【シャンパーニュ: 42】ビルカール サルモン セパージュ(白)

こんにちは、HKOです。
本日より2回にかけてビルカールサルモンのテイスティングレポートをさせていただきます。

ブリュットレゼルヴ、エクストラブリュット、ブリュット ロゼは既にレポート済みなので、そちらをご参照くださいませ。

今回はスタンダードの延長上にある2本、スー ボワ、そしてフラッグシップのキュヴェ ニコラ フランソワ ビルカールの2種類です。


【データ】
ビルカール サルモンは1818年にニコラ フランソワ ビルカールとエリザベス サルモンによって設立されたメゾン。
ワインの葡萄は10haの自社畑(ピノノワールのみ)、30haの35の自社以外の畑、140haの契約農家の畑から産出されています。(ピノノワール、シャルドネはモンターニュ ド ランス地区とコート ド ブラン地区、ピノムニエはヴァレ ド ラ マルヌ地区から作られています。)
自社畑から作られるピノ ノワールはマレイユ シュール アイ村と特級のアンボネイ村産で収量は40~45ha/L程度。ノンヴィンテージのリザーブワイン比率は40%。
スーボワは醸造工程において発酵、熟成を樽で行ったものです。
キュヴェ ニコラ フランソワ ビルカールは良年のみ生産され、シャルドネはコート ド ブラン地区、ピノ ノワールはモンターニュ ド ランス地区の特級畑100%を使用。
醸造はブルゴーニュのバリック樽で行い、コールド スタビライゼーション方式を採用、作られたワインは白亜質の天然セラーで12度の温度で寝かせられています。ヴィンテージは10年間、ノンヴィンテージは3年程度瓶内熟成を経て出荷されます。


【テイスティングコメント】
生産者: ビルカール サルモン
銘柄: ブリュット スー ボワ NV
品種: ピノムニエ、ピノノワール、シャルドネ1/3ずつ

約12000円
透明に近いストローイエロー、粘性は中庸。
木製樽で発酵、熟成させたものだが、強烈な樽香や酸化的な処理がなされている訳ではなく、あくまでクリーンさと果実味をベースに据えながら、ハーブや自然の樹皮、後にビスケットやバニラを感じさせる樽香が前に出ている。そして熟したリンゴや洋梨の様な果実味、ほのかな塩気を纏うナッツを思わせる酸化的な要素が感じられる。従ってブリオッシュというより、エシレバターに近いMLFの要素。白い花の様な要素が感じられる。先述した通り徐々にクリスピーなビスケットやバニラ、ハーブを包含した甘い香りが出てくる。蜜の様な果実味。
口に含むとはっきりとした樹皮の要素とピノを感じさせるはっきりとした旨味、層の厚い旨味を感じる事が出来る。ワイルドな酸で、ナッツやエシレバター、リンゴの長い余韻を感じることができる。


生産者: ビルカール サルモン
銘柄: キュヴェ ニコラ フランソワ ビルカール 1999
品種: ピノノワール60%、シャルドネ40%

約19000円、WA94pt(1998)
透明に近いストローイエロー、粘性は中庸。
既にクリームブリュレに近い香りが漂っている。ピークに近いかもしれない。酸化的な部分は控えめで、バタークリームやバニラの要素、そして品の良いしっかりと熟した白桃や洋梨の果実味が感じられる。ビルカールサルモン共通の澄んだ蜜を思わせる果実味。ローストナッツやドライハーブ、白い花の様な香りが感じられる。酸にブラン ド ブランにも見られた繊細さがあるが、香りの力強い立ち方はピノノワールらしさを見せる。全体的にはリッチさを感じるが、奥底にはぶどう品種に起因する力強さを感じさせる。
目は少し粗めだが、酸は繊細。ただ十分に他のシャンパーニュと比べるとスムーズ。十分なリンゴやハーブ、ナッツの旨味と余韻が感じられる。


【所感】
ビルカールサルモンのポートフォリオとしては下記の通りとなっています。

1: セパージュ(ブラン)
ブリュットレゼルヴ(スタンダード)
エクストラブリュット(ノンドゼ+スタンダードより熟成期間が1年長い)
スー ボワ(樽発酵、樽熟成)
キュヴェ ニコラ フランソワ ビルカール(フラッグシップ)

2: セパージュ(ロゼ)
ブリュット ロゼ(スタンダード)
キュヴェ エリザベス サルモン(フラッグシップ)

3:モノセパージュ
ブラン ド ブラン(シャルドネ単一)
クロ サン ティレール(単一畑、ピノノワール単一)

今回は1:セパージュ(白)を書いていきます。


まず前提としてブリュットレゼルヴとエクストラブリュットは熟成期間とノンドゼの違いですが、熟成期間よりノンドゼのドライさの方が差分としてしっかりと感じられました。舌に残る余韻が鋭く、キレ味があります。スパークリングウォーターを飲んだ時のアタックに近いです。熟成期間については、やや長めなだけ、エクストラブリュットの方が香りは甘い様な気がしますね。MLFが進んでるからでしょうか。
さて、次にブリュット スー ボワです。「森の下草」の名前を冠した樽発酵、樽熟成を経たシャンパーニュ。考え方はアルゴンヌに近いでしょうか。
ただし、ベースはビルカールサルモン、確かにフラッグシップを除くキュヴェの中ではかなり樽の香りを感じさせますが、強くローストした様なモカやコーヒー、あるいはローストナッツの様な香りは、あまり感じられません。また他のノンヴィンテージのキュヴェと比べて熟成感があるので、ひょっとしたら旧樽を使用しているのかもしれません、あるいは焼きの浅い樽材か。骨子はクリーンで蜜のような香りを感じさせます。バニラやビスケット、そして酸化的な影響を受けてかエシレバターの様な塩気を感じさせます。それらの樽の要素に加えハーブなどの風味を感じさせます。
旨味に厚みもあるし、フラッグシップを思わせるリッチな作りになっています。
ちなみにセパージュは3分の1ずつですが、熟成感がありピノの特性がよく出ている様に感じました。

次はキュヴェ ニコラ フランソワ ビルカール。
去年飲んだ2002年も良かったですが、更に熟成が進んだ1999もかなり良いです。セパージュはピノとシャルドネ。両方の良さを引き出しています。
2002は溌剌とした若々しさがあり、ある種ブリュットレゼルヴの延長線上にあるシャンパーニュでしたが、円熟するにつれてより完成度が増しています。
ピークのスタートとも言えるクリームブリュレを思わせるクリスピーで甘い香りをベースにして、白桃や洋梨を思わせる品の良い果実味に満ちています。そこに白い花やドライハーブの複雑さが加わっていきます。
他のフラッグシップ群と比較すると酸の目の荒さを感じますが、他のシャンパーニュと比較すると圧倒的にスムーズで余韻も長いと思います。
香りの立ち方もしっかりとしていますし、価格を考えると非常に良くできていると思います。他のメゾンなら3万は固い出来だと思います。

以上サルモンのセパージュの白のテイスティングレポートでした。これら全てが2万円に届かないっていうのはすごいですね。他のが高すぎる、という見方もありますが。次回はロゼとなります。




関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR