L'AS(ラス: 表参道)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。
※★無しは「普通」です。好きじゃなかったのはそもそも書きません。

HKOです。
本日は最近話題の表参道にあるレストラン、L'ASです。
よく話題になる新進気鋭のお店は幾つかあります。
例えばラ ボンヌターブル、そしてティルプス。
これらのお店はその源流をレフェルヴェソンス、そしてカンテサンスにもっていますが、今回のL'ASも多分に漏れず名店コート ドールを源流に持つレストランです。
ただし、元の店舗のスタイルを踏襲するボンヌターブルやティルプスと異なり、L'ASは源流とは全く異なる今風のモダンフレンチを提供しています。

シェフはコートドール出身の兼子大輔氏。



入口からしてカッコイイ。

ちなみにL'AS、Corkというカウンターのみのワインバーと隣接しているのですが、私が行った時は丁度L'ASの席が空いていなかったみたいで、CORKの方に通されました。
コの時型のカウンター席のみの店で、ガラス張りの雰囲気のある店内です。
みんな各々ワインを楽しんでいて、いい感じです。
むしろ俺があまり飲んでなかったのが印象的でした。
カウンター席、お一人様に優しくて良いですね。


雰囲気あります。

ここは8~10皿5000円のコースのみ。
普通なら考えられないお値段です。懐に優しいです。
※ただしアミューズやお茶も含まれているので実質6~7皿といったとこでしょうか。


アミューズ:「スイカと梅干しの冷たいスープ」(★★)

スムージーの様な食感のスープ。スイカの青っぽさ、甘みと、梅干しの旨味、酸味が素晴らしくマッチする。ほのかに甘酸っぱく、瑞々しいアプリコットを思わせる風味。甘い梅干しの風味がうまくスイカの甘みと調和している。


生産者: ヒルシュ
銘柄: ツェービング リースリング 2012

色調はイエローで粘性は中庸。
ミネラリーなリースリングだがペトロール香は控えめでシロップの様な濃密な甘みを感じさせる果実味が感じられる。ハチミツレモンやオレンジピールの様な果実味、ペトロール香、バタークリームの様な香りが均衡、石油、ナッツなどのオイリーな風味に、フレッシュハーブやリコリスの様な要素がある。
酸味は穏やかで粘性はミディアム程度、ペトローリーな余韻とほのかな苦みが残る。


アントレ: 「L'ASのスペシャリテ フォアグラのクリスピーサンド パイナップル味」(★★★★)


外側はクリスピーなハーゲンダッツの皮やゴーフレットみたいなパリパリの生地で、ほのかに甘みを感じる。
そこに口どけの良いフォアグラのファッティで独特の風味が加わる、生クリームの様にまろやかでクリーミー。その中にアクセントとしてパイナップルのペーストが入っており、フレッシュで強い酸味と風味が加わってくる。フォアグラからはほのかに塩気を感じる。フォアグラの脂っぽさに対応する酸味、フォアグラの塩気に対応する甘み、互いを引き立て合い、フォアグラとパイナップルが調和。さらにクリスピーなゴーフレットが心地よい食感を生み出している。


アントレ: 「透明なトマトのエキスで揚げ浸しにした茄子 梶谷農園のハーブを散らして」(★★)


一見ただのナスのマリネ。でもその中に強烈なトマトのエキスが移り込んでいる。ハーブには岩塩を使ったシンプルな味付けをして清涼感のある香りを引き立てる。揚げ浸しの茄子はトマトの酸味、旨味や独特の青さがしっかりとナスに絡みついている。
色調としては無職なのにトマトの風味がする不思議な一品。茄子はトマトの酸味で爽やかだけど極めてジューシーで、噛みしめるたびにトマトの風味とハーブの爽やかさ、少しカイワレの様な、ゴマの様な香ばしさが感じられる。


アントレ:「雲丹とミモレットチーズのサラダ ルッコラ スナップエンドウ ブロッコリー」(★)


スナップエンドウは千葉県産。
雲丹のソースがとにかく濃厚で全体的な味の方向性を決めている。はっきりした苦みと雲丹由来の磯風味。ルッコラはフレッシュで瑞々しく、かつかなり強い辛みがある。ミモレットは濃厚だが、この中においてはどちらかというと、全体にまろやかな印象を与えている。
茹でたスナップエンドウやブロッコリーは対比する様に極めて強い甘みが出ている。雲丹の苦みと互いに調和し合っている。ルッコラの辛みと雲丹の苦みと磯風味が刺激的な一皿。


皿数が多いからか、供出のペースも早いです。
いつもだと、タイミングを誤って肉料理まで白を引っ張ってしまうが、今回は魚料理が供出される前に赤ワインを注文。
あらかじめメニューに対してワインが決められているようで、選択肢は無い。肉に対してはカストロ ベンドーサのみ。ゲストにワインを選ばせないのは好みが分かれるかもしれないが、それだけペアリングに自信があるという事だろうか。
それはそれとして、いずれにせよ僕はワインについてはソムリエにお任せのケースが多いので、特に違和感はない。
しかもラウル ペレスだ。異論などあるはずもない。


生産者: ラウル ペレス カストロ ベンドーサ
銘柄: エル カストロ デ バルトゥイエ 2010

外観は濃いガーネットて粘性は中庸。
華やかで冷涼なメンシア。
果皮の厚いブラックベリーやダークチェリーの冷涼な果実味と共に、多分に血や鉄の風味が包含されている。そして黒胡椒やクローヴ、枯葉などの風味や、葉巻や土、パストラミハム、スパイシーかつ鉄分に満ちている。ユーカリやキノコ。ほのかに隅で焼いた様な要素もある。
タンニンは極めて豊かだが酸も充実しており、その酸も非常にアタックは強いものの、収斂を残さずきめ細やかに消えていく。スミレや鉄分、ブラックベリーの余韻を残す。極めて古典的な北部ローヌ、ことコートロティに似通ったスタイル。


ポワソン: 「北海道函館産 マグロのポワレ 千葉県並木さんのビーツとブラックオリーブ」(★★★)


外側はカリッと火を通し、中はレアに仕上げたマグロに、香り高いブラックオリーブのパウダー、トウモロコシの様な穀物的な甘さを感じるビーツのピューレで構成。
ブラックオリーブは極めて香り高く、皿全体の香りをビシッと決めている。マグロの赤身は旨味たっぷりで、特に血合いはマグロの旨味を包含している。赤身はしっとりしていて歯切れ良い。ポワレされた外側も香ばしい。風味は違うが、香ばしさはカツオのタタキにも似ている。
ソースを絡めるとマグロの血の様な旨味とオリーブの華やかさ、ビーツの甘やかさが見事に調和してくれる。特に果実の様な甘さすら感じるオリーブがかなり血合いの味を引き立てているし、ビーツの風味も非常に合う。

肉料理を想定して注文した赤だが、これがマグロにも絶妙にマリアージュした。果皮の鉄の様な風味がマグロの血合いと結合した。


ヴィヤンド「スペイン産イベリコ豚のロースト ピペラート添え(赤パプリカ トマト バスク産唐辛子)」(★★★)



唐辛子の風味がしっかりと効いている。トマトとパプリカの使ったピペラート自体の味わいは不動だが、ローブリューのビッグなスタイルと比べるとスパイシーでありながら幾分か繊細だ。
やや強めに火が入ったイベリコ豚。焦がした様な香ばしい風味と脂身の濃密な甘さが非常に素晴らしい。ムチムチとした肉質で非常に旨味を沢山含んでいる。噛めば噛むほど美味い。味付けはシンプルに塩と唐辛子を自分でつけて食べるスタイルだが、塩だと本当に肉の味わいが際立つ。非常に良い豚肉の風味。油は甘いし、穀物を思わせる肉汁もある。ワインにもとても良くマリアージュしてくれた。豚肉の甘みをワインの華やかさが落ち着かせてくれる。


やっぱりこの手のマリアージュは料理をよく知っているソムリエにお任せするべきだなぁ、と。
お店の料理とのペアリングは流石に心得ている。

次はデザート2種。

プレデセール「ミニトマトのコンポート バジルジュレ ピアノ グリッロ(ビオ オリーブオイル)を添えて」(★★)

甘く煮たミニトマトですが、とにかくバジルのジュレの風味が強烈。ミニトマトは潤沢な旨味と青々しさを残しながら、酸味で引き締まった甘みがある。そこにバジルの風味が加わり清涼感のある感じに。添えたオリーブオイルによってさらにまろやかで複雑になる。構成要素的にはイタリアンなのに、全くそれを感じさせない創作的なスタイルを感じる。


デセール「サマートリュフとココナッツのブランマンジェ」(★★★)


ブランマンジェにたっぷりとサマートリュフを乗せたもの。
香ばしくクリーミーなココナッツのブランマンジェ。少しバナナの様な甘い香りを帯びている。ミルキーな味わい。その中にサマートリュフが強烈な香りを放っているが、決して浮いてはいない。ミルクの様な香りとしっかりと結合している。少しアーシー。
ひょっとしたらこのバナナみたいな風味はトリュフとココナッツで生み出されている?ココナッツミルク、そしてバナナミルクを飲んでいる様な錯覚。思わぬ組み合わせ。美味い。


最後は清涼感のあるハーブティーで〆。


「広島県梶谷農園から届いたフレッシュハーブティー」

アップルミント、レモンタイム、レモンバーム、フルーツセージ、メキシカンスイートハーブ、ローズマリーなど複数のハーブを使ったハーブティー。


以上、LASでした。
とても5000円とは思えない様な素晴らしい満足感です。しかもにどの皿も非常にクリエイティブで面白い。面白い組み合わせや発見があるのがいいですね。
過剰に豪華な内装ではないですが、すごくセンスがいいですし、ワインも価格帯の中では様々な地域から美味しいワインを選んでいる印象です。サービスも過剰ではなく、極めて不可測なく行われています。

ここはお得ですね。是非また行きたいです。

住所: 東京都港区南青山4-16-3 南青山コトリビル 1F
店名: L'AS(ラス)
電話番号: 080-3310-4058
営業時間:
月曜定休
営業時間:(ランチ)[土・日・祝日のみ]12:00~15:00(L.O.13:00)、
[平日・土](ディナー)17:30~22:30(L.O.)、[日・祝日]17:30~22:00(L.O.)
予約受付時間 14時~17時30分 22時~24時





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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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