【ブルゴーニュ: 114】フィリップ シャルロパン パリゾ 特級水平テイスティング 2012 Part.2

こんにちは、HKOです。
本日はフィリップ シャルロパン パリゾ2回目です。
予告通り、特級シャンベルタン、マジ シャンベルタン、シャルム シャンベルタンの3本です。


【データ】
フィリップ シャルロパン パリゾは1976年に設立されたドメーヌ。ブルゴーニュでもアンリジャイエの弟子という枕詞と共に非常に注目されている生産者です。といってもアンリジャイエのワインを飲んだことがないので、今ひとつイメージが湧かないのですが。
全体で樹齢の高い樹を中心に、栽培はリュットレゾネで行われています。収穫をした葡萄は100%除梗され、約1週間の低温浸漬を経てアルコール発酵がなされます。新樽比率は殆どが50~70%で、特級で100%。無濾過、無清澄で瓶詰めされます。フラッグシップはシャンベルタン、ボンヌマール、マジ シャンベルタン、エシェゾー、クロ ヴージョ、クロ サン ドニ。
今回のシャルム シャンベルタンはマゾワイエールとの混醸、マジシャンベルタンはリュショットに隣接する区画、シャンベルタンはラトゥール一族から委託されている畑、ボンヌマールは石灰土壌のテール ブランシュの中にある0.12ha区画のみを使用、クロ サン ドニは0.17haの区画を使用。



【テイスティングコメント】
生産者: フィリップ シャルロパン パリゾ
銘柄: シャルム シャンベルタン グランクリュ 2012

約28000円、WA93-95pt(2010)
外観は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
果皮のニュアンスははっきりと感じられるものの、エキス感寄りの妖艶な香り。スミレや、焦がした様なコーヒーの樽香と熟したブラックベリー、ブルーベリー。青い葉の様な要素が主体的。密度は高くないながらと黒砂糖の様な甘露で柔らかい香り。華やかだが、なめし革にまでは至らない。土やお香、クローヴやコリアンダーなどの要素を感じる事ができる。
アプリコットを思わせる酸味と引き締まったタンニンがあり、スミレや鉄釘の華やかさや酸味の強いベリー類の果実味が感じられる。バランスが良い。
エキス感と華やかさと柔らかさのシャルムシャンベルタン。


生産者: フィリップ シャルロパン パリゾ
銘柄: マジ シャンベルタン グランクリュ 2012

約27000円、WA92-95pt(2010)
外観は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
エキス感がベースとしてありながらシャルムと比べると堅牢で高密度。なめし革を思わせる果皮のニュアンスとほのかなイースト、ミルクティー、強く熟したブラックベリー、ダークチェリーの要素がある。徐々に焦げた木の様なはっきりとした樽香が現れる。すこしハーブの様な青い葉の様な香りもある。お香やクローヴ、ローリエの様な要素も。徐々にシャルムに見られた黒砂糖のアロマも。
この中だと酸味もタンニンもかなりよく出ている。
同じく華やかなスミレや鉄釘の香りと綺麗な酸のベリー類、ハーブの余韻が残る。わずかに五香粉も。
キャッチーな甘い果実味と樽香、華やかさと高凝縮度さを感じるマジシャンベルタン。


生産者: フィリップ シャルロパン パリゾ
銘柄: シャンベルタン グランクリュ 2012

約38000円、WA92-94pt(2010)
外観は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
強い抽出による華やかさと力強い樽香がはっきりと感じられる。スミレを思わせる華やかさがあり、そこになめし革や鉄釘の様な鮮明な抽出香、焦げた木材の様な燻したニュアンスが感じられる。その奥底にブラックベリーの果実味があるが甘さまでは感じられない。
土やタバコ、鉄観音。ほのかにジンジャーブレッドやコリアンダーシード、蜂蜜の様なアロマも混じる。徐々に五香粉的な風味も。
硬く、香りの密度は高く、凝縮している。
タンニンと酸は明らかに強いが、舌の上を転がる様なグリセリン感とまとまりがある。五香粉やスミレ、ベリーの余韻が舌に残り、旨味の帯を残していく。余韻も長い。収斂性も高い。
香りが強く、高凝縮度で堅牢、華やかなシャンベルタン。



【所感】
これら3本の特級は共通して先日のボンヌマールとクロ サン ドニと比較すると、いずれも煌びやかな強いなめし皮のニュアンスと凝縮した果実味があります。
まさにジュヴレシャンベルタン的というか、村名の特徴の差分が良く出ていると思います。もちろんエキス感も充実してますし、他のヴィラージュ同様ジュヴレシャンベルタンも、極めて良く作られていると思います。
この3つの差分をざっくりと。
シャルムシャンベルタン。抜栓直後から非常にキャッチーな姿を見せるワインで、エキス感と共に抽出のスミレの様な要素、焦がした様な樽香、ブラックベリーやブルーベリーの豊かな果実味が結びつき、黒砂糖の様な甘露で柔らかい香りを感じさせます。華やかさと果実味と樽香のバランスが極めて良く近づきやすい。冷涼さはなく、堅牢さもどこか感じさせながら開けた感じのグランクリュです。
対してマジ シャンベルタンは開けたシャルムと比べると内向的にも見えます。もちろんエキス感をベースとしながらも、冷涼感があり、焦げた木の様なはっきりとした樽香となめし皮の様な果皮のアロマに隠れる形で、強く熟した果実味がある。果実味と他の要素のバランスが良かったシャルム伴う比べると抽出と樽がより強調されている様な印象を受けます。勿論内側に内包する果実味はシャルムと同等くらいはありそうなもんですが、解けるまで忍耐強く待たないといけないワインです。少しグリニッシュな印象もあります。
ただ解けてくると非常にバランス良くまとまってくれて果実味が前に出るに従って甘い樽香と凝縮度両方を楽しませてくれます。
内向的ですが、待てば姿を見せてくれるワインです。
ただシャンベルタンはちょっと違います。
これはいわゆるシャンベルタンによくあることなのですが、長期熟成を前提にする為、その強靭なボディに合わせた強烈な樽香や抽出を行っている場合があります。それは本当に力強く強靭でパワフル。決して開かない様な錯覚すら受けるシャンベルタン。
今回のシャルロパンのシャンベルタンもそれに近いと思います。華やかさと樽香が前面に出ており、鉄釘やスミレ、なめし皮、焦がした様なニュアンスが強い。徐々に五香粉の様な香りも出てきますが、果実味は面影は感じられるものの最後まで決して前には出てきません。
口に含んだ際のタンニンや酸も随一でアタックもそれなりに強く、やはりシャンベルタンなりのパワフルさを持っていますが、偽りでも親しみやすさを演出したアルマンルソーの2012と比べると、極めて無愛想なシャンベルタンだと思います。まあ、こんなもんですけどね、シャンベルタンって。デレがありません。

よってやはり現段階でオススメはシャルムです。
これは誰でも新しいヴィンテージであれば楽しめるものではないかと。
ただマジやシャンベルタンと比べると腰が少し弱い...ボディか弱めなので、長期的に見たらマジでしょうね。シャンベルタンはどう転ぶかわかんないので、とりあえずオススメはしときません。





関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR