【ブルゴーニュ: 106】コント ジョルジュ ド ヴォギュエ 2012

こんにちは、HKOです。
本日は2012年のヴォギュエ、特級ボンヌマールと特級ミュジニーVVです。
ヴォギュエといえば何と言ってもシャンボールミュジニー最高の生産者であり、最も若いうちに飲んではいけない生産者ですね。
ただこのブログでは美味しさ云々もありますが、将来性や現状を把握していくのがメインなので、ずんどこ行きます。


【データ】
ヴォギュエはミュニエ、ルーミエ、グロフィエとともにシャンボールミュジニーを代表する最も優れた生産者の一人。栽培責任者はエリック ブルゴーニュ、醸造責任者はフランソワ ミレが担当しています。
有機農法、収量制限の為の仕立て併用、作柄毎に醸造方法を変えるなど、葡萄のポテンシャルを最大限に引き出す為の栽培方法を実践しています。
収穫したブドウは100%破砕除梗。低温浸漬は行わない。木の発酵槽で約3週間発酵させ、樽熟成は約1年で、新樽率は村名15%、特級で30%。
なお、ミュジニー畑に植わっている25年未満の若木に関しては、赤はシャンボールミュジニープルミエクリュとして、白はブルゴーニュブランとして、そして25年以降を特級ミュジニーヴィエイユヴィーニュとしてリリースしており、このデクラッセによってミュジニーの品質が保たれています。
今回は特級ボンヌマールとミュジニーです。



【テイスティングコメント】
生産者: コント ジョルジュ ド ヴォギュエ
銘柄: ボンヌ マール グランクリュ 2012

外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
瑞々しい黒系ベリーの要素がありながらも、抽出の強さが際立つジュヴレシャンベルタンの様な堅牢さがある。パワー感のある香りの立ち方で、目の詰まった濃密さとグリセリンを帯びた様な風合いを感じられる。
少し焦がした様なカラメルや黒糖的な香りと、樹皮や茎、華やかななめし皮やスミレの風味、熟したブラックベリー、ダークチェリーの様な果実味が渾然一体となって力強く香りが立ち上がる。ほのかにミルクティーの様な風味もある。ローズマリー、生肉、クローヴやシナモンの様な風味が感じられる。
ミュジニーと比べると目がかなり詰まっており、ムチムチとした質感の濃密さがある。
酸、タンニンともに充実しており、特に酸は暴れ気味。暴れる酸と共に目の細かいタンニンが立ち上がりアタックとしてはやや強め。ミルクティーやベリーの余韻がしばらく続く。


生産者: コント ジョルジュ ド ヴォギュエ
銘柄: ミュジニー グランクリュ ヴィエイユヴィーニュ 2012

外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
2011年と比べるとだいぶ色が濃いように見える。
瑞々しい黒系ベリーの果実味があり、MLF的なふわりとしたミルクティーの要素と奥底にある凝縮感が強く感じられる。果実味はしっかりと存在しており、凝縮しているのに、ふわりと撫でるようなタッチを持つワイン。
しなやかなミルクティーと抑制の利いたスミレの様な香りの中に、チェリーリキュールやラズベリージャムの様な果実味が結合し、シロップや蜜を思わせるほのかな甘さを感じさせる香りがある。そこにシダの樹皮やほのかに土を感じさせる。なめした毛皮、紅茶。徐々に焦がした様なワッフルの様なアロマもある。
概念的でふわりとしたタッチだが根本から全体を引き締めるミネラル感はしっかりとある。
酸もタンニンも充実しているが、特に暴れ気味というわけでもなく、ひたすら強い酸とタンニンが立体的に、かつどこかで跳ねることなく、長い余韻と太いアタックを残していく。ミルクティーと果皮の厚いベリーを思わせる余韻。香りの柔らかさとは裏腹にボディは強固で熟成ポテンシャルは極めて高い。



【所感】
まずボンヌマール。
とてもムチムチとした破裂しそうな濃密感(濃厚ではないです)とジュヴレシャンベルタンにも通じるガッチガチの堅牢さがあります。香りからして濃密で、極めて明確な実体感と立体感のある球体的ボンヌマールです。香りに一定のキャッチー感はあるものの、なかなか足を出さない力強さ=抽出の強さを内包しています。
ロースト香や華やかさもミュジニーと比べるとよく出ています。正直ジュヴレシャンベルタンと言われた方が納得感があります。少なくともモレサンドニ的ではなく、またシャンボールミュジニー的かと言われれば、ヴォギュエ=シャンボールミュジニーではあるのですが、ちょっとボンヌマールにしても強すぎるな、と感じました。
次にミュジニーですが、ボンヌマールと比較すると明らかに作りが異なりますね。
香りは奥底に凝縮した強靭なエネルギーを潜ませながら、つかみどころのない撫でるような優しい香りが主体的。ただ口に含むとその印象は一気に変わり掴みかかるようなタンニンと酸に圧倒させられる。香りに果皮のニュアンスはあまり出ていないが、相当に力強く、しかして外面は柔らかく仕上げている。優しい外面に騙されて口に含むと、全てを拒絶される様なワイン。
それはMLFをやや際立たせているのと、抽出をしっかりとしているのにも関わらず、あるいは果皮成分をあまり感じさせず、タンニンや華やかさだけしっかりと抽出しているという感じ。そこにさらに強いミネラル感が絡んでいく。樽も強くはないがしっかりと効いている。熟度は高いものの、口当たりはかなりドライで冷淡。香りや全体的な雰囲気と口当たりとの齟齬、相反する要素がミュジニーという奥深さ、一筋縄では決して行かない難易度の高さを感じる。

全体的に2010や2011と比較すると、かなり強い酒質に仕上げている印象を受けます。色も濃く、いわゆるシャンボール的な淡い色合いでは無いと感じました。その分ボンヌマールもミュジニーもこれまで以上に長期熟成に適していて、おまけに言うのであれば若い内にはかなーりキツイ当たりをかましてくれます。
まあここはヴォギュエのいつもの事ではあるんですが、殊更この2012年はそう思いますね...ますます開けどころが予想つかない。おそろしいツンツンツンデレワインですね...過去一度もデレは見たことないですが。90年でもデレないってどういうことだよ...



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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