【ブルゴーニュ: 110】娼婦達の誘惑、レ ザムルーズ古酒の誘い

こんにちは、HKOです。
本日は昨日に引き続きレザムルーズ2種類です。
ちなみになんと!ジョルジュ ルーミエのアムルーズも含みます!やったぜ!(あんまり良くないヴィンテージだけど)


【データ】
ヴォギュエはミュニエ、ルーミエ、グロフィエとともにシャンボールミュジニーを代表する最も優れた生産者の一人。栽培責任者はエリック ブルゴーニュ、醸造責任者はフランソワ ミレが担当しています。
有機農法、収量制限の為の仕立て併用、作柄毎に醸造方法を変えるなど、葡萄のポテンシャルを最大限に引き出す為の栽培方法を実践しています。
収穫したブドウは100%破砕除梗。低温浸漬は行わない。木の発酵槽で約3週間発酵させ、樽熟成は約1年で、新樽率は村名15%、特級で30%。
なお、ミュジニー畑に植わっている25年未満の若木に関しては、赤はシャンボールミュジニープルミエクリュとして、白はブルゴーニュブランとして、そして25年以降を特級ミュジニーヴィエイユヴィーニュとしてリリースしており、このデクラッセによってミュジニーの品質が保たれています。

ジョルジュルーミエは恐らくブルゴーニュで最も人気がある生産者のうちの一人で、そもそもの生産量が少ない&市場で瞬間蒸発してしまうため滅多に見かけない、見かけてもプレミアがついてべらぼうな金額で取引されている生産者です。化学薬品、化学肥料、除草剤は使用せず、グリーンハーヴェストによる収量制限を行います。
選果台で選別を行ったのちに除梗します。除梗比率はは年によって変わりますが、平準的な年で75%、暑い年で50%程度。発酵槽は2009年より100%ステンレスタンクを使用し、6日程度の低温浸漬を行った後発酵を行う。新樽比率は村名25%、一級40%、特級50%と比較的少ない使用率で16ヶ月熟成の後、無清張、無濾過で瓶詰めされます。
今回のレ ザムルーズは特に人気が高く、(もはや辟易してしまいそうな)価格高騰を起こしている希少な一本です。


【テイスティングコメント】
生産者: コント ジョルジュ ド ヴォギュエ
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ ザムルーズ 2001


約86000円、WA92-94pt
赤みは落ち着いているもののまだまだ若々しさを感じさせるルビー、粘性は中庸。香りがあまり立ってこない。
ミネラル感は健在。ラズベリーやブルーベリーのドライジャムの様な果実味は驚く程健在なのに、獣香や熟成香はハッキリと立っている。マロラクティック発酵に起因するミルクティーの要素、そのまま派手さを引き換えに旨味を強烈に表出している。スミレや薔薇のドライフラワー、紅茶や枯れた葉、濡れた土などの自然的な要素が際立っている。生肉、そして溶剤。クローヴやローリエなどのスパイス香が感じられる。少しずつ蜜の様な風味も現れる。 鉛筆の芯など。
香りは切ないが、口に含むと偉大さがよくわかる。
強烈な旨味のエキス感、梅柴やスモモの様な果実味とスパイス、獣香の様な余韻が広がっていく。まだ熟成出来ると思う。


生産者: ジョルジュ ルーミエ
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ ザムルーズ 1994


約190000円、WA89pt
外観は全体的に橙を帯び始めたルビー、粘性は中庸。
パワーは弱いがそれを求める生産者ではない。
他の要素をそぎ落とされた、核に近い澄んだエキス感を感じるアムルーズ。香りも十分に立っている。
ただヴィンテージに対して進みすぎている印象もある。アプリコットジャム、アセロラ、梅しば的な旨味を包含するエキス感が際立つ。椎茸や漬物的な風味が早くも現れている。濡れた木材やトリュフ、併せてスミレなどのドライフラワーや落ち葉、生肉やなめし革。ユーカリ、ヒノキ。燻製。スーボワの香りはあるが控えめ。獣香に至っては全くないピュアなエキス感を残した果実味がかなり魅力的だ。
どこかミルクティーの要素もあり、熟成しているのにも関わらずツヤツヤとした果実味がある。(勿論熟成香が主体だが立体感があるということ)
酸の繊細さ、柔らかいタンニンに差異なく綺麗に乗ってくる旨味、絶妙なバランス感。梅しばや木材、落ち葉、生肉を感じさせる完璧な余韻。素晴らしい。美しい酸とタンニンが両立。


【所感】
昨日に引き続きレザムルーズですが、今回は「少し熟成した」ヴォギュエと「飲み頃の」ルーミエです。
端的に言うとヴォギュエはなかなか香りが開いて来ず、ちょっと残念な感じでしたが、ルーミエは悪いヴィンテージのものだったからか、逆に凄まじく良いタイミングで飲めたと思います。
もうこれは本当にラッキーですね。この年代にしてほぼ核だけ残したお出汁系の上品な味わいといって差し支えないのではないかと。
まずヴォギュエのレザムルーズから。
先ほど凄まじいミネラル感と芳香をブリブリ振りまいていたアムルーズですか...なんと全然香りが上がってこない。当然フレッシュなイチゴ香は期待をしていない訳ですけど、熟成に起因する獣香や鉛筆の芯、生肉以外はすごーく閉じこもっていて、その姿を現してくれない。
ほのかに感じられるベリーの香りやミルクティーの要素、ミネラル感を見るに若いヴィンテージの面影を未だ残しているのはどことなく感じますが....滋味には至ってません。熱浴びのミュジニー2001は(不完全ながらも)開いていたので、多少期待していたのですが、香りに関しては少し厳しいな、と感じました。
丁度熟成と若々しさの狭間でスタイルを見失っている感じでしょうか。ただこれが口に含んだ時に本質の片鱗を感じとることができます。
エキス感が強烈な旨味に転化している。これは若いヴィンテージでは決して味わえないものです。梅しばやスモモのような旨味成分が口に広がり長い余韻を残してくれます。酸はパワフルなので、まだ若いとは感じるものの、旨味は最高だと思います。
次にジョルジュ ルーミエのアムルーズ。1994って事で一般的にも飲み頃だと思うんですが、そもそも良くないヴィンテージというのもあり、平準より少し進んでいる様な味わいだと思いました。感じとしては2次ピーク。様々な要素をそぎ落とした上で、本質というか核というか、それらの美しい部分だけを残した味わいというべきでしょうか。一昨年の80年代前半ののフーリエのグリオットシャンベルタン、そして去年のトラペの1982シャンベルタンに近しい味わいと感じました。年に一回こうした完全なる2次ピークの熟成に出会えるのはラッキーです。しかもルーミエのレザムルーズ。これで残念アムルーズだったら泣いているところでした...
当然ながら、最近のスタイルのルーミエの若いヴィンテージ(例えば レ クラなど)と比べるとパワー感というか凝縮感は落ちているものの、非常に繊細で美しいワインになっています。梅しばやアプリコットのジャム、アセロラの果実味と椎茸や漬物系の綺麗な旨味が引かれています。その中でバランス良く熟成のニュアンスが織り込まれているのが素晴らしいですね。出汁の様なワインではあるものの梅しばの風味はツヤツヤとしていて、古酒にして立体感があります。
アタックから余韻に至るまでも完璧で酸が立つ訳でも旨味が立つ訳でもなく、ひたすら綺麗に残留する酸に旨味が乗ってきます。その組み付けが完璧で、継ぎ目が無い。何言ってるのかよくわかんないと思いますが、分かる人には分かっていただけるのではないかと...
以前ルーミエのボンヌマール古酒を飲んだ時は1980年代が結構パワフルで帆立味だったので「んー」となんとも言えない気分になったのですが、これは完璧ですね!
すは




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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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