【ブルゴーニュ: 109】淑女達の微笑、レ ザムルーズ2011の誘い

こんにちは、HKOです。
レアなジャック フレデリック ミュニエのアムルーズを含む、レ ザムルーズ4種類です。


【データ】
フランソワ ベルトーは2004年より父ピエールに代わり5代目当主のフランソワが設立したドメーヌ。
保有面積はボンヌマール、レ ザムルーズを含む6.2ha所有しています。平均樹齢は30年~40年。年間生産量は15000本のみ。シャンボールに根差した生産者でレジオナル以外はシャンボール村名、一級、特級のみを保有しています。
栽培は厳格なリュットレゾネ。ヴァンダンジュヴェールトで厳しく収量を切り詰め、収穫は全て手摘み。野生酵母で発酵、熟成はバリックで18ヶ月間。新樽の比率は20%~30%。瓶詰めはノンフィルター、瓶詰め後半年以上休ませてから出荷します。
今回のレザムルーズはわずか0.32haのみのレアワイン。

ロベール グロフィエはモレ サン ドニに拠点を置くシャンボールミュジニーのトップ生産者の一人。レ ザムルーズ最大の所有者。現在はセルジュ グロフィエ、ニコラ グロフィエが指揮を取っている。フラッグシップはシャンベルタン クロ ド ベーズ、ボンヌマール、1級レ ザムルーズ。
除梗は2007年、2009年が100%、2008年、2010年は70%。2011年は60%。
10日間の低温浸漬の後、自生酵母による自然発酵。新樽率は村名20%、アムルーズ40%、ボンヌマール60%で、13ヶ月程度のフランソワフレール製の樽で熟成を行う。

ジャック フレデリック ミュニエは19世紀後半にその大本となるドメーヌが設立されましたが、実際に本格的にワイン作りが行われるようになったのは1985年から。現在はシャンボールミュジニートップクラスの名手となっています。指揮は5代目のフレデリック ミュニエ。
ミュジニーは2カ所1.13ha、ボンヌマールはテールルージュ、テールブランシュ5カ所に0.36ha保有しています。
ぼぼ有機農法、グリーンハーヴェストによって収量を制限した栽培がおこなわれる。選果は収穫時に入念に行われ、除梗機で100%除梗は行われる。発酵前に2、3日低温浸漬を行なわれ、徐々に温度を上げ自然に発酵を行なうが、必要によってシャプタリザシオンも行う。発酵は18日間。新樽比率はミュジニー、ボンヌマールは20−25%で24ヶ月熟成を経て無濾過、無清澄で瓶詰めされます。
個人的に凄い好きな生産者で(ヴォギュエより好き)毎年楽しみにしています。2011年はどうでしょうか。

ヴォギュエはミュニエ、ルーミエ、グロフィエとともにシャンボールミュジニーを代表する最も優れた生産者の一人。栽培責任者はエリック ブルゴーニュ、醸造責任者はフランソワ ミレが担当しています。
有機農法、収量制限の為の仕立て併用、作柄毎に醸造方法を変えるなど、葡萄のポテンシャルを最大限に引き出す為の栽培方法を実践しています。
収穫したブドウは100%破砕除梗。低温浸漬は行わない。木の発酵槽で約3週間発酵させ、樽熟成は約1年で、新樽率は村名15%、特級で30%。
なお、ミュジニー畑に植わっている25年未満の若木に関しては、赤はシャンボールミュジニープルミエクリュとして、白はブルゴーニュブランとして、そして25年以降を特級ミュジニーヴィエイユヴィーニュとしてリリースしており、このデクラッセによってミュジニーの品質が保たれています。



【テイスティングコメント】
生産者: フランソワ ベルトー
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ ザムルーズ 2011

21000円、WA85-87pt(2004)
外観は淡いルビーで粘性は低い。根本をしっかりとしたミネラルが占めるが、極めて繊細なアムルーズで澄んだエキス感がある。
アメリカンチェリーやクランベリーの赤系果実の果皮を感じさせる華やかさと果実味があり、なめし革や燻製肉、スミレのような花の香りが鼻腔をくすぐる。
濡れた樹皮やクローヴなどのフレッシュハーブ、紅茶や、ほのかにミルクの香りや燻した香りが漂うがメインではなく、あくまで野生的な香りとベリーのエキス感が主体的。徐々に旨味の膜をはり、枯葉やメイプルの様なトースティーな甘さを伴い始める
酸味は非常にきめ細やかで、タンニンはとても柔らかい。ベリー類の瑞々しいエキス感となめし革、葉の余韻が立体感を持って現れる。王道的アムルーズ。凝縮感もあり、テロワールをしっかりと写し取っている。



生産者: ロベール グロフィエ
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ ザムルーズ 2011

33000円、WA93pt(2009)
外観はやや濃いめのルビーで粘性は中庸。
こちらも澄んだエキス感のある味わいだが、少し樽の要素とが感じられる。引き締まったミネラル。
ダークチェリーやブルーベリーの果実味があり、その中に五香粉やコーヒー、強めのなめし革の要素が感じられる。複雑で以前より樽の香りが増した印象。
少し乾いた果実の甘みがあり、パワフル。スミレや濡れた土や葉、ポルチーニ。鉄観音の様な乾いた葉も混じる、クローヴなどのハーブなどの要素が感じられる。ミルクの要素はあるが少し控えめ。枯葉の要素が徐々に主体的になり力強いアプリコットの要素が現れる。
酸味は極めてきめ細やかで繊細、タンニンはベルトーに比べると少し強めだが、瑞々しいアムルーズの本日は変わらない。妖艶な五香粉とダークチェリーのエキス感が凝縮し、味わいが広がっていく。
マロラクティックな1年前とはかなり印象が異なる。



生産者: ジャック フレデリック ミュニエ
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ ザムルーズ 2011

120000円、WA93pt
やや濃いめのルビーで粘性は中庸。
還元的であるものの、少しずつ本質を表していく。
エキス感はしっかりとありながら抽出が強く、やや筋肉質な印象を受ける。
華やかなスミレやなめし革の香りとダークチェリー、ブルーベリーの瑞々しい果実味が復活してくる。果実の本来の蜜の様な甘みが混じる。アプリコットの様な旨味も存在。ツヤツヤとした果実味がある。若い瑞々しい葉と枯れた葉の香りが同居、フィトンチッドの様な木材の香り、ほのかに五香粉の様な樽香。燻製肉や濡れた犬、少しずつマロラクティックなミルクティー風味が現れる。クローヴやフレッシュハーブなど。
この中では最もつやつやした果実味が感じられる。ほのかに炭焼きの様な樽香を帯びてくる。
やはりタンニンと酸は繊細でしなやか。クローヴやダークチェリーやブルーベリーのエキス感に満ちた余韻が長く続いていく。華やかでありながら果実味に満ちたアムルーズ。



生産者: コント ジョルジュ ド ヴォギュエ
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ ザムルーズ 2011

95000円、WA94-96pt(2010)
やや濃いめのルビーで粘性は中庸。
なんだかんだで凄まじい凝縮感と香りの発露を見せるヴォギュエのアムルーズ。若くして鮮明な骨格を見せ、強烈な立体感がある。
まずコントレックスの様な強烈なミネラル感がある。
その中で、フランボワーズやチェリーリキュールの様な赤系の強烈なエキス感が際立っている。厚みと鮮明さを完全なものとしたキャンディ香、その中でしっかりとミルクティーの要素もある。なめし革やスミレ、薔薇などの煌びやかな香りと若い葉やフレッシュハーブの香り、そして乾いた木、紅茶、クローヴなどの要素。ほのかに甘いシロップの香りが感じられる。
ロースト香は殆ど感じられない。とにかくフレッシュでエネルギッシュなイチゴのキュートなアロマ。
タンニンや酸はこの中では強いものの、やはり繊細で目が細かい。スミレや溶剤、ベリーやはっきりしたイチゴの風味と強靭なミネラル感を舌で感じることができる。インパクトの強い旨味、余韻は長い。



【所感】
どの生産者もかなり個性が異なり、一概に良し悪しが言いにくいものばかりでした。
共通点としてはローストを押し出さず、基本的にエキス感とMLFを上手くバランスを取って外面を軽やかに、内面は強い凝縮感が出る様に仕上げています。
ミネラルは生産者によってまちまちですね。結構生産者毎の差異が大きいので特徴を掴むのなかなか難しいっすね。

まずフランソワベルトーのアムルーズ。これは個人的には今最も美味しく飲めるであろうと考えるアムルーズで、体躯的には最も軽く、十分なエキス感を持っているワインと感じました。色付きの薄いピノノワールを適切に処置したであろうアムルーズで、赤系果実味のエキス感が充実、それと共になめし皮とスミレ、燻製肉の香りがバランスよく配されています。適度にグリニッシュ、MLF的要素が感じられ、アムルーズの特徴をとても掴んでいると思います。
対してグロフィエのアムルーズは -単体で飲んだ時には全くそうは思わないのですが- 比較をした時に新樽の要素がハッキリと感じられ、また抽出も強めである事が良くわかります。去年飲んだ時にはマロラクティック発酵の要素の方がハッキリと出ていましたが、そこは落ち着いたのかもしれません。その分樽香がハッキリと出てきているのかも。そして抽出による強いなめし皮、スミレの要素、そしてダークチェリーやブルーベリーの果実味、アプリコットの様な強い旨味、ハーブの要素があります。
タンニンはこの中では強めで、酸と共にハッキリとしたアタックがありましたが、目が細かく繊細。
これは更に熟成する事でいい方向に向かっていきそうですね。今としてはちょっと堅牢ですね。もちろんアムルーズの中では、ですが。
次にジャック フレデリック ミュニエのアムルーズ。
貴重な一本ですが、抜栓直後は極めて還元的で、わずかに硫黄を思わせる香りがありました。ただ供出20分程度で抜けて、その姿を現してきます。
抽出の煌びやかさとブルーベリーやダークチェリーなどの果実味に満ちたツヤツヤとしたテクスチャのアムルーズで、ある種王道的と感じました。枯れた葉や木材、ミルクティーのアロマと炭焼きニュアンス。余韻は抽出起因の華やかさがありますが、やはり極自然的な森の様なニュアンスを最も強く感じたアムルーズでした。
最後ヴォギュエ。
相変わらずの独特のスタイル...でありながら強烈で鮮烈な香りの明確さ、立体感、骨格の強固さ。
コントレックスにも似た強烈なミネラル感が全面を占めている。にもかかわらず恐ろしい程のキャッチーさがある。フレッシュなイチゴやフランボワーズ、そしてチェリーリキュールなどの赤系果実味が鋭角的に鮮明に芳香する。ハッキリとしたマロラクティック発酵のニュアンスもあり、薔薇やスミレの香りが乱舞する。抽出も強めなので酸とタンニンはこの中ではアタッキーではありますが、恐ろしい程の気安さを感じるワインです。...ただし明らかに撒き餌ですけどね、ヴォギュエのワインは。知ってますよ、あと数年すると次開く時はいつかわからないっていうね。
樽のニュアンスが無く、ほぼほぼ抽出と果実味で複雑さを出していますから、本当に樽香頼りで熟成ポテンシャルを読めない...この中だと圧倒的なポテンシャルを感じる一本です。それでいて、仮初めだけど、今飲んでも美味しいっていうね。

どれも素晴らしかったですが、個人的にはフランソワベルトーですね。今の段階だと最もバランスが取れているので、価格的にも満足が行くと思います。
あるいはヴォギュエですが、値段が高すぎる。ミニュエは熟成待ちですが、そもそも国内に玉がない。グロフィエは絶賛高騰中ですし、ここのところ激しく堅牢に作ってあるので、柔らかくなるまで待たなくちゃいけませんね。
そうなると必然、フランソワベルトーです。
なかなかいい生産者だと思いました。





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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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