【ブルゴーニュ: 98】ドニモルテ2012年水平テイスティング Part.2

こんにちは、HKOです。
先日に引き続きドニモルテ2012年の水平テイスティングです。今日はドニモルテの本丸ジュヴレシャンベルタンVV、そして1級シャンポーと1級ラヴォーサンジャックです。


【データ】
ドメーヌ ドニ モルテはジュヴレシャンベルタンに拠点を置く生産者。故ドニモルテ本人はフィネスとエレガンスを追及するワイン作りを目指したが、その目標と裏腹に類を見ないほどの豪華さと重量感のあるジュヴレシャンベルタンで評判を上げた。現在ドメーヌの指揮を執る息子のアルノーモルテはそうした父親の意思を受け継ぎ、エレガントな方向性を追及しています。そのため一時期の豪華さ、重量感はやや落ち着いているみたいですね。
栽培は有機農法、1万本/haの密植、グリーンハーヴェストによる収量制限を行う。樹齢はACジュヴレシャンベルタン 20~50年、一級ラヴォーサンジャックは80年の古木を使用。
酸が落ちない様に早めの収穫を行い、補糖でアルコール度数の強化を行う。
除梗100%、ACジュヴレシャンベルタン新樽率50%、プルミエクリュ以上は恐らく100%?フラッグシップは特級シャンベルタン、特級クロ ヴージョ。


【テイスティングコメント】
生産者: ドニ モルテ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン ヴィエイユヴィーニュ 2012

約16000円、WA91-93pt(2010)
外観は赤身の強いルビーで、粘性は中庸
ロンジュロワと比較すると明らかに堅牢で、凝縮した果実味を感じることが出来る。重心は低く、より華やかさが前に出ている印象を受ける。
解けてくると凝縮感がこの中では強くない事が分かる。瑞々しいブルーベリーやダークチェリーの熟した果実味、シャンポーをより柔らかくした樽香がある。スミレの華やかさや丸みを感じさせるようになる。血液やなめし皮の要素があり、時折オレンジを思わせる酸の要素が見られる。ミルクティーやリコリスなどのアロマも感じさせる。一級に比べるとやや散漫な印象を残す。
タンニン、酸は高度に凝縮しており、スミレの強い華やかさとハーブの余韻が長く残る。口の中では丸みを帯びており、堅牢ながら丸みを帯びた舌触り。


生産者: ドニ モルテ
銘柄: ジュヴレシャンベルタン プルミエクリュ レ シャンポー 2012

約27000円、WA91-93pt(2010)
外観は赤身の強いルビーで、粘性は中庸。
ジュヴレシャンベルタンと比べると幾分か広域に広がる様な華やかさが感じられる。ただマルサネの丸さとは明らかに異なり硬質で冷たい凝縮感と甘さを感じる。集中力の感じられるワイン。
ミネラリーな石を感じさせるニュアンスに、ブルーベリーやダークチェリーの熟した果実味、そして強い抽出がもたらすスミレの華やかさがある。ラヴォー程ではないがオーク的な木材の要素がある。ローストというより生の木材。引き締まっているが奥底に強固な果実味がある。薫製肉やベーコン、高凝縮としたシロップ、クローヴやミルクティーの様な風味を感じさせる。酸とタンニンは比較的穏やかに感じたが、凝縮感は高い。華やかなスミレやクローヴ、ベリーのかひのような堅牢な余韻を残していく。ドライで堅牢なワイン。


生産者: ドニ モルテ
銘柄: ジュヴレシャンベルタン プルミエクリュ ラヴォー サン ジャック 2012

約30000円、WA92-94pt(2010)
外観は赤身の強いルビーで、粘性は中庸。
シャンポーと比べると少し熟度が高めで丸みがある。
鋭角的ではなく華やかさを伴いながらボリューミーで中域に伸びていくワイン。ジュヴレシャンベルタンの中においては近づきやすさがある。そして最も強い樽香を感じるワイン。
よく熟したブラックベリーやプルーンに、スミレの華やかさ、五香粉やコーヒーを感じさせるロースト香が調和している。強い甘露さがある。エスプレッソの様な濃厚さがあり、果実味もシロップのように強い。濃厚なワイン。燻製肉、ローストアーモンド、クローヴ、マホガニー。全体的に要素が力強く極めて高レベルて調和している。
酸味、タンニンは随一に高いが滑らかで、素晴らしい旨味とスミレ、黒系果実の長い余韻を残す。


【所感】
先日はマルサネとシャンボールミュジニー1級をレポートしましたが、本日は遂に本丸と言うべきジュヴレシャンベルタンの村名1種、1級2種となります。
この上に特級クロ ヴージョと特級シャンベルタンかありますが、今回は一級のラヴォー サン ジャックまでです。
しかし...マルサネやシャンボールもそうなのですが2012年のドニ モルテは凄いな!?ジュヴレシャンベルタンを飲むと改めてそう感じます。
華やかなスミレやなめし革、樽の要素が強く、堅牢さを感じますが奥に潜んでいる果実味は半端ないです。
ジュヴレシャンベルタンは強い華やかさがあり、その奥に強い黒系果実のニュアンスが感じられます。オレンジを思わせる要素やミルクティーのニュアンスなどありますが、凝縮した果実味を先行して感じられます。しかし時間経過と共に徐々に丸みを感じられる様になり、1級と比べると散漫さや凝縮感に劣る様な気がしました。わりかし早く解けるので飲みやすいですし、果実味もあるので良いのですが、他の1級畑の迫力と比べると少し地味な感じがします。
マルサネなんかと比べると明らかに凝縮感がありますが、1級群と比べると力不足感があります。
次に1級シャンポー。ラヴォーサンジャックとはスタイルを異にする一級畑で特徴的なミネラルの出方があり、少し冷涼なタッチを感じます。
ただ凝縮感と果実味はむしろ村名と比べてかなり高く、ただミネラルが強すぎて過剰に硬質に感じられる様な形になっています。ここら辺のグレードから樽の要素がハッキリと感じ取れるようになってきます。ただマルサネ レ ロンジュロワの様なトースティーな樽ではなく、どちらかといえば生の木材というか、ロースト的な要素は強くないと思います。ただ燻製的な要素は少し感じました。
最後にラヴォーサンジャック。
最も堅牢でありながら、最も果実味が高く、エネルギーに満ちています。熟した黒系果実が凝縮し、五香粉やコーヒーの様な強いロースト香が溶け込んでいる。非常にパワフルなワインだと思います。強烈なスミレの香りに核となる凝縮した果実味があり、クローヴやマホガニーの複雑な要素が絡み合っています。
最も完成度が高く、長期熟成するとともに若くから偉大さを感じとる事が出来るワインになっています。
ラヴォー渓谷にあり、熟度が高いブドウが出来ることに起因しているのかもしれません。
以上ジュヴレシャンベルタン3種です。
こう見ると明らかにマルサネやシャンボールミュジニーとは差別化されており、ジュヴレシャンベルタンの特徴を良く捉えたワインを作っていると思います。
豪華さよりもきめ細やかさの方が強く感じましたので、それはきっとティエリーモルテがもたらした良い影響なのかもしれません。全体的な時流にあっていますね。
価格自体はかなりお高いですが、ジュヴレシャンベルタンとはなんぞや、の答えをもたらしてくれる素晴らしいワインだったと思います。




関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR