【ピエモンテ:11】古典派、モダン織り交ぜたバローロ5種類を効く Part2

こんにちは、HKOです。
先日の続き、バローロです。
本日は熟成したモダンバローロ2種類です。


【データ】
ガヤはピエモンテにおける最も偉大な生産者のうちの一人です。
ポートフォリオも膨大でバルバレスコやバローロ、そして各々の単一畑。国際品種を使用したダルマジ、買収した生産者のブルネッロなど。いずれも比類なきレベルの高さ。価格も比類なき高さ。
国際品種の導入、単一畑、バリック樽の使用などイタリアにおいて革命的なシステムを数多く取り入れています。
特に単一畑はバルバレスコやバローロの名前をあえて使用せずランゲに格下げして生産しています。
なので、ボトルにはバルバレスコやバローロの表記こそありませんが実態としてはバローロ、バルバレスコの偉大な畑から産出される卓抜したネッビオーロです。
収量制限がなされて収穫された葡萄は、果皮と共に3週間ステンレスタンクで発酵が行われます。 バリック樽で12ヶ月熟成、その後さらにオーク大樽で約20ヶ月間の熟成を行われます。
通常伝統的なネッビオーロは大樽を使用しますが、最近のモダンバローロよろしく(最近は少なくないですが)バリック小樽を使用しています。技術革新も受け止めて比較的モダンな作りと言えると思います。


ルチアーノ サンドローネはエリオアルターレなどと共にモダンバローロの枠内で語られるバローロボーイズのうちの一人。大手ネゴシアンで仕事をする中で、カンヌビの畑を1978年に購入した事でワイナリーをスタートさせます。現在はルチアーノと弟のルカは栽培醸造を行っています。
カンヌビの麓にある醸造所は近代的な設備を備え、バローロ、ランガ、ロエロの地区に最上の畑を所有しています。
今回のレ ヴィーニャは4つの異なる畑のワインをブレンドさせて作るバローロ。 内訳は標高250m、樹齢20年、石灰岩粘土質のヴィニャーネ(バローロ地区)、
標高400m、平均樹齢25年、石灰岩質マール他、密度が濃く多様な土壌のメルリ(ノヴェーロ地区) 、
標高450m、平均樹齢45年、石灰岩質マール他、密度が濃く多様な土壌のコンテルニ(モンフォルテ ダルバ地区) 、標高250m、平均樹齢15年、石灰岩質マール、砂質のチェレッタ(モンフォルテ ダルバ地区) 。
それらの畑から収穫したブドウを畑別に醸造。ステンレスタンクでマセラシオン9~10日間、発酵28日間。フレンチバリックで5ヶ月程度MLF。個々の樽を翌年夏にブレンドし、同じ樽で秋まで熟成後、さらに18ヶ月瓶熟。


【テイスティングコメント】
生産者: ルチアーノ サンドローネ
銘柄: バローロ レ ヴィーニェ 2002

WA88pt、25000円
外観は淵にオレンジを帯びた均一な淡いガーネット、粘性は中庸。
枯葉や濡れた土、萎れた薔薇の様な香り、そしてブルーベリーやオリーブの様なやや塩気を感じさせる果実味、サフラン、クミンなどのスパイス、消毒液とともにお出汁にも似たキノコ系の旨味が表出している。
バニラのアロマが全体の印象をまろやかに。ドライハーブや燻製肉、鉄観音、炭焼きやイーストの様な香りを帯びる。ボルドー的な熟成感と共にバローロ的なアロマもしっかりと残している。徐々に渾然一体となったナツメグを含むソースのような香りも。
酸とタンニンは泣くほど絶妙で、優美の一言。
引っかかりは一切なく、滑らかで、土やドライフラワー、熟したベリーのような余韻が残る。
華やかかつエレガント。モダンスタイルが醸し出す絶妙な熟成香。


生産者: ガヤ
銘柄: スペルス 1999

WA94pt、41000円
外観は淵にオレンジを帯びた均一な淡いガーネット、粘性は中庸。
熟成したボルドーの様な見事な熟成感をまとった一本。腐葉土やキノコの様な熟成香と、円熟したブラックベリーやダークチェリーのジャムの様な果実味、ドライフラワーの様な香りが入り混じる。そこバニラのまろやかな芳香が香りにしなやかさを与えている。葉巻、西洋杉などの香り、そして熟成肉、タイムやリコリス、ナツメグなど熟成によるスパイシーな香り。炭焼きの様なアロマが漂う。
ボルドーの2回目の飲み頃を思わせる香り、ただしその中にある酸味の豊かさとなめし皮の様なアロマは非常に官能的。
枯葉や鉄観音、腐葉土、キノコ、ブラックベリーなどの様々な要素の余韻を残し、口の中のボディも厚い、さりとて酸とタンニンは穏やかで、完全に素晴らしい状態になっている。ほのかに苦味はあるが、ほぼ完璧な状態だと思われる。


【所感】
何これ最高かよ...
ちょっと絶句してしまう位いいです、この2本。
両方ともモダンバローロなんですが、メチャクチャ綺麗に熟成してる。経年としてはさほどではないので、奇跡的にバランスの良いタイミングで飲めたかもしれません。
私の中での認識では、いくらモダンバローロでもタンニンと熟成香とタンニンが張って微妙な時期であると思っていたのですが...これはすごいですね。
やっぱり実際飲んでみない事にはわからんなぁ。
うまい具合にタンニンも酸もこなれていて、いい感じの熟成感と適度な果実味が残っていて、綺麗な旨味があります。エレガントです。
ルチアーノ サンドローネはまだそれでも足りてないと思いますが、ガヤの方は1次ピークを迎えていると思います。まだ熟成香主体の2次ピークは先でしょうが、その一つ前のベストな状態だと思います。
というか1999ってこんなに熟成しているものか???

という前提の下、個別に。
まずルチアーノ サンドローネ。
枯れた葉や濡れた土、萎れた薔薇の様な香りを主体としながら、ブルーベリーやオリーブなどの塩気を感じる果実味、様々なスパイス。バニラのアロマやイーストの香りが感じられます。
熟成香ははっきりしていながら、まだまだボディは若々しく張ってます。酸とタンニンはテイスティングコメントの通り滑らかで優美。受けた感じではボルドースタイルの熟成香とネッビオーロの本来の香りの丁度真ん中くらいの風合いってところでしょうか。
ガヤほどではありませんが、こちらも突出した熟成ネッビオーロといった感じでしょうか。

次にガヤ。
ひょっとしたら今まで飲んだ熟成ネッビオーロの中ではほぼベストだったのでは...という感じ。
ネッビオーロは熟成に極めて時間が掛かるという話から80年代、70年代を幾つか飲んだのですが...勿論いいものはありましたが、全体的にどこかアンモニア香が強いものが結構多く苦手意識がありました。
ただこれは凄い!行ってしまえば、まるでボルドーの最上の古酒の様ではありませんか!
腐葉土やキノコ、そして熟成して円熟した黒系果実のジャムの様な果実味、ドライフラワーの香りがこれがもう見事にバランスが取れていて素晴らしい。そしてフレンチバリック的なバニラ、葉巻、西洋杉の香りもあり複雑さも演出してくれています。なめし革の様な要素もあり、非常に官能的でもあります。
酸とタンニンは落ち着いていながら、ボディは厚く熟成ポテンシャルも十二分に感じられます。

凄いですね、バローロの熟成したの。
少なくともモダンバローロの熟成はかなり半端ないってことが分かりました。
いや、奥が深い。ネッビオーロ、もっと試してみたいと思います。



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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