Florilege (フロリレージュ: 外苑前)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。
※★無しは「普通」です。好きじゃなかったのはそもそも書きません。


こんにちは、HKOです。
本日は7月から予約をしておりました念願のフロリレージュに行ってまいりました。
このお店、なかなか予約が取れず、幾ばくかの問い合わせの末のようやくの来訪。期待感が半端なく高まっていましたが、その全て満たしてくれる様な素晴らしい料理とプレゼンテーション。
正直最高でした...

シェフはル ブルギニオンの菊池美升氏に師事し、モンペリエのジャルダン デ サンスを経験後、岸田周三氏のカンテサンスでスーシェフを務めた川手 寛康氏。
ミシュランガイド2015 東京版では*1を獲得しています。

銀座線 外苑前3番出口から10分くらい歩いた先にある、そんなに大きくない商業施設の地下にあります。


看板は目立ちませんが目立たせる必要はないでしょうね。


階段で地下に降りて行きます。

店内は個室もありますが、基本的にはキッチンを取り囲む様なコの字型のカウンターが中心となります。
キッチンで仕事をするスタッフの熱が伝わってきそうな臨場感があります。

いつも通り、まずはシャンパーニュから頂きます。
有名な生産者ではありませんが、価格対比で考えると大変良く出来ています。


◾︎シャンパーニュ
生産者: ヴーヴ エレオノール
銘柄: グランクリュ キュヴェ シンフォニー ドートンヌ ブラン ド ブラン NV
品種:シャルドネ100%

外観は淡いイエローで粘性は中程度、泡は溌剌と立ち上っている。
滑らかでクリーミー、かつ果実味溢れるシャンパーニュ。チョーキーなミネラル感がありながら、バターやチーズの様な風味、ブリオッシュ、そして白桃や赤りんごの様な果実味、ヘーゼルナッツなどの風味が感じられる。
酸味は穏やかで青りんごを思わせる爽やかで華やかな余韻を感じさせる。フレッシュさというよりふくよかさやボリューム感をしっかりと感じます。


いいシャンパーニュです。
早速アミューズが供出されてきました。
ちなみにフロリレージュ、料理に名前を定めておらず、イメージとメイン材料のみ記載があります。
最初の一品は投影をイメージした茄子の料理です。


◾︎投影「茄子」(★★)

ジャガイモと茄子で作った生地にトマト、ハーブ、スパイスを混ぜ合わせたペーストとキャビア ド オベルジーヌ(茄子の種を焼いたもの)を詰めたもの。
蒸しパンの様なしっとりとした暖かいジャガイモと茄子ベースの皮、トマトや茄子などの旨味たっぷりのペーストがとても合っている。
いきなりレベルの高い。茄子の香ばしい風味とクリーミーで滑らかなタッチ、と適切な塩気が食欲を増進させる。濃厚。


黒い...
かなり個性的なルックスですが、フィンガーフードとしてはかなりいい感じです。
次は前菜の牛のカルパッチョです。


◾︎要素「牛」(★★★★)


熊本県産経産牛のカルパッチョ、燻製したジャガイモのピューレ、プラム。それに暖かいプラムとビーツのコンソメスープを掛けて供出。
思わず笑いが出てしまう牛肉のカルパッチョ。脂の甘みと柔らかさがハンパない。
滑らかなジャガイモのピューレと合わせると、よりフワッフワで溶けるような味わいに。
いわゆるはっきりした味というより、輪郭線が曖昧で、舌の上で溶けていく様な泡沫の様な味わい。
肉の滑らかな甘みがアプリコットのハッキリとした輪郭の味わいと相乗、2つのテクスチャーを楽しめる。ジャガイモの風味が溶け出したコンソメのほのかな風味も面白い。
ハーブにはビネグレットの風味。



◾︎酒粕を使った蒸しパン


ふっくらふわふわ蒸しパン。ごく僅かに酒粕の風味が感じられるが強くはない。


物凄い良かったです...
次もなかなか楽しみになってきます。


◾︎ほろ苦み「鮎」(★★★)


鮎とその内臓のペースト、ポワレしたフォアグラ、玄米のリゾット。鮎の骨から取った出し汁。
滋味と出汁感溢れる一皿。
鮎の内臓はやはり苦味は感じるが、オイリーなフォアグラと相乗することによって滑らかになり、フォアグラと鮎の内臓のコクを残している。お出汁の風味もしっかりと出ている。玄米は程よい芯の硬さを残している。どれが足りなくても完成しない。プレーンな滑らかなフォアグラの風味、鮎の身のホクホクさ、内臓の苦味が相乗していく。出汁の中のほのかな塩気だけで、全体をまとめている。
出汁はヨーロッパ的なフュメというより、日本の鰹出汁的な風味に近いと感じた。基本的に素材を活かす系であまり強いソースやスープは使っていない。


モツとモツの組み合わせが非常に面白い。
しかもお互い相反する要素があって各々で溶け込んでいるという。いい感じです。
この皿はどこか和の風味を感じますね。


◾︎ヘテロ「牡蠣」(★★★★)


牡蠣とオカヒジキのフリット 生のオカヒジキ 凍らせた牡蠣のピューレ レモンのメレンゲ 牡蠣のスープ。
プリッとしたサクサクしたおかひじきの食感が楽しい、その中にある酸味とコクを帯びた味付けの牡蠣の風味も絶妙。食べ応えのあるブリッとした食感。
酸味でしっかりと風味が付いており、降りすぎない塩気も絶妙。酸の方がしっかり感じられる。レモンのメレンゲは甘く、しっとりとしておりフリットの酸味と塩気に甘さと複雑さを与えている。
サクサクとしたおかひじきの食感と牡蠣の滑らかな風味や旨味、酸味が、全体の味わいを引き上げる様は芸術的。
牡蠣のスープはポタージュ的でクリーミーかつ牡蠣の地味がしっかり出ている。牡蠣のスープも絶妙。酸味を滑らかに包み込む。


絶妙!
オカヒジキ、食感だけではなく、なかなか味わい深いです。
さて、肉料理に合わせて赤ワインをオーダー。
ブルゴーニュ、ボルドー、イタリアとありましたが、お店のチョイスに合わせてボルドーを。


◾︎赤ワイン
生産者、銘柄: ドメーヌ ド カンブ 2011

外観は濃いめのガーネットで粘性は中庸。
いいワイン。2011とは思えないほど強烈に熟したボルドーで、ラフィットの様なエレガンスを演出しつつメルロー主体の滑らかさを感じる。
時間が経つと少しカベルネ種のグリニッシュさが出るが、全体的には完全にメルロー主体のそれ。ニューワールド的でもある。熟したブラックベリーやプルーンの様な果実味、ほのかにインクやピーマンのアロマがあるが、基本的には果実味、焦がした砂糖、シナモン、キャラメルトフィー、そしてそれに付随するMLFに起因するバニラやティラミスの様な甘い香りが主体となる。焼いたゴムの様な樽香、西洋杉、ドライハーブ、乾いた土、ほのかなグリニッシュなハーブの様な風味、
香りとは裏腹にボディは2011なりで、やや水っぽくタンニンと酸は非常に穏やか。だがこれはこれで柔らかく今と考えると飲みやすい。



◾︎分かち合う「塊肉」(★★★★)


蝦夷鹿の低温調理、パプリカのファルシ 鹿のジュとパプリカ。
シンプルな肉料理だが、火入れが素晴らしい。
しっとりと仕上がった火入れで噛みしめると野生的な血の風味が口に広がる。少し甘辛なジュ ド シュヴルイユと相乗する。ジュの甘さが前に出て煮詰めた様な濃密さがある。
鹿肉のこってりとした脂が素晴らしい、甘みと牛肉の様な脂の風味。噛めば噛むほど旨味が表出。
外側は適度にしっかりとした肉感で、脂のある部分に関しては甘くコクがあり濃密、内側は恐ろしく滑らかで完璧な火の入り方をしたしっとりとした赤身の肉の野生的な味わいを楽しめる。素晴らしい!
パプリカのファルシは中にはパプリカのピューレが入っている。ほのかに苦く、辛味があり、濃密な鹿肉の印象を和らげる。

鹿肉、ボルドーと良く合いました。
ホントに火入れが絶妙で食べる部分によって味わいが異なるし、中心部の血の香りとか味わいが濃厚、そして脂の甘みも強いのでボルドーが完全に合ってくれました。
次は2皿のデセールです。



◾︎リフレッシュ「パイナップル」(★★)


ココナッツのブランマンジェをゴールデンパイナップルのスライスでラヴィオリ状に。パイナップルのソルペを敷いて。
鋭角な酸味のソルベ、ラヴィオリ仕立てのブランマンジェと生のパイナップルが、甘く滑らかなので酸の際立ったソルベとのバランスが良い。ココナッツのブランマンジェがとても滑らか。ハーブの様な風味がある。爽やかな一皿。


◾︎お似合い「モッツァレラ」(★★)


写真にバジルの葉が無いのは写真を撮る前に食べてしまったから。ごくたまにある出来事です。
複数のフロマージュを使ったチーズケーキ、レモンソース、パセリオイル、バジルの葉、塩のメレンゲ。
おっアイスかー、と思いきやもっちりとした濃厚なチーズケーキ。少し塩気を帯びているが、甘い柑橘系のレモンソースの風味がチーズケーキと調和、そして塩メレンゲが加わる事によって、更に塩スイーツ的な風味を醸し出す。チーズと塩の風味が本当に絶妙に合う。余韻にさわやかに残ってくれる。パセリのオイルとバジルの葉は清涼感がありパリパリとした食感も楽しい。


爽やかな口直し的な一皿と濃厚な一皿。
バランスが良く取れてましたねえ。
最後はミニャルディーズとハーブティーで〆。
コーヒーは無いみたいです。香り強いですからね...余韻を壊さない配慮でしょうか。


◾︎ハーブティー
レモングラスとペパーミントのハーブティー

◾︎ブドウのシロップをまとった長野パープル


フレッシュかつ甘みが強化されている。


最後に食後酒で〆です。
フィーヌ ド ランブレイと悩みましたが、貴重なロマーノ レヴィを。

◾︎グラッパ
生産者: ロマーノ レヴィ
銘柄: グラッパ ディ ウナ セルヴァティカ コン リタ

少し緑がかった色調。
58%の強烈なアルコール感があるが、合わせて白胡椒やハーブの香りが溢れ出す。少し海苔のような風味もある。風味豊か。


以上7皿。供出スピードは早めで1時間30分程度で頂く事が出来ました。
どの皿も非常に手が込んでいて、複雑な味わいの料理から一見シンプルな皿まで、(例えば前者は鮎とフォアグラ、後者は鹿肉になるんですが)とても緻密な味わいを楽しむ事が出来ました。
予約を取りにくいという難点こそありますが、基本的に不満足な点は一切ないです。
カウンターキッチンも臨場感があって楽しいですし。
なにより料理が素晴らしい。

また是非行きたいです。


住所: 東京都渋谷区,神宮前2ー5ー4 SEIZAN外苑B1
店名: Florilege (フロリレージュ)
電話番号: 03 6440 0878
営業時間:
[木~火]
12:00~13:30(L.O.)
18:30~21:00(L.O.)
ランチ営業、日曜営業
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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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