【アメリカ:37】旧世界と新世界を融合させる2つの生産者

こんにちは、HKOです。
今回はワシントンのリースリング、オレゴンのピノノワールの低価格帯2本です。


【データ】
エロイカはモーゼルの名手ドクターローゼンがアメリカのシャトー サン ミッシェルと共同で生産したリースリング。1988年にローゼン家の当主になったエルンスト ローゼン博士は伝統的な有機農法と醸造法を再び取り入れ、モーゼルで名声を高めました。
その後サンミッシェルと出会い、コールドクリーク ヴィンヤードで共同制作となるエロイカを生産し始めます。以降、より酸を高める為エヴァーグリーンヴィンヤードやホースヘヴンヴィンヤードなどより冷涼な土地のブドウに変更、収量制限や摘芯や除葉など、ローゼン博士とワインメーカーのボブ・バートゥ氏を中心により日々改善がなされています。醸造はシャトー サンミッシェルがウッドヴィルに所有する白ワイン専用の醸造所を使用。

クラウドライン セラーズは1946年に設立されたドレフュス アシュビー社のピノノワールプロジェクトによって生まれたオレゴン州ウィラメットヴァレーに拠点を置くワイナリー。オーナー&プロデューサーはドレフェス アシュヴュー、スーパーパイザー兼醸造責任者はメゾン ジョセフ ドルーアン、ドメーヌ ドルーアンの醸造責任者のヴェロニク ドルーアンが兼任。年産約2000ケース。ブランド名の由来は、畑からウィラメットヴァレーを眺めると、カスケード山脈にかけて、
“雲のライン”(Cloudline)が見えるという、ヴェロニク・ドルーアンが言葉から。


【テイスティングコメント】
生産者: ミシェル ローゼン
銘柄: エロイカ リースリング コロンビア ヴァレー 2013

外観はやや濃いめのイエロー、粘性は中庸。
リースリングらしいペトロール香と強固なミネラル感を演出しながらも、基本骨子は恵まれたコロンビアヴァレーのテロワールを十分に感じさせるボリューム感のあるたっぷりとした果実味のリースリング。
独特のペトロール香に混ざる様にライムやパッションフルーツの果実味、ハチミツ、そしてバターやフレッシュハーブ、白い花、白胡椒などのアロマを感じさせる。
ドイツのローゼンは甘口が多いため単純比較できないが、残糖を落としたカビネットスタイルのリースリングと考えると非常に良くできているような気がする。
アルザスのリースリングと比較するとより豊満。
酸は穏やかだが厚みがあり、旨味も充実。パイナップルのコンポートを思わせる長い余韻が極めて魅力的だと思う。


生産者: クラウドライン
銘柄: ウィラメットヴァレー ピノノワール 2013

外観は透明度が高い濃いルビー、粘性は中庸。
熟したイチゴやラズベリーの果実味、ほのかにミルクティーを帯びている。華やかな鉄釘やスミレ、ドライハーブなどのグリニッシュな香り。少しアルコール感がある。厚みはないものの、充実した果実味が感じられる。樽やMLFが効いているかというと、さほどではなく、ニュージーランド的なクリアなピノノワールだと思う。
酸やタンニンは柔らかく、ほのかに苦味は感じるもののフレッシュな赤系果実とミルクティーの綺麗な余韻が残る。香りより圧倒的に含み香や口当たりが魅力的。フレッシュな果実味が口いっぱいに広がる。
全くドルーアン的ではない、ニューワールドに即した味わいだった。


【所管】
エゴンミューラーが作るカンタ リースリングもそうなんですけど、ドイツの優良生産者が作る新世界のリースリングはどれを飲んでも素晴らしい。
今回のエロイカも大変素晴らしく、まさに新世界と旧世界の特徴をどちらも併せ持っている。ドイツやアルザスを想起させる強烈なミネラル感とペトロール香を保持していながら、コロンビアヴァレーの冷涼ながら十分なボディを生み出す果実味、例えばライムやパッションフルーツの様な酸と豊かな果実味を感じさせる。アルザスや辛口ドイツの様なシャープネスはあまりなくて、もう少し太い酸。白胡椒やバターなどの複雑な要素が感じられる。価格帯としては3000円台と、まあそこそこしますが十分コストパフォーマンスは良いと思います。新世界の素直な辛口リースリングにミネラルを加えたものと捉えるか、ドイツやアルザスのミネラリーなリースリングに太さを加えたものか、捉え方は2点ありますが、どちらで捉えても面白いものだと思います。
クラウドラインはジョセフドルーアン的ではなく、またオレゴン的でもありません。どちらかというとクリーンなニュージーランドのピノノワールをイメージさせますね。熟した赤系の小果実、マロラクティック発酵のニュアンス、果皮の艶かしい風合いがよく出ています。タンニンや酸は穏やかでミルクティーの様な綺麗な余韻を残していきます。ピノノワールとしては比較的シンプルですが、逆にこれといってダメな点も見当たりません。厚みもそんなにないので、若干の物足りなさは感じますが、バランスは良いので、この価格帯で言うならば、間違いなくお得ではないかと思います。
どちらもコストパフォーマンス的には非常に良いと思うのでオススメです。



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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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