【ブルゴーニュ: 97】ドニモルテ2012年水平テイスティング Part.1

こんにちは、HKOです。
本日はドニ モルテの2012年の水平テイスティングです。2011年も堅実な造りだったドニモルテですが、2012年はどのように変わったでしょうか。
詳しく追っていきたいと思います。

本日はマルサネ レ ロンジュロワ、そしてシャンボールミュジニー 1級 オー ボー ブリュンです。


【データ】
ドメーヌ ドニ モルテはジュヴレシャンベルタンに拠点を置く生産者。故ドニモルテ本人はフィネスとエレガンスを追及するワイン作りを目指したが、その目標と裏腹に類を見ないほどの豪華さと重量感のあるジュヴレシャンベルタンで評判を上げた。現在ドメーヌの指揮を執る息子のアルノーモルテはそうした父親の意思を受け継ぎ、エレガントな方向性を追及しています。そのため一時期の豪華さ、重量感はやや落ち着いているみたいですね。
栽培は有機農法、1万本/haの密植、グリーンハーヴェストによる収量制限を行う。樹齢はACジュヴレシャンベルタン 20~50年、一級ラヴォーサンジャックは80年の古木を使用。
酸が落ちない様に早めの収穫を行い、補糖でアルコール度数の強化を行う。
除梗100%、ACジュヴレシャンベルタン新樽率50%、プルミエクリュ以上は恐らく100%?フラッグシップは特級シャンベルタン、特級クロ ヴージョ。


【テイスティングコメント】
生産者: ドニ モルテ
銘柄: マルサネ レ ロンジュロワ 2012

8100円、WA88-90pt
外観は赤身の強いルビーで、粘性は中庸。
柔らかい甘露さが前に出ており、適度な華やかさを含有している。
ブラックベリーやダークチェリーの熟した果実味とスミレのような華やかな香り、ビターチョコのような樽の要素が比較的明確に出ている。
黒系のしなやかな果実味があり、マルサネとしてはとても大きな果実味があります。燻製肉や血液、炭焼きの様なニュアンスが感じられる。
ただし香りの持続力はやや低めでトップノートの激しさからはかんがえられない程すぐに落ち込んでいく。
極めて華やかで酸もタンニンもしっかりあるがケバ立ちは一切無い。極めて飲みやすく、ベリーの甘みと、クローブ、スミレなどのハーブ類の余韻を感じさせる。


生産者: ドニ モルテ
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ オー ボー ブリュン 2012

27000円、WA89-91pt
外観は赤身の強いルビーで、粘性は中庸。
最も軽やかでしなやか。シロップのような甘さと華やかさを持ったワイン。ジュヴレシャンベルタンか凝縮度のワインだとしたら、明らかに拡散するような外交的な性質を持っている。
瑞々しいブルーベリーやダークチェリーの要素とコンポート、濡れた木材や土のような要素の風味、青い葉やハーブやクローブのような香りが主体的に感じられる。松やファンデーション、肉の様な旨味がある。
比較的酸味は強めで、タンニンは極めて柔らかい。
スミレや血液、ミルクの様な柔らかく長い余韻が感じられる。官能的なまさしくシャンボールミュジニーを作っている。


【所感】
もうマルサネから凄くいいですね、2012年。
モダンブルゴーニュの官能性が備わっているいいワインでした。
今回の2本でいうと、彼の主軸キュヴェであるジュヴレシャンベルタンとはかなりの差異を感じました。強固な堅牢さと唸るような凝縮された果実味があるタイプではないです。
マルサネ ロンジュロワは抽出の華やかさはあるものの、豊満でボリューム感のあるたっぷりとした果実味を感じられるピノノワール。
オー ボー ブリュンは近づきやすい甘やかさがありながら拡散していくような軽やかなタッチとアタックがあり、奥底に強い核が感じられるピノノワール。
個人的には2010年、2009年並に良いですね。シャンボールは品があるし、マルサネはピノノワールの楽しさを象徴する様な良いワインになっています。
では詳しくいきます。
マルサネ レ ロンジュロワ。
マルサネの丘の中腹部の南向きの斜面にある畑でクロ デ ロワ同様一級昇格が待たれる村名畑です。たっぷりとした熟した黒系果実の風味が魅力的で、非常にキャッチーな仕上がりでした。
ジュヴレシャンベルタンの様に強い抽出は無く、また凝縮感もこれらのワインの中では劣りますが、その分堅牢さは無く穏やかで丸みのある良いワインになっています。ビターチョコの様な樽香も比較的しっかりと感じられます。香りの持続力や全体的な耐久力は低いですが、すぐに美味しく飲めますし、ACブルと比べるとドニモルテのスタイルは十分に感じられるので、結構お得感があります。価格を考えると最もオススメのキュヴェです。
オーボーブリュン。シャンボールの中心下部にある一級畑でミュジニー的な性質の土壌を持っています。
抽出の華やかさではなく、持ち前のエキス感から放たれる華やかさ、エレガンス。まさしくシャンボールミュジニーの良さを象徴しているワインです。勿論シャンボールの生産者ではないので、それらから見れば、やや強い酒質でありますが、十分にエレガントであると思います。香りの構成要素としてはグロフィエなんかと近いですが、さすがにバランスは違いますね。
瑞々しさを伴う黒系果実と 青い風味、土や木材の香りが品良く入り混じっています。ピノらしいエキス感を感じる血液の要素もありマロラクティックなニュアンスとともに闊達としながらも品のある味わいになっています。
両方ともジュヴレシャンベルタンとは確実に差別化されておりながら、それぞれに近づきやすいフックがあるのがいいですね。決してジュヴレ以外のアペラシオンが軽視されているわけではない。
特にマルサネは先述した通りスタイルも良く分かりますし、価格帯も落ち着いているのでオススメです。



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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