こんばんは。
いつもありがとうございます。
今日はマルサネとブラニー。
今ひとつ地味な村ですね、誰も興味ないんじゃないかなー、とも一瞬思いました。
ブルゴーニュといえばコートドニュイのジュヴレシャンベルタン、シャンボールミュジニー、ヴォーヌロマネ。コートドボーヌのピュリニーモンラッシェ、シャサーニュモンラッシェ。
地味でヴージョ、ムルソー、コルトン。ここら辺がいいとこだと思います。
しかしながら造り手によっては地味なアペラシオンでも素晴らしいワインが生まれるもんです。
マルサネはジュヴレシャンベルタンのフィサンを挟んだ隣村、ブラニーはムルソーに隣接する村であります。
確かに地味です。間違いないし、軽視はしますが、稀に素晴らしい生産者が素晴らしいワインを作り上げているのも事実です。
そんな悲しくも切ない卓抜した地味ワインを今日は2本。
生産者: ティエリー マトロ
銘柄: ムルソー プルミエクリュ ブラニー 2003

ブラニーはムルソーに隣接する赤のみ認められたAOC。白はムルソーかピュリニーを名乗る。これはムルソー寄りの一級畑区画。
浮遊物のあるレモンイエロー、粘性は中庸。以前一度飲んだ事があるが、ヴィンテージはそれより古い。やや温度か低すぎて香りが開いていない。もしくはちょっと抜けているか。
ムルソーのねっとりとした豊満なボディはあまり感じられない。やや水っぽいというか...。
桃やアプリコットの甘やかなニュアンス、シャンピニオンが香る。特徴的なナッツやバターの香りはまだあまり出てきていない。ミネラル感はちょっと大きめに出ている。ハチミツ、フレッシュハーブ、メロンのやや熟成した香りも。炒ったアーモンドの香りも出てきた。塩っぽいローストナッツも。
やや醤油っぽいニュアンス、熟成香。
酸味は意外とあり?旨味成分か出ているのかもしれない。
生産者: メオ カミュゼ
銘柄: マルサネ 2007

フィサンに隣接する優れたロゼを算出する村名ワイン。ちなみにマルサネにはプルミエクリュ(一級畑)は存在しない。
流石にメオカミュゼのプルミエクリュやグランクリュと比較するのは酷ではあるのだが、十分に魅力的な村名ワイン。
非常に力強い果実感を溢れさせている。構成する要素は一般的。ダークチェリー、ブラックベリーの黒い果皮の果実味、スミレや小さい薔薇、ヒノキ、燻製肉を中心に、森の下草、焦げたゴム。
構成的にはごく一般的な構成であるのだが、バランス感と香りの膨大さが半端ない。構造的には超膨大なブルゴーニュルージュといっていいだろう。
鉄分すら感じる強烈な凝縮度があり、流石はメオカミュゼとしか思えない。相変わらずこ憎たらしいくらいに酸もタンニンも滑らかで、ともすればシャンボールを思わせる造りではある。
正直メオカミュゼのマルサネは相当凄い。姿形はよくあるブルゴーニュルージュなんだけど、パワーが違う。
シンプルなんだけど香りの馬力がふた周り以上力強い。
価格としては4500円とメオカミュゼとしては格安、これは超お得。
ムルソーブラニーはやや私が好きな若々しさは消えていたが一級畑のポテンシャルはちゃんとあって要素はやはり複雑だ。甘みもありキャッチー。
マルサネ、フィサン、ショレイ、サヴィニー、サントーバン。サントネー、マランジェ。たくさんブルゴーニュには高品質なマイナー村名があるのだからこれを飲まない手は無い。
心無い作り手の有名産地を飲むよりは、全然得るものは大きいはずだ。
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