【シャンパーニュ: 48】ドン ペリニヨン 1982、1985、2004比較

こんにちは、HKOです。
本日はドンペリニヨン1985です。
2004年、1982年を絡めて、熟成に至る過程を考えていきたいと思います。



【データ】
ドンペリニヨンはモエ エ シャンドン社が作るフラッグシップ ヴィンテージシャンパーニュ。
現在の醸造最高責任者はリシャール ジュフロワ。
セパージュは平均でピノノワール、シャルドネが50%ずつ。グランクリュ比率は100%。瓶内熟成期間は7年間。今更説明不要のプレステージシャンパーニュですが、存外に醸造観点での情報がありません。


【テイスティングコメント】
生産者: モエ エ シャンドン
銘柄: キュヴェ ドン ペリニヨン 1985

約60000円、WA96pt
外観は黄金に近い琥珀色、粘性は中庸。
82年同様、まさに神懸かり的と言っていいレベルの最高峰の熟成シャンパーニュ。
焦がしたカラメルやクリームブリュレの濃密な風味を中心としながら、モカや焼き栗の要素、そしてリコリスの風味。アプリコットや熟したリンゴの様なねっとりとした果実味、白カビ、ドライシェリーの様な旨味がある。
豊満ながら、そぎ落とされた先にしっかりとしたミネラル感が存在する事がよく分かる。
酸味はよく出ており、旨味も充実、素晴らしいクリームブリュレの風味がある。


◾︎参考
生産者: モエ エ シャンドン
銘柄: ドン ペリニヨン 2004
品種: シャルドネ60%、ピノノワール40%

WA94pt
外観は明るいストローイエローで粘性は中庸。
豊かなカシューナッツやバター、モカ。そしてフレッシュハーブの芳香に、豊満な洋梨、花梨の様な果実味が混じり合う。ブリオッシュ、バニラや白胡椒、しなやかなミネラル感。
際立ったシャープネスもミネラル感もない、バランスの良い豊満でキャッチーな魅力を感じさせるシャンパーニュだと思う。
酸は柔らかく、リンゴやアプリコットの蜜を感じさせる果実味の余韻と旨味が広がる。優等生的なシャンパーニュだ。


生産者: モエ エ シャンドン
銘柄: キュヴェ ドン ペリニヨン 1982

約60000円、WA96pt
外観は褐色に近い黄金色、粘性は高い。泡は穏やかに立ち上っている。
焦がしたカラメルやブランデー、カスタードクリームなどの甘やかでビターな要素に、ブリオッシュやバター。ドライシェリーの強烈な旨味を感じさせる風味。ハチミツ、オレンジの様な柑橘系の果実味。焦がしバター、塩ナッツなどの風味が感じられる。カマンベールの様な味わい。
旨味に満ちた柔らかい酸味があり、木材やカラメル、シェリーの要素。ややビターさが残る。綺麗な旨味と複雑な香りを楽しめる完璧なドンペリニヨン。


【所感】
完璧なドンペリニヨンという意味では1982年には劣るものの、熟成変化という点で頂点に至っていないだけで、ポテンシャルは間違いなく同等クラス。
現状でもほんの僅か樽と酸が優勢なくらいで、香りはほぼほぼMAX状態にある。
改めて同時に飲んだ2004年と比較すると本当に残念なくらい完成度に違いがある。
若いなりの素晴らしさを単体で飲むと感じられるのだけど、比較するとグリニッシュさと、各々の要素のまとまりの無さ、ワイン自体の堅牢さを改めて目の当たりにしてしまう。封じ込められた様々な要素が閉じていて、2004年はミネラル感さえ希薄だが、1985を飲むと熟成によって、ミネラル感もくっきりと浮かび上がってくるのが面白い。
本来強すぎるミネラル感は他の要素を蓋をする要素のはずなのだが。様々な要素が篭り過ぎていてそれすらも隠してしまっているのか。

こうして見ると、そもそものドンペリニヨンが極めて還元的で、樽香の強さと相まって本来のポテンシャルが全く出せていないのがわかる。
思えばエノテーク(1998)ですらヴィンテージに似つかわしくない若々しさに満ちていたのだから、2004年が極めて強い還元状態にあるのは妥当かもしれない。
いわゆる還元香ではなく、10年の酸素不足の状態がこういう形になっているのではないかと。
そして1998年のように約15~20年かけて正常な若々しいシャンパーニュとなり、30年で熟成の頂点に向かう、といった感じだろうか。
他のシャンパーニュが90年前半にピークを迎えるという事を考えるとドンペリニヨンは極めて堅牢でイメージとは裏腹に非キャッチーなシャンパーニュという気がしますね。
ドンペリニヨンを飲むなら少なくとも90年代から。
いい勉強になりました。

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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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