【ブルゴーニュ:99】エティエンヌ ソゼ 2012年水平テイスティング Part.1

こんにちは、HKOです。
本日はエティエンヌ ソゼの2012年ヴィンテージです。
2回に渡るこのエントリーですが、1回目は村名畑のザンセニエール、そして1級ガレンヌとシャン カネの3種類です。


【データ】
エティエンヌソゼは約150年前から続く老舗ドメーヌ。品質はピュリニー、シャサーニュで5指に入る生産者で、約70年ほど前よりドメーヌ元詰めを始めています。2代目当主のジェラールは大学で醸造学を学び、ヴォルネイのプスドールに師事。その後ワインを生産し始めました。
相続によって大部分の土地を失った事もあり、大部分を買い葡萄を使用するネゴススタイルだが、基本的には購入先を変更する事はなく、ドメーヌと品質は変わらない。
アルコール発酵は木樽を使用し、やや高めの温度で行われる。バドナージュは1日1回。樽熟成は1級15ヶ月、特級18ヶ月。新樽比率は村名20%、1級30%、特級50%以下で熟成された後、瓶詰めされる。
フラッグシップは特級モンラッシェ、シュヴァリエモンラッシェ、バタールモンラッシェの特級畑です。


【テイスティングコメント】
生産者: エティエンヌ ソゼ
銘柄: シャサーニュ モンラッシェ レ ザンセニエール 2012

WA92pt(2009)
外観は淡いストローイエローで、粘性は中庸。
塊の様なミネラル感とナッツの様な風味が目立ったシャルドネ。オイルの様なミネラル感とナッツの様な樽香、ライチやシトラスの様なクリーンな果実味、フレッシュハーブ、シャンピニオンの様な芳香が感じられる。 少々のグリニッシュさやフォキシーさがあるが、徐々に蜜の様な香りも香りも混じっていく。極めて品のあるクリアな果実味がある。
張り詰めた様な酸とミネラルがあり、ナッツやシャンピニオン、シトラスの様なシャープな余韻が残る。


生産者: エティエンヌ ソゼ
銘柄: ピュリニー モンラッシェ プルミエクリュ レ ガレンヌ 2012

WA91pt(2009)
外観は淡いストローイエローで、粘性は中庸。
ミネラル感はザンセニエール同様、非常に硬質だが、クリーンで引き締まった凝縮感のあるドライ系の果実味がある。樽は目立っていない。
しっかりとしたミネラル感がありながら、白桃やライチの様な甘露さや白い花の蜜の様な品のある甘さ。フレッシュハーブの香りが主体的である。少しずつわずかにナッツの要素が混じっていく。徐々に焦がした砂糖のような風味も。ザンセニエールの様にひたすら硬質という訳ではない。フォクシーな要素もほのかに感じられる。クリアな果実味が存在している。最終的にはシャンカネとタメを張れるくらいの果実味が。
ザンセニエールと比べるとより酸が際立っており、ミネラルも潤沢に感じられる。白桃やバター、ミルクティー、マスカテルなフレッシュな果実味の余韻が綺麗に残っていく。


生産者: エティエンヌ ソゼ
銘柄: ピュリニー モンラッシェ プルミエクリュ シャン カネ 2012

WA92pt(2009)
外観は淡いストローイエローで、粘性は中庸。
引き締まったミネラル感があるものの、豊満でよく熟した甘い果実味とバニラの様な芳香が感じられる。
ガレンヌや村名と比べるとミネラルは控えめで、どちらかとクリーミーでしなやかなワイン。
シロップ漬けの黄桃やライチの様な太い厚みのある果実味。バタークリーム、ブリオッシュの要素。ハーブの要素は控えめで焦がした砂糖やバニラの様な風味が極めて強く、この中では非常に豊満な体躯のワインである。香りの甘さを主軸にしながら、徐々にハーブの様な芳香が混じり合ってピュアな姿を見せてくる。
香りとは裏腹にしっかりとした酸とミネラルがあり、フレッシュな黄桃やフレッシュハーブ、ミルクティー、バターの様な余韻が残っていく。


【所感】
エティエンヌ ソゼはラモネと共にピュリニー・シャサーニュの生産者の中では特別な思い入れのある生産者です。未だに熟成したソゼのモンラッシェ、ラモネのビアンヴニュ バタールと凄まじさは良く覚えていて、当時本当にブッとんだ。熟成したシャルドネの本性を身を以て体感した一本でした。
ラモネもソゼも最新ヴィンテージは、ほぼ毎年何がしかは飲んではいるので、若い頃の彼らのワインはミネラルに満ち満ちていて非常に堅牢という事は認識はしているのですが、今回の(2回目に記載する)キュヴェは、どの生産者のものも熟度が高く、比較的キャッチーで若いヴィンテージから飲みやすいという認識を見事に覆すものでした。これについての詳細は次回記載しますが、どちらかというと今回の1級の方が飲みやすいと感じました。
さて今回はシャサーニュ村名畑とピュリニー1級ガレンヌ、シャンカネです。
それぞれ非常に趣が異なります。

まずシャサーニュなのですが、一般的にピュリニーより果実味が強く、ミネラル感において劣るというのが一般的な見方です。が、しかしこのザンセニエール。
凄まじいミネラル感を包含しています。この中で最も堅牢で冷ややかなタッチのワインです。ザンセニエールという畑は、バタールモンラッシェの直下にある畑なのですが、モンラッシェやバタール同様、ピュリニーとシャサーニュにまたがった村名畑になっています。ラモネはピュリニーで、ソゼはシャサーニュでザンセニエールを作っています。
強固なナッツや張り詰めた様なミネラル感に彩られ、果実味はシャープでクリーン。強靭な酸があり、全体的に引き締まったような印象を受けるワインです。
キャッチーさには欠けますが、非常にポテンシャルの高い村名畑だと思います。
バタール自体はよく熟した果実味が特徴の特級ですが、ザンセニエールはどちらかというとシュヴァリエと近しいミネラルの張り詰め方をしている印象です。
村名としては出色の出来と言えるのではないかと思います。
次に1級2本。
ガレンヌとシャンカネです。
シャンカネはムルソーペリエールに隣接する1級畑、ガレンヌは特級群よりも標高の高い斜面に位置する一級畑です。これはテロワールの差異をしっかりと感じられる作りでした。まずガレンヌですが、ザンセニエール同様硬質なミネラル感が支配するクリーンな印象を受けます。
ただザンセニエールと比べると高い標高に起因する寒暖差による果実味の凝縮感がより強く感じられます。
品のある白桃やライチなどの果実味、そして僅かに樽のナッツの様な要素を感じる事ができます。
ミネラルと酸が強いので堅牢な印象がありますが、ザンセニエールの様にミネラルに寄りすぎず、果実味もはっきりとあるのは、標高ならではだと思います。
ただ標高が高い畑は冷涼なヴィンテージだと冷たくなりすぎますが、ほのかな熟度が感じられるあたり2012年はなかなか良かったのではないかと思います。
次にシャンカネ。
ガレンヌやザンセニエールに見られた硬質なミネラル感は控えめになり、より熟した果実の風味とMLF的なバターの要素を強く感じられました。いわゆるムルソーに近い果実味の出方で、シロップ漬けの甘い果実味とバニラ、バタークリームやブリオッシュの様なまろやかな味わいが特徴的です。そこにハーブの様な要素が混じっていきます。
ただ隣接する畑はムルソーペリエール。
ムルソー随一の堅牢さとミネラル感を誇るこの一級畑のスタイルを考えると、このシャンカネはいささか柔らかく作ってあるような気がします。
ラフォンやコシュデュリに限らず、他の「ムルソー」の生産者はガチガチに表現するので、すこし違和感があります。ただソゼは「ピュリニー」の生産者ですから、ムルソーと隣接した一級畑と考えたときに、柔らかく仕上げるのはなんとなく納得ではあります。
絶対的にミネラル感が高めなのは土壌ならではだとおもいますが、果実の熟度やMLFや樽の掛け方は意図して強調してるような。
とはいえ、とても良くできています。
ムルソー的な味わいなので、ムルソー好きな私としては大歓迎!いいワインだと思います。

以上です。
しかしこの中だと最も凄いと思うのはザンセニエールですね。村名畑にして一級群に到達する様なレベルの高さを感じます。もちろんガレンヌやシャンカネとはスタイルが異なりますが、ミネラル強調型としてはかなり最上クラスの姿を見せています。長期熟成しそうです。ソゼの最上の姿を知っているだけにかなり期待できそうです。



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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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