味や華やかさに焦点が当たった味わいです。やや抽出が強いからか、やや目の荒いタンニンを感じさせます。
対してストラタスヴィンヤードはマルセル ギガルを想起させる高度に熟した果実味とマロラクティック発酵、樽の香りが良く付いた豊満な芳香を感じさせるシラーです。獣的な部分は無く、キャッチーで近代的な作りだと感じました。ナイアガラの中でもかなり違いますね。これは作りの個性の違いですかね。
ただやはりギガルと比べるとやや際立った酸味が感じられます。
次にボルドーブレンド。
香りはナパヴァレーのガレージワインによく見られる強烈な果実味を強いローストのアメリカンオークと強い抽出で蓋をしている、高度な凝縮感を感じさせるアロマ。黒土や炭焼きの様な香りが支配的。その奥に熟した黒系果実の香りが感じられます。
これは重厚で濃厚なのだろうな、という香りなのですが、蓋を開けてみると意外とエレガントな果実味で決して重くはありません。やはり華やかさが主体となってくる。そして口に含むとアプリコットやダークチェリーの強烈な旨味を感じさせる。
ナパヴァレーを感じさせる醸造的要素は非常に感じますが、結果やはりこのワインも酸と旨味のワインだと思います。
最後にピノノワール。
最初の方でカナダに合いそうなのはピノノワールなんじゃないか...という予想をしているのですが、このピノノワールはそんなでもありません。あくまでノーマンハーディやトーズの良さに引かれているだけで...
13thストリートワイナリーのピノノワールはボトル差なのか、ヴィンテージなのか、はたまたは本来の姿なのかは不明ですが、かなり控えめでグイグイ前に来るタイプではありません。というところで言うならばあまりどの地域にも属する様なものでは無いように感じます。強いて言えば、国産の控えめピノノワールといったところですかね。
果実味より前に来るのは、井草やタイム、ミントなどのハーブや葉の様な香り。これらが主体的に感じられます。そしてほのかにレッドカラントやラズベリーの赤系小果実のエキスと酸を感じる味わいなとを感じる。口に含めるとなかなか良くて静かに柔らかい酸と旨味がじんわりと広がっていく。
癒し系ピノノワールではあるものの、香りにもう一手ほしいワインでした。

以上4点でした。
とても面白い産地ではあるので、これからも見ていきたいと思います。







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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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