【ピエモンテ: 10】古典派、モダン織り交ぜたバローロ5種類を効く Part1

こんにちは、HKOです。
本日はバローロ5生産者のうち比較的若いヴィンテージ3本のレポートです。
一言でいうとプルノットがものすごいいいです....


【データ】
マッソリーノはセッラルンガダルバに1896年に設立されたワイナリー。初代のジョバンニマッソリーノ氏から現代に至るまで100年以上続く老舗ワイナリーで、現在のオーナーはフランコ氏とロベルト氏。ヴィーニャ リオンダ、パラファーダ、マルゲリアという、フラッグシップとなる3つの畑を含む23haの畑を保有。
設立当初からワイン造りは変えておらず、伝統的なバローロの造り方に則り熟成に大樽を使うなど、自社畑を最大限に表現したワインを造り出しています。
セッラルンガは、バローロの中で最も東側に位置している石灰と砂の多い土壌です。

エルヴィオ コーニョはランゲ ブリッコ ラヴェーラの丘に1990年に創設された比較的新しいワイナリー。
ランゲの中でも最南端に位置する場所にあります。
3代目エルヴィオ コーニョは1950年代末「マルカリーニ」で醸造を担当した実績を持っており、現在は娘のナディアと夫のヴァルテール・フィソーレが担当しています。
ミクロクリマの影響を受ける石灰質土壌のランゲにおいて南東向きの丘陵地帯に位置している為、日照条件も良く、海洋性の穏やかな気候の恩恵も受けています。降水量は少ないです。栽培には除草剤などは使用しません。
醸造では自然酵母を利用し、最新技術と伝統的製法を併用し、酸化しやすいネッビオーロ種へのアプローチとして厳密に温度管理をする最新式ステンレスタンクを使用、熟成はクロアチア産の伝統的な大樽を使用しています。
今回のヴィーニャ エレナ リゼルヴァはブドウの良年にのみ作られるフラッグシップワイン。クラシックなスタイルのバローロです。

プルノットは1923年にランゲワイン協同組合をアルフレッド・プルノット氏が買取り、自身の名前でワイナリーを設立しています。拠点はモンフォルテダルバ。1956年の引退以降は醸造家ペッペ コッラ氏に引き継がれ、更に1989年にアンティノリに引き継がれています。畑の概念を早くに導入した生産者でもあります。
アンティノリに引き継がれて以降は優良畑「ブッシア」をはじめ、バルバレスコにも畑を買い増し、自社畑を少しずつ増やしています。
醸造に関しても、1999年には老朽化したセラーを最新の温度管理機能を備えた施設に一新し、発酵用のタンクは、古いコンクリート製のものから、ステンレス製に変更。熟成用の樽はバリックを採用しながら、スロベニアンオークの大樽もより小さい5,000~7,500リットルサイズへ変更しています。
今回のブッシア コロネッロはブッシアの畑内にあるコロネッロと呼ばれる僅か1haの区画を使用したもの。砂層、ローム層、粘土層が入り混じった土壌で、西南西向きで樹齢35-40年のブドウを使用しています。醸造においてはフレンチオーク大樽と一部バリック樽を使用、24ヶ月樽熟成の後、12ヶ月の熟成を経てリリースされます。


【テイスティングコメント】
生産者: マッソリーノ
銘柄: バローロ 2010

7000円
外観は淡いルビーで透明度は高く、粘性は中庸。
上白糖や濃密なイチゴ、ラズベリーのジャム、そしてほのかに焦げ香が混じる。イースト的な酵母の香りもあり、トーストを思わせる。香ばしいタバコ、土。 してドライハーブ、燻製肉や消毒液、鉄観音、甘草なとスパイス香もある。時折血のような香りもある。
基本的な印象としては伝統的なバローロ。
タンニンは意外にも丸く酸も穏やか。ほのかに後味に苦味が残るが悪くない。消毒液やイチゴジャム、枯葉の余韻が残る。舌触りが滑らかだから、意外にもキャッチーなキャラクターにも感じる。


生産者: エルヴィオ コーニョ
銘柄: バローロ ヴィーニャ エレナ レゼルヴァ 2009

15000円、WA96pt(2007)
外観は赤みの強いルビーで均一的な光彩、粘性は中庸。
強い抽出と瑞々しい薔薇を思わせる華やかな香り。こちらも比較的伝統的なバローロに思える。ザラメのような香りがあるが、より鉄分や血の香りを強く感じさせる煌びやかで華やかな香り、そしてイチゴやチェリーリキュールの様な果実味がある。少し土の様な風味もある。ローズウッドやユーカリ、リコリスの様な風味もある。炭焼きの様なアロマ。強い抽出と共に潤沢な果実味を包含している。こちらも伝統的。最終的には血と枯葉の香りに。
タンニンは丸く、酸も過剰な強さを感じない。わずかに苦味がある。イーストや薔薇、鉄分の余韻が残る。
柔らかいタンニンと裏腹に、意外と収斂性は高い。


生産者: プルノット
銘柄: バローロ レゼルヴァ ブッシア ヴィーニャ コロネッロ 2008

24000円、WA91-93pt
外観はバローロとは思えないほど極めて淡いルビーで粘性は中庸。
瑞々しく熟したイチゴやドライベリーが入り混じるフレッシュかつエレガントなバローロ。明るいキャラクター。果実味にザラメの様な甘さとイースト、グリニッシュなシナモンやリコリス、ほのかに薔薇や鉄観音の風味。パストラミハムや鉄釘の様な風味も入り混じる。フレッシュながらリキュールを思わせる瑞々しく甘露な赤系果実、どこか干した様な果実のアロマがある。最終的にはドライフルーツとイースト、枯葉の香りに包まれる。
伝統的なバローロを基調にしつつも、どこかブルゴーニュの様な洗練した味わいを感じる。
どちらかというとタンニンよりはるかに酸の方が際立っている...が荒い酸ではなく、目の細かい穏やかな酸ではあるのだか。やや果皮の風味があり、イチゴや茎のような余韻を残していく。


【所感】
今回は比較的新しいヴィンテージのバローロを試しています。正直言うと、個人的な経験からいくとちょっとびっくりなくらい飲みやすいバローロだったと思います。
個人的に気に入ったのはプルノットのバローロ ブッシア コロネッロ。飲んだ時に思ったのが「あっ、これブルーノ ジャコーザ的じゃん」と。
淡い色調、過剰なタンニンと抽出は無くて、瑞々しい果実味と凝縮感に満ちていて、幸せになれる系の明るいキャラクターのバローロ。それでいてしっかりとネッビオーロの薔薇の様な華やかさと鉄観音の様な乾いた葉の香りが主張している。スパイシーでフルーツリキュールを思わせる素晴らしいバローロです。透明感がありますよね。
味わいとしてはこの中で最も酸が突出しており、タンニンが無い代わりに熟成の骨格になってくれるのではないかと思います。輪郭も明確だし、かなりいいと思います。

次はエルヴィオ コーニョのヴィーニャ エレナ レゼルヴァですが、こちらもバローロとしては比較的飲みやすい性質がある様な気がします。
ただプルノットがミュジニー的だとすれば、こちらはジュヴレシャンベルタン的。
プルノットと共通するザラメの様な熟した果実味とトーストの様な風味はありますが、最も強く感じられるのは抽出の果皮成分の強さです。色合いとしてはプルノットと比べれば濃いですが、バローロを見渡した時に決して濃いとは言えない色調です。
ですが、明らかにこの中では薔薇や...ともすれば血液や鉄分の様な煌びやかでソリッドな要素が目立っています。少し土の要素やローズウッド、炭焼きの様な風味はありますが、基本これです。
極めて堅牢と言って差し支えないと思います。
ただフルーツ感は強くて凝縮した果実味はありますので、若いブルゴーニュを飲む感覚で飲めば十分に楽しめると思います。薔薇を思わせる香りが主張していて、大樽や酵母起因のイースト風味を感じさせるのはやっぱり伝統的な作りではあるなー、と思いますね。

最後のマッソリーノのバローロは最も伝統的で、いわゆる若い内は飲みにくいバローロのスタイルだと思います。(とはいえ、それでもチェレットやプロデュトゥーリ、マルケージ ディ バローロなんかと比べるとキャッチーではあると思いますが)
この中では強めの熟した果実の風味(少し乾燥させた様なスタイルの)はあれど、どこか消毒液を思わせるアロマやトースト、タバコや燻製肉、血の様な香りが堅牢な中で構成されています。
酸やタンニンは丸いので飲みやすくはありますが、いわゆる古典的なバローロのバランスを好まない人には少し厳しいかもしれません。
個人的にはしっかりと果実味があったので、まあ美味しくは飲めました。プルノットやエルヴィオ コーニョが美味しすぎたからちょっと微妙感はありましたね。

以上、バローロ3本でした。
プルノットはどこかブルーノジャコーザを思わせる味わいで凄い好みでしたし、基本的にはどれもしっかりと飲めるバローロで良かったです。
次回は熟成バローロです。



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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