【カリフォルニア: 34】キスラー テイスティング 赤2



こんにちは、HKOです。
3回に渡るキスラーレポートの最後はスティーブキスラーの新プロジェクト、オキシデンタル ワインズのソノマコースト、そしてフラッグシップのオキシデンタル ステーション ヴィンヤード キュヴェ キャサリンです。


【データ】
オキシデンタル ワインズはキスラーのスティーブキスラーが、2013年にソノマコーストでスタートした新プロジェクト。例えるならばキスラーがドメーヌ ルロワだとするとドーヴネの関係性に近いのかしら。赤だけだけど。
使用する畑はオキシデンタル ステーション ヴィンヤードとボデガ ヘッドランズの2畑のみ。
フラッグシップのキュヴェ エリザベスはボデガ ヘッドランズ、キュヴェ キャサリンはオキシデンタル ステーション ヴィンヤードの単一畑。
ソノマコーストはこの2つのキュヴェのアッサンブラージュ。収量は30hl/ha、厳密なグリーンハーヴェストか行われ、収穫は夜間に行われます。除梗はせず、天然酵母を使用して全房発酵。ピジャージュは最低限に。新樽25%、MLF後5ヶ月熟成後無濾過無清澄で瓶詰めされます。


【テイスティングコメント】
生産者: オキシデンタル
銘柄: ソノマ コースト ピノノワール 2012

約20000円
瑞々しく濃密で華やかなピノノワール。キスラーのソノマコーストと近い性質はあるものの、より構成されている要素の濃密度や香り高さがこちらの方が強く、明確な赤系果実のコンポートの様な香りが感じられる。トフィーやワッフルなどの少し焼いた様なアロマ、そしてイチゴやブラックベリーのコンポートの様な甘い果実味。時間が経過すると強烈な甘さを放っていく。レ スショ的。スミレやミルクティー、白檀、クローヴやシナモン、燻製肉、わずかにオレンジの要素が混じる。
酸味は柔らかく滑らかだが、少しタンニンが際立っている。スミレや果皮の香り、そして旨味を感じさせる余韻を残していく。


生産者: オキシデンタル
銘柄: ピノノワール オキシデンタル ステーション ヴィンヤード キュヴェ キャサリン 2011

約38000円
ソノマコーストと方向性は同じでありながら、明らかに最も凝縮しており、高濃度のワイン。明確な構成要素があり煮詰めたイチゴやクランベリーの様な果実味とシロップ漬けのスミレの香りを感じられる。圧倒的な格上感がある。グランエシェゾー的。
煮詰めたイチゴやクランベリーの立体的な香り。ミルクティーや強いスミレの香り、樽香は果実味に隠れてか控えめにワッフルが香る。ほのかな土や葉の要素。燻製肉やシナモン、クルミ、ワッフルのような要素が感じられる。どこか自然派的なニュアンスがあるがとにかく凝縮感が突出している。アプリコットやナツメグ、クローヴのアロマ。
酸味もタンニンもこの中ではパワフルな方で力強いアタックを感じさせる。イチゴやナツメグ、スミレ、わずかに鉛筆の芯の要素を感じさせる。余韻は長い。


【所感】
この2回でピノとシャルドネの素晴らしさを語りましたが、このオキシデンタル ワインズの2本は個人的にはより上質なピノノワールだと感じました。
ストレートな果実味はともすればキスラーのピノノワールの方が上回っているかもしれませんが、その凝縮感や構成要素の密度、粘性はオキシデンタルの方が事実として高いと思います。そのくせ抽出的な黒系果実は見せず、赤系の華やかで瑞々しい果実味を強く感じるのですよね。例えばそれはイチゴでありクランベリーでありブラックベリーのジャムといった果実味がグラスから溢れています。
キスラーと比べると抽出は抑えめですし、よりブルゴーニュに近寄った味わいだと思います。
ソノマコーストは先述した様にキスラーのそれと比べると、より密度や凝縮度が高いものとなっています。赤系ベリーのジャムの様な果実味と、それに合わせてはっきりとした樽香がトフィーやワッフルの様なローストした香りを発露させています。
赤系果実かつ、はっきりとした果実味やグリセリンはヴォーヌロマネでもレ スショ的な特徴を感じますね。
ホールバンチ的なクローヴの要素もありますが、樽と赤系の果実味が主軸となっています。エキス感があり、瑞々しくありながら、リッチな造りです。
そしてオキシデンタル ステーション ヴィンヤード。
凄まじいです。ソノマコーストの完全上位互換。強烈な凝縮感やグリセリンを包含しています。そして赤系果実のジャムの果実味がはっきりと立ち上がっています。煮詰めたイチゴやクランベリー、MLF起因のミルクティー、華やかなスミレの香りが立体的なストラクチャーを形成しています。ワッフルやクルミの様な樽香は存在していますが、他の要素が際立っているので相対的に落ち着いています。例えるならばグランエシェゾーでしょうか。余韻も極めて長くエレガンスとパワフルさが同居しています。
キスラー2010年のキャサリンとは比較にならない位素晴らしく私の最初に感動したキスラーそのものでした。今思うとやっぱり2010年と不振だったのだなぁと思いました。
その他のヴィンテージは本当に素晴らしいんですけどね...このオキシデンタルもキスラーのニューステージを予感させる様な素晴らしいピノノワールでした。




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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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